『レトロ劇場』雑記・あれこれ・・・
*最近になっておよそ50年も大昔の漫画を数編、《レトロ劇場》として
noteに投稿させていただきました。今回の投稿で一段落したので・・・
作品を目にする方々には興味もない、自己満足の編集風景をチョットだけ
記したいと思います。
(興味を持たれた方限定でお届けします。😅)
まずは、部分を切り抜いてレイアウトされた画像をご覧ください。
(詳細は拡大することをお勧めします)
*『有珠に昇る陽』より抜粋・・・
・・・この画像の主旨は、スキャンされた状態でのフキダシと
その中の文字、汚れについてです。
もちろんそのままで投稿するワケにはいかない状態でした。
ほぼ全ての作業をPCとタブレットで描く今の時代とは違って、昔の漫画家
さんは原稿の紙に《付けペン》による手描き。締め切りに追われながら体力の限界と戦いつつ・・・鬼の形相で待つ編集者さんへ完成原稿を手渡します。
時間に追われる編集者さんは原稿を受け取る前から漫画家さんに張り付いています。震えるその手で「フキダシの中のセリフ」や叙述(ナレーション)がランダムに印刷された《写植》と呼ばれる紙を取り出し、フキダシ内に収まるようにハサミでチョキチョキと切り、受け取った原稿のフキダシの中に糊で張り付ける作業に集中しています・・・すべてがアナログの時代でした。
(完成原稿を手にした編集者さんは生死を賭けた鬼の形相のままで
脱兎のごとく印刷所に向けて疾走するのです!!幸あれ!☆)
さて、前述の上記の画像をご覧ください。
その時代の風景が遺構のように示されているではありませんか?!
編集者さん本来の性格の歪みか根性の所以か?
いえいえ、恐らくは時間に追われたことによる些細な事故なのでしょう。
決めごとのように一定方向に曲がっていたり、時にはフキダシを飛び出したりもしています。その時の編集者さんの心情までもが推し量れる遺構となって、止まった時間のままに残されているのです!
編集者さんの労もあって・・・雑誌に掲載された後の原稿は返却されるのが基本ですが、時にはそのまま行方不明になったりもします。
長い年月が過ぎて行きます・・・
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さて、やっと本題です。
当方の若かりし頃に描いた原稿の一部が発見されたものの放置されたままに
なっていました。単行本にも未収録のものがありました。
その時代に封じ込められたままの遺構作です。
(noteに投稿してみようか・・・?)
と、ふと思い立ち実行に移すことにしました☆
原稿を一枚ずつスキャンし、その状態をPC画面で確認しつつ・・・
時間経過による原稿の劣化や汚れを修正して投稿するだけです。
・・・が?!
これがなかなかに大変な作業となりました。
過去にも同じことを経験済みながら今回もまた、苦行・・・いえ、楽しい楽しい作業となりました。過去の遺物を発見後に修復されるお仕事の方々の心情を垣間見る思いでした。(違!笑)
上記の画像を再びご覧ください。いえ、新規にも載せます。
(詳細は拡大してご覧ください)
*『網走晩夏』より抜粋・・・
編集者さんの心情が具現化されたかのようなフキダシの図!(違!w)
さぁ!いよいよ本業に立ち戻っての修復作業です(違!!)。
拡大すると・・・行の曲がり・文字周りの汚れが目立ちます。
さらには小さ過ぎるフキダシと文字・・・?!
文字配列のバランスの悪さ、、
すべて修正対象です。実行します・・・!
☆☆☆☆☆
作業手順はPCにて。
まずは薄くスキャンされた画像を適度に濃くします。
汚れはさらに主張を始めます。
フキダシを拡大し・・・曲がった隊列を整列させます。
一行の中にも写植を切り張りした大きさの違う輩(違!)もいます。
頑なに整列を拒む隊員もいます。(違うってば!)
その身を黒い煙幕で覆い身を隠している忍者も?(違う!!)
フキダシに居座ったままの不良分子を排除し
新たに隊列を正しその身を整え存在さえも消えかかった姿を復活させ・・・
濃く、明るい画面としてようやく一つのフキダシが完成します。
そして、そんな敵地のフキダシ隊が大量に待ち受けているのです!!
戦闘準備・・・出撃!!!(違・・・💧)
もとより覚悟して戦火に飛び込んだ身。もう引き下がることはできません。いざ、邁進・・・!!(だから、、😅)
☆☆☆☆
PCでの作業とはいえ、実態は「アナログ作業」そのものでした(笑)。
最近、中毒症状のように時々投稿させて頂いていたショートショートのことなどもすっかり忘却して作業に集中するままに時が過ぎ・・・・・・・・・
ついに、戦いの日々も過ぎ・・・投稿にいざ向かわん!!
お疲れ様でした☆✨😊
( 完 )
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*さて、新たな事案が発生致しました!!(違う、、、😅)
*この画像はとある大手サイトのオークション会場に出品されていました☆
今から55年前、漫画家の御大・桑田次郎先生の自筆原画として展示してあったのを昨日、偶然に見つけたものです。
先生は数年前に逝去されましたが、こうして見てみると懐かしさもこみ上げます・・・いや、そうではなく(そうですが!)、
この絵には当時の桑田先生のアシスタント・・・弱冠・20歳だった私の手が入っています。というより、顔と頭は桑田先生によるペンで、それ以外の
す・べ・て☆・・・が、私のペンによるものなのです。
なのに桑田次郎直筆原画としてオークションされていいのか?!
いいのだ!なぜなら顔と頭は桑田次郎の直筆なのだから!!
(・・・はい。 了解しました。😅)
☆☆☆☆
*それにしても、この絵に対面してみると懐かしさ以外にも様々なことが
想い起されます。
まずは20歳だった頃の自分の、なんと伸びやかで力強いペンの線・・・か?!
正直、嫉妬を覚えるほどです。(笑)
この絵は表紙の絵ですからそれなりの大きさがありますが、服のペンの線など、小さなコマで描かれたタッチと変わりがありません。
当時のペンを使う人の基本的な常識として、ペンの線は「太い→細い」の
流れとなるのが普通で、この職場の特異な技術として「細い→太い」の流れでペンの線が走るのは異質だったと思います。
背景の光の玉も同様で、ほぼ「細い→太い」線の流れでフリーハンドで描きました。もちろん自慢です!(違う!😅)
「ほぼ」と書いたのは、時には気分転換に基本通りの描き方もするからです。もちろん自慢です(違!!)。
*そういえば・・・と思い出したので画像を追加します。
こちらも数年前に「桑田次郎直筆原画」として、オークションに出品
されていたものでした。
( ↓ こちらは全てのペン・・・が、私の手によるものです。笑)
☆☆☆☆☆
光陰のごとく年月も過ぎて昭和の時代も遠くなりました。
当時、弱冠20歳だった私も・・・
今年の4月の誕生日で後期高齢者の仲間入りとなりました。
残りの人生もあと僅かです。(違・・・w)
あの時の編集者さん・・・ご存命であることを願います☆(笑)
☆☆☆
長々と駄文にお付き合いくださり・・・感謝しかありません。
ありがとうございました!!
🍵🍀
( 〃・ ・〃 )/~~✨