あすぴれんとの夜明けぜよ!!③ー麗しの博多の夜ー
1)
福岡空港に着くと、直ぐさま博多に向かった。
地下鉄が乗り入れている。
なんだか凄い所に来ちまった。
地元民としては、成田空港も凄い所だと思っている。
花のお江戸に直通で行けるし、“世界のねずみさんランド”も近い。
けれど、やはり昔、寺山さんが口にした言葉はその通りだと思った。
書を捨てよ!町に出よう!
そんなに“書”を必死に持った覚えもないが、圧倒的に“町”に出ないみはるは、如何せん知らないことが多すぎる。
博多、すげぇ!!
ぶっちゃけて言う。
博多、舐めてた。(スイマセン ^_^;)
実は、みはるは少しだけ九州に所縁があるひとなのだが、みはるの中の九州の記憶が《昭和50年代》で止まっている為、びっくりしちゃったのだ。
恐らくは、みはるに所縁のある彼の地も、今では見目麗しい“大都会”に変身しているのだろう。
みんな、大いに疲れていたのだと思うが、そんなことはお首にも出さず、しっかりとした足取りで博多の地を踏み締めホテルに向かった。
ヤレヤレ、やっと着いた…。
と、その時、O理事が叫んだ。
「こっからは自由行動でぇーす!」
おっしゃー!!
2―1)
おっしゃー!
とは書いたものの、実際には【疲労困憊】で、直ぐにも部屋に転がり込み、ベッドに体を投げ出したかった。
然し、みはる達“正会員メンバー”は、この日に向けて入念なる《さがおり》を重ねて来たのだ。
《さがおり》とは何ぞや?
佐賀(旅行)のオリエンテーション=略して《さがおり》。(笑)
今、この瞬間に《さがおり》に掛けた時間の総てをぶつけるのだ!
若くはないが、熱き血潮が滾る。
素晴らしくイルミネーションが輝やく、この街へGO-!!
2ー2)
とにかくお腹が空いていた。
11月も中旬過ぎの博多はそれなりに冷える。
冷えている上に空腹とあっては、丸い心もトゲトゲしてしまう。
余程のことがない限り、“丸い心”をグニャリと曲げたりはしない3人だが、礼節を忘れない為にも食べなくてはいけない。
「魚、食べたいなー!」
無類の魚介好きなS氏には、狙いを定めたお店が有った。
それは、みはるが《さがおり》の為に準備をした“るるぶ福岡”に載っていたお店だ。
魚助食堂~By 福岡パルコ
ホントのことを言うと、みはるはかなり魚介が苦手で、出来れば“水炊き”とか、そっち方面にして頂きたかったのだが、ここは“己の好き嫌い”より“友情”を優先させた。(尊い!)
お店に着くまで、いささか迷いはしたが、“なにがなんでも食べてやる!”というS氏の固い決意のもとに、3人で必死にお店を見つけた。
↑
1回限り、盛り放題!という太っ腹なお店のシステムをまんまと利用し、“千葉からお店を潰しに来ました!”位の勢いで、魚を盛り付けるS氏。(証拠写真)
みはる
「S氏、良かったねー!念願叶って!」
S氏
「そりゃあ、もう。この為に来たんだから!」
(イヤ、違うだろ。( ̄▽ ̄;) )
まぁ、ナンダカンダ言っても、K女史もお魚がとても好きなので、初めての博多の食事は概ね良し。
えっ?!みはる?
うん、まあ、ね。
みはるも食べられるお魚は有るのよ。
マグロとか、ハマチとかエトセトラ。
お店に陳列されていたお魚は、カツオとかブリだったので、“おぉ-!みはるも食べられるじゃん!”ってことで、結構幸せに食べました。
空腹に勝るご馳走なし!
ごちそうさま~♪
2ー3)
それにしても博多のひとって、どうしてこうも優しいんだろう?
