一人で頑張らない 1

夫がアルコール依存症を拗らしてから、私は一人でそれと戦っていた。

もちろん自分の両親には心配させたくなかったし、夫の親にも何から説明をしていいのかとか考えだすとパニックになったから。それから、「大丈夫、私一人で何とかできる」と、よくわからない自信と共に一人で戦っていた。

そんなある日、それは突然やってきた。

巷で噂の「パニック障害」

その日は、夫にも楽しいことをさせようと、動物好きの夫を連れて動物園に行ったのだった。その日は大した問題もなく、半日動物園で楽しめた。その帰りの電車でそれは起こった。

急に「あれ、これ密封空間だ。やばい、息できない。」

何故かそう思った。

「大丈夫、気のせいだから、深呼吸しよう」

と気持ちを落ち着かせようとしたけれど、動悸は止まらず、息苦しくなってしまった。落ち着くなんて無理だった。

と、その時電車が止まった駅で、電車から飛び降りた。

夫は心配して冷たい水を買ってきてくれたけど、少し休憩してもその後電車に乗れなくなってしまった。運が良かったのか、降りた駅は家からそれ程遠くなかったので、夫と一緒に歩いて帰ることにした。

「たぶん最近仕事も忙しかったからだろう」

そう思いながら、その日は眠りについた。

次の朝、いつも通り出勤しようとした。

通勤電車に乗ろうとするとドアの前で急に体が動かなくなった。「満員電車だったし、少し車内の熱風も嫌だったから・・・」と特に深く考えないようにして、次のに乗ろうと再度チャレンジしたが、次の電車が来ても同じだった。その次の電車もその次の電車でも無理だった。

気が付くと母に電話していた。

「電車に乗って仕事行こうとしたけど、電車に乗られへんねん。でも、仕事に行かなアカンねん・・・」

泣きながら電話をしていた。

母は驚いていたが、その電話の後で母の家から1時間ちょっとかかる私のアパートまで飛んできてくれた。

母は数日仕事休んだら?と提案してくれていたが、夫はその時仕事を辞めていたし、私だけが収入源だったこともあり、私は

「仕事は休めへんねん」

とひたすら繰り返していた。その日私は仕事を休んだのだが、次の日からも仕事をする気満々だったので、その日少し昼寝をしてから、母は「特急ではなく普通電車で一駅ずつ電車に乗って、会社の近くのホテルから数日程会社に通ってはどうか」と提案してくれた。

そして、母と一緒に私は普通電車に乗って、会社の近くにあるホテルへと向かった。母が来てくれたのと、母との会話で気がまぎれたのか、その普通電車でパニックになることはなくホテルの最寄り駅まで来ることができた。

その後3日ほどそのホテルから会社に通ったのだが、3日目に普通電車で家に帰ってみようとチャレンジしてみると、一人で電車に乗って帰ることができたので、その日からしばらくは普通電車で会社に通った。

私はラッキーな事に、母親に助けを求める事ができたけど、母親でなくてもとにかく「一人で頑張らず、誰かに頼る」ことって本当に大切だなと実感した。

でも、究極一人で頑張っていると、私のように体が「もう無理!!!」といって教えてくれます。

そうなったときは、一人で悩まずにまずは誰かに相談してみましょう。相談できる家族や友達がいない場合は、病院に行って状況を伝えることで、状況が改善されることもあると思います。とりあえず、一人で頑張らないで!誰かにSOSを出そう!

☆風の子のつぶやき☆

体って不思議ですね。危機的状況になると、SOSを出してくれるので、この時から私は自分の体と度々相談するようになりました。

「あ、今日無理?じゃ、有給もたくさんあるし、仕事休もっか。」

というような感じです。


#アルコール依存症 #依存症との生活 #体からのSOS #一人で頑張らない #メンタルヘルス #誰かに相談しよう

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