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【ドローンの課長】#毎週ショートショートnote
クリーン化を求めた都市計画により、都市部から
【虫】が一掃されて久しい。
それでも我儘な人の感性はささやかな《煩わしさ》を求めて・・・
ドローンによる【虫】復活を選んだ。
秘密のプロジェクトは『ドローン課長計画』。
3年を経て計画は達成され人々の生活に浸透していた。
『課長』の本当の意味は【蚊蝶】だったが・・・
存在してはならない【虫】の仮称だったことは言うまでもない。
最先端の A I を投入した【蚊】と【蝶】は
主に自然区域の公園をテリトリーとして飛び交っていた。
【ドローン蝶】は蝶のままにヒラヒラと舞い・・・
【ドローン蚊】はそのステータスのままに血を求めて羽音を響かせた。
公園で憩うカップルの傍を【蝶】は天使のように優しく舞う。
酔うままにベンチで横になった男の耳元には
「プ~~~ン」という音と共に多くの【蚊】が寄り添い
特技の痒みを与えつつ・・・たっぷりの食事に有り付けた。
かつての計画は
時の流れのままに人々の記憶から消え去った。
(以上、410字)
【蚊蝶に幸あれ】
*こちらに参加させていただきました。
お題【ドローンの課長】
裏お題【トロンボーンの口調】