千葉から出てきた“おくだりさん”(=東京へ行くのが“おのぼりさん”なら、博多まで来た3人は“おくだりさん”)に、どの方も親切に接してくださる。
お腹を満たしたあとは、みはるとK女史のお買い物なのだが、第一の目的地=天神ロフトが分からなかった。
聞いちゃえ!聞いちゃえ!
「すいませーん!天神ロフトにはどのように行けばいいですか?」
「ロフトはちょっと歩きますよー!」
そう言いつつ、丁寧に教えてくれ、そればかりか
「お気を付けて行ってくださいね!」
のひと言。
因みに聞いたのはサーティワンアイスクリームのお店のひと。
「ありがとうございまーす!」
と3人揃って頭を下げたが、誰もアイスを買おうと言い出さなかった。(言えよ!)
大丸に三越に、もう大型デパートがわんさか溢れる街並みをそぞろ歩きながら、“凄いね-!”“きれいだねー!”と感嘆仕切りなおくだりさん達。
ロフトのお兄さんも優しくて、博多、なにもかもがすごかよ!
締めはK女史が買った【お面】なんだけれど、なんて言ったらいいのか…。
K女史は、ちょっとやそっとじゃ語れない位のプロレス好き。(マニアです)
どうやら、そのプロレスに由来する【お面】のようで、どーしても手に入れたかった!
どんだけカッコいいヤツなんだろう?
ってみはるは思っていたんだけど、実物を見て、ちょっとビックリ。
うーん。うーん。
お正月にやる“福笑い”。
ヘタレな目と眉を選んで、全体的にゆるーくなっちゃった感じの、そんな【お面】。
全身から力が抜けるような感覚を覚えつつも、K女史が嬉しいならそれが一番さっ!
あっ。
でも、本当に欲しかったのは“赤色バージョン”。
けれど、それは特注品らしくて、実際に手に出来たのは“オレンジバージョン”。
微妙なズレが微妙に残念。
でも、K女史!
博多のひとの優しさに免じて許してあげてね!
2ー4)
超ド級の方向音痴=K女史とみはるを引き連れて、地図アプリを片手に頑張ったS氏。
博多の人情に触れ、美味しいお魚を堪能し、余程ご満悦だったのか…
「博多、良いなぁー。なんか落ち着く。将来、住んでもいいかもー!」
(マジか!)
いずれにしても、こんな遥々遠くに来て、初日から“幸せ満タン”で良かった。良かった。
「九州には喰いに来たぁー!」
街のど真ん中でみはるが声を挙げる度に、S氏とK女史が笑う。
3人とも“ランナーズハイ”ならぬ“旅人’sハイ”で、お酒も飲んでいないのに妙に出来上がり、最後に抹茶のスイーツをペロリと頂きお開きとなった。
3)
真夜中。
睡眠障害を博多でも引き摺り、眠れずにホテル館内をフラフラしていると、向こう側から、少し難しい顔をした荒井さんがやって来た。
「今晩は!」
と挨拶を交わし、“荒井さん、何してたんだろう?”って考えていたんだけど、直ぐにピン!と来た。
(あぁ…非常口の確認だ)
荒井さんは覚悟を決めて、みはる達を連れてきた。
ーもしも何かが有っても自分が命懸けで救うー
荒井さんが背負う命と責任は5人分。
有り難かった。
そんな思いをしてまでも、みはる達をこの旅行に連れて行こう!
そう決めてくれた強い“想い”に身が引き締まった。
明日、みはる達は必ずや期待に応えてみせる。
あすぴれんとの爪痕を伊万里にしっかり残してくる。
ヘラヘラと遊んでばかりの夜にならなくて良かった。
荒井さんと
リーダーと
O理事の
みはる達を信じてくれる、その“心”にみはる達はしっかり向き合おう。
ピリッと引き締まった決意を胸に、やや暖房の利きすぎる部屋で静かに息をし、目を閉じた。
ー続くー
みはる
~2019´11´25(月)深夜
本日の写メ→旅人´sハイになって食べた、抹茶パフェ(濃厚抹茶ソフトが美味でした!)