【激辛の鏡】(裏お題)#毎週ショートショートnote
お題【夜からの手紙】裏お題【激辛の鏡】
2024.10.11夜までにだいたい410字くらい・・・
*裏お題で参加させていただきます。😊
*【激辛の鏡】
「醜いわね? 貴女ほど醜い女を見たことがないわ!
生きていて恥ずかしくないの? 鏡の自分をよく見ていられるわね?
貴女の存在理由が信じられない!!」
鏡の中の自分が発する容赦のない罵詈雑言は呪いの言葉となって
全ての生きる気力を奪い、ついには死に至らしめる・・・★
その鏡は呪われた禁断の【激辛の鏡】と呼ばれ恐れられたが
ついに、とあるオークションの場に出品されることとなった。
落札したのは、富豪の未亡人で妙齢の婦人だった。
☆☆☆
老婦人は日々、鏡に写る自分からの罵詈雑言にも笑顔で接した。
「可哀そうな人・・・あら、私だったかしら?
何を今日も一生懸命なの? 疲れない? 美容に悪いわよ?」
「・・・・・・?!」
鏡の中の老婦人は虚を突かれたように戸惑っていた。
鏡の外の自分はどんな言葉を投げかけても動じないで
笑顔で接してくるのだ?
「どういうことなのよ?!」
「ごめんなさいね? 私、耳が聴こえないの。
そんな私にも一所懸命に話しかけてくれるあなたに
感謝してる・・・!
これからもよろしくお願いね!!」
「・・・・・・!!」
【激辛の鏡】の一部に微かなヒビが生じたことに
老婦人はまだ気付いていなかった。
【了】
(488字)
*このお話はフィクションです。😊