【ゲーム音楽感想】てんくうのとう ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊

 今更過ぎる……。でも好きだから何度でも聞ける。

※Switch版、GBA版は未プレイ。


 てんくうのとう(同名のダンジョン)は、青空と白い雲のコントラストの中を登っていく、見た目にも爽やかでケレン味のあるダンジョン。

 最大の特徴は、当ダンジョンがストーリーのラストダンジョンであるという点。これまでの階数で圧倒してくるダンジョンから一転、敵一体一体が猛威を振るってくる。特にモンスターハウスとプテラのこうそくいどうの組み合わせは、不思議のダンジョンの仕様(速度は行動回数に当てられる。部屋にいる敵は全て加速)も相まって、トラウマレベルと称される。さらにこれまでにもあった天候変化が、砂嵐を除いて全種類登場する。


 ポケモン不思議のダンジョンのBGM全曲にいえることだが、音数が少ないながらも、音をずらすことによって、主にベースに厚みを出した点が高評価。

 てんくうのとうは、空や雲の中を歩く爽やかさとメルヘンさを込めつつ、最後の冒険にふさわしい堂々としたサビと、思わず歩みを止めそうな切なさが特徴。
 あえてクラシカルな音源と電子音を混ぜることによって、DSのクリアな音の発色を生かした、現代的でスマートな曲調に仕上がっている。

  • グロッケンから始まる明るく特徴的なイントロ。ストリングスがふわっと入って来る演出があり、風を感じる。

  • 爽やかでケレン味のあるサビ。ブラスはここにしか使われていないが、強烈な存在感を放つ。

  • ブラスが引くおかげで電子楽器のベースが目立ってくるAメロ。鳴り響く鐘も好き。

  • そして、切ないBメロ。Bメロからサビへの繋ぎでは、まるで雲の切れ間から光が差すようなヴァイオリンと、転調が特徴。


 テンポは全体を通して変わらず、ダンジョンBGMであるせいか抑えめであるが、全体的にベースと打楽器が小刻みに入っており、テンポの遅さを感じさせない。さらに、ベースと打楽器を切ることでテンポが変わったように聞こえるのもたまらない。

 

 曲の変化がダンジョンの天候と上手くかみ合う。強い日差しや降り注ぐ雨、叩きつけるあられの中をひた進むプレイヤーキャラ達と、カッコいいサビや切ないBメロが見事に合う。

 エンディング前では最長を誇るダンジョンであるので、ずっと聴いていられるのもうれしい所。



 ポケモン不思議のダンジョンは名曲揃いである。今でもふと思い出しては、各所のアレンジを聞きに行く。