禁じられたひと
階段の下からあなたのかもしれない笑い声が聞こえてくる。
あなたのかどうかはむしろ問題じゃないの。
降りて行こうかなんて、何十回か迷ったの。
着替えて、唇を赤くして、
一人で歌ってる。
そういうのが私の愛なの、結局見せたりもしないで。
伝えることはあとまわし、その間にあなたが去っていったとしても。
それでいいの、あなたを汚すくらいなら。
そうじゃないよ、そうじゃないよ。
僕らは生きている。有限の時間を。
決して一人じゃないから。
ここから飛び出すのが怖いのは。
だから一歩踏み出して。
そう誓ったでしょう。
傷つくことを恐れないで。
この宇宙の愛はそれらに値するから。
何回も信じた、そうして裏切られてきたの。
でもそんな自分でいるのって辛くて、信じるのはやめにしたのに、また信じてしまうもの。