見出し画像

『泣いちまった!』【デジタルバレンタイン】⑥ SFチックな#毎週ショートショートnote


「パラレルワールドって・・・どう思う?」

「平行世界・・・だっけ?
男の人って、そんな話が好きよね。」

「周波数を合わせるだけで無数の世界に
移動できるって説もある。」

「・・・・・・」

「水が全てを記憶しているって説もあるし
量子力学の世界で真面目に取り組んでいる学者もいる。
デジタル化が進んで、そのうち実際に・・・?」


「私は・・・自分が見えている世界だけでいいな・・・」

「でも、夢があると思わない?
想うだけで・・・本当にそんな世界に行けるとしたら・・・?!」

「・・・・・・」


☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆ 


あの日、彼女はそれ以上なにも答えてはくれなかった。
そして不意に、俺の前からも消えてしまった。
あれからもう何年が過ぎたのだろう・・・

彼女の存在が大きすぎたから
恋人が欲しいなんて気にもならない。


ふと思い立って来た、あの時のこの場所で
そんなつまらない話を思い出すなんて・・・

しかも今日が《バレンタインデー》だったってことにも
気がついてしまった。 笑っちゃうよな・・・!!


不意に・・・彼女の香りがした気がして?

俺の横に置かれた可愛くラッピングされた
プレゼントの小箱に気がついた。

彼女からの・・・・・・

バレンタインチョコ?!



・・・ パラレルワールドに

興味なんか なかったくせに!!

パラレルな真似なんかするなよ!!!



【了】

(541字)


*こちらに参加させていただきました。
【デジタルバレンタイン】のお題で、
【SFチックな】ショートショート

#毎週ショートショートnote





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?