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青春漫画抄(昭和)⑱
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*《 桑田次郎 》
後に『桑田二郎』となったが
この時期は「桑田次郎」だったと思う。
何だかんだで正式に先生のアシスタントとしての採用が決まり、
先生の自宅兼仕事場である池袋の護国寺の近くにある
『パレスマンション』傍のアパートに住む事となった。
三畳の部屋だったが、
桑田先生の奥さんの紹介で決まった私の城である。
私の姿が見すぼらしく見えたのか、最初の日に・・・
緑の長袖シャツをプレゼントされた。
仕事場は六畳の和室で、
先生の横に並んだ和式の机が私の戦場となった。
最初、他の手伝いの方がいたのだが、
正式のアシスタントだった訳でもなかったようで・・・
程なく私一人となり、
締め切りに追われる修羅場に置かれることとなる。
いよいよのピンチの時には、臨時の助っ人もあったが
基本、私一人だった。
*《 箸休め 》
そのアパートに住み始めて程なく
友人達5人くらいが遊びに来たことがあった。
当然、酒を飲みながらの馬鹿騒ぎとなり・・・
発狂した上の階に住む学生のお姉さんに通報され、
警察官が来られた。
お姉さん・・・ごめんなさい!!
☆☆☆
そのお姉さんかはわからないけれど、
ある日、部屋にいるとノックがあって・・・
二人のお姉さんが笑顔で立っていた。
「一緒に遊びに出かけませんか?」
という、デートのお誘いだった。
そんなことしてる場合じゃないと思い込んでいた時期でもあり、
お断りしたのだが、、立ち去るお姉さん二人は残念そうだった。
初対面でこんなこともあるの?と、不思議な思いの私。
*似たような出来事で、映画館での不思議。
上映前の映画館でのこと。
比較的空いていて、私は中央部の真ん中あたりの席に座った。
その列は、ほぼ私のみだったのだが、
何故か若い女の子が歩いて来て・・・私の隣に着席した。
女の子は何か話しかけてくる訳でもなく、
お互い無言のまま、気まずい時間が流れた・・・
やがて女の子は立ち去ったのだが・・・
私は何をすればよかったのだろうか?
東京の不思議に無知だった私は
あくまで初(うぶ)なままなのであった。(笑)
(つづく)
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