【呪いの臭み】③ #毎週ショートショートnote
*呪われた王国
あるところに臭気に満ちた呪われた王国がございました。
なぜ呪われているのか・・・
その理由は誰にもわかりませんでしたが、臭気のことでしたら
それなりの理由がございます。
臭気と共に王国に産まれた姫は呪いの証として
処分されようとしていたところ、愛に満ちた王と妃によって
育てる決意がなされたのでございます。
姫が発する臭気にに抗すべく
《毒には毒を》の習いのまま、王国の各所には
汚物による臭気政策が施されたのでございます。
臭気はやがて王国民の日常の慣れとなり
姫の臭気は何ら変哲のない香りとなったのでございます。
そんな王国を攻めようとする国もなく
王国は平和に満たされておりました。
そんな王国に旅の王子が訪れました。
王国の匂いに怯むこともなく姫に接見した王子は
姫に人目惚れ☆
プロポーズしたのでございます。
姫と王子の愛のひとときも
つつがなく過ぎて・・・
ある日、王子は姫に告白しました。
「実は私の王国は呪われていて・・・
私は呪いの証として
匂いを感じないままに産まれたのです。」
めでたしめでたし。
【了】
*このお話はフィクションであり、実在の人物、施設、出来事等とは
一切の関係がありません。
*こちらに参加させていただいてます。
今回のお題は 『呪いの臭み』
裏お題が・・・『チョロいの、くさび』でした。
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