『桑の実事件』エッセイ・#シロクマ文芸部(約1500字)
「木の実と葉」から始まる小説・詩歌・エッセイなど。
締切は10/20(日)23:59。
*参加させていただきます。😊
*桑の実事件
「木の実と葉」というお題を得て、あれ・・・! と思ったエピソードは
書いてしまえば簡単な内容なので・・・後に回します。
当方は北海道の道東の山間の町に生まれました。 なので・・・
子供時代の遊び場は《山》だったと言っても過言ではありません。
夏から秋にかけては野生の味覚の宝庫の山 ♪
その恩恵を多々いただく冒険心に満ちた子供でもありました。
《食べられそうなもの》への挑戦の日々・・・
正しい知識を持たないまま本能の導くままに《味見》によって成否を見極めます☆ 味こそが正義でした。
野生の味覚の《野イチゴ》なんかはごちそうです。
当然、その場から彼らの姿を見かけなくなるまで少年(当方)の口と腹に。
地面に見かける《スカンポ》と呼ばれるやや酸味のある草も程よいおやつ。
北の大地に生息する山菜には目もくれません。
貧乏な少年の目的は美味しい自然の《おやつ》なのですから!
妖しく誘う名前も知らない毒々しい色合いの赤い実には、やや覚悟が要ります。味見・・・酸味と苦味のある甘さ・・・毒の味がします?! 食・否です!
赤い実には食べられるものや毒の実の宝庫です☆
野生の《グスベリ》も酸味のある甘さで美味しいし、《ハタンキョウ》も
木登りは大変だけど当然ゲットします。
そういえば野生の《さくらんぼ》もありました。
木といえば、甘くはないけど《クルミ》も。時には食べられる未満の味も
確認します。《山葡萄》も美味しいし、茎には酸味だあって道中にカジカジ齧るのも悪くはありません。(葉は無視です!笑)
熟した実は美味しいですが、熟していなくても持ち帰って、米の中に投入して日を待てば・・・美味しく食べられる木の実に《コクワ(サルナシ)》がありました。大概は手の届く範囲に実を付けるのですが蔦(つた)の実・故に、時には信じられない高さの木に蔦を張る場合もあります。
ヤシの木の高さを思わせる木の頂上付近にターゲットの蔦を見つけました☆
木登り自慢の少年は友人の制止も聞かずに無謀な木登りを始めます・・・!
ゲット!!
(勇者!笑)
さて、そんな少年に ついに悲劇が訪れます。(ここからが本題です。)
*閲覧注意☆
その日。友人と二人で山でもない平地を歩いていた少年は素晴らしい発見をしました☆ その樹には、まるで誘うように《桑の実》が・・・?!
桑の実はラズベリーに似た紫の粒々のある木の実で、高級感のある魅惑の美味しさなのです! 樹を埋め尽くした美味の誘惑には逆らえません!!
かつて知りたる美味に味見は不要です。 両手で交互に・・・
体感は高速でちぎった桑の実を次々と口に放り込みます・・・☆
美味 !美味 !美味 !美味 !美味 ! 美味 !
美味 !美味 !美味 !美味 !美味 ! ・・・・・・?
・・・・・・?!(突然の違和感?)
刹那の衝撃!!??
何ということでしょう??!!
少年の口が爆発・・・いえ、爆発したかに思えるほどの謎の衝撃を受けたのでした。少年は口の中の異物を吐き出します!
そこには・・・
カメムシ?!!
北海道では俗称の《屁~タレ虫》です!
あの傍によるだけで耐えられない臭気を発散する、あのカメムシです!!
美味な桑の実と一緒に少年の口の中に投入された亀虫は、当然の防御に
少年の口の中で毒液を噴射したのでした。
おそらく、日本中を探しても見つからないと思えるほどの得難い・・・
貴重ともいえる衝撃の出来事だったに違いありません。
☆☆☆
その瞬間から、少年の舌は痺れ口の中全体が麻痺しました☆
カメムシの呪いは約3日間、少年の舌から
一切の味覚を奪うことに成功しました。カメムシの勝利です。(違!)
☆☆☆
本題を書き終えたのでここまでとします。
少年は幼き私であり、実体験なのでした。
失礼いたしました。
【了】
(1520字)
*このお話はフィクションではありません。😅