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恋猫と・・・② #シロクマ文芸部
*続けて参加させていただきます。よろしくお願いします。🐱
*朝の見回り・・・
恋猫というのは《サカリのついた雄猫》だなんて
人間たちが勝手に決めやがったけど・・・
雌猫だってちゃ~んと《恋猫》って呼んでやれよ!
オレはノラとして産まれていつの間にかひとりで生きてきて
何年も過ぎちまった・・・何歳だなんてどうでもいいけどよ。
昔みたいに速く走れなくなったし、普通にジャンプできた高さにも
届かなくなっちまったし・・・結構な年寄りかもな。
それでも見かけるノラたちには恐れられていて
今でも《ボス猫》扱いされていることには誇りがある。
そんなノラたちも最近ではすつかり見かけなくなってしまった。
そこら中に家が建って・・・
もう、ノラで生きていける場なんかないのかもな。
見かける仲間たちは外に出ることもできずにみ~んな家の中だ。
外に出たそうにしている猫たちが可哀そうだって気もするが
案外、幸せそうな顔してるから・・・
みんな・・・そんな生き方を受け入れたんだろうな。
そんな家の窓の中からオレのことをいつも見ている猫がいる・・・
毛の長い外来種の女の子だ。オレを探すようにいつも窓辺にいて
オレを見つけると嬉しそうな顔で鳴いてくれる・・・
あの子だって、最初に言った《恋猫》じゃねえか。
オレには・・・あの子の想いだけを受け取って
幸せを願うしかできないけどよ・・・!
☆☆☆
そういえば《ネコの集会》をしていたのもずい分昔になっちまった。
縄張りの地域に新参者の猫が現れたりすると・・・
猫同士が連絡を取り合って集合して相談したりしてたっけ。
猫同士が離れたところでも連絡を取り合えるって
人間たちは知ってるのかな?
ノラのオレにも、家の中にしか居られない猫たちから
いろんな話を聴いているって・・・人間たちは知らないんだろうな。
世の中がどうなってるとか、テレビとかの情報とか・・・いろんな情報を
伝えてくれたりするから、案外、物知りにもなれる。
最近、人間たちの世界も いろいろと大変な状況らしいな・・・
芸能界とか、不穏な世界情勢とか、さまざまな都市伝説のこととか・・・
そんなこと知ってどうするみたいな情報まで入ってくる。
この先あれこれ・・・どうなるんだろうな?
例の・・・《恋猫》がいる家では、ありがたいことに
毎日オレのためにご飯を用意してくれているんだ。
今日もそんな時間になったし
そろそろ行こうかな・・・・☆
【ニャァ~】
*このお話はフィクションです。🐱