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【壁に少々らっきょう】③(裏お題) #毎週ショートショートnote

*白昼夢でもなく


お昼休みのランチタイム。
私は壁に寄りかかって
自信作の《おにぎり》を頬ばっていた。

「お嬢さん、美味しいですか?」

何だこの男? 
黒いスーツにステッキ。・・・グラサンも怪しい?!

「怪しい物ではありません。」

怪しさしかない!!


「お食事を邪魔するつもりはありませんが、その壁に寄りかかるのは
およしになつた方がいいと・・・助言させてください。 では。」

「どうして?」

去りがけの怪しい男に思わず声をかけてしまった!


「・・・聞きたいですか?」

聞きたくもないが・・・聞きたい。負けた・・・(汗)

「お嬢さんが寄りかかっているその【壁】です。」

「・・・壁?」

二言目を発してしまった。 連敗!!


「そのは・・・よくありません.何故なら・・・
少々、《らっきょう》に侵されていますから。」

「らっきょう?!」

もはや、負け続けてもいい。 ・・・なぜ?!!


「その壁には【乱凶(らっきょう)】が住み着いています。」

怪しい男は地面にステッキ?で をなぞった・・・乱・・・凶?!

乱凶?!


なんですかそれっ?!!

「よくないことだけわかっていただければ・・・
それ以上に言うことはありません。 では。」

「・・・・・・?!!」

怪しい黒スーツの男は風のように去ってしまった。


私は・・・

壁から離れて、近くのベンチに座って
自信作の《おにぎり》を完食した。

【乱凶(らっきょう)】だと?


の怪しさは、あの怪しい男を上回っていたが

二度と・・・
あの【壁】に近寄らないことだけは決めた!!


【完】

(616字)


*このお話はフィクションであり、実在する全ての出来事とは
一切の関係がありません!!


*こちらに参加させていただいてます。
今回のお題は 『スベり高等学校』
裏お題が・・・『壁に少々らっきょう』でした。

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