【キンモクセイ盗賊団の池】#毎週ショートショートnote
お題【沈む寺】
裏お題【キンモクセイ盗賊団の池】
*裏お題で参加させていただきます。😊
*金木犀の香り漂う池の畔で・・・
泥棒を生業とする男が追っ手から逃れて迷い込んだ森に池がありました。
秋のおとずれか金木犀の花が咲き誇る池の傍には古い石碑があり
かろうじて読める【金木犀盗賊団】の文字を訝しむも
さらに小さい字が刻まれていて・・・
やっとのことで読んだ内容には
「我が盗賊団の印としてこの池に金の斧と木の斧を奉納する」
と、記されていました。
木の斧はともかく金の斧の字に泥棒の心は沸き立ちました。
( 金の斧・・・盗らずにおくものか!!)
裸になった褌(ふんどし)男は池に飛び込みます☆
何度も・・・何度も・・・何度も・・・!!
あの池には河童がいるという噂が広がりましたが
探索に集中するには好都合でした。
時々森を離れて生業を続けながら池の中を探索し続けました。
そんな日々が一年も過ぎた とある秋日のことです。
水中捜査に疲れた男が池の傍でうなだれていると・・・
池から女神様が現れました!
「あなたはこの斧が欲しいのですか?」
女神の手には木の斧が握られていました。
「・・・ち、違います! 欲しいのは・・・」
「これですか?」
女神様の手には金の斧がありました。
「そ、そうです! その斧が欲しいのです!!」
「いいでしょう。正直者のそなたに差し上げましょう。」
いつの間にか男の手には金の斧がありました?!
すでにその姿を消した女神様の池に向かって男は叫びました。
「 あ、ありがとうございます~~!!」
☆☆☆
かつて泥棒を生業とする男が立ち寄った
金木犀の香りに包まれた池の傍の・・・
【金木犀盗賊団】と刻まれていた古い石碑の代わりに
真新しい豪華な御影石に刻まれていた文字は
誰が刻んだか・・・
【金の斧を手にした河童】と記されていました。
めでたしめでたし・・・☆
【完】
*単に正直な泥棒が得をしたというお話でした。
どこかに似たお話があると思うのは・・・気のせいです。😅
*失礼いたしました☆ o( 〃・ ・〃 )/~~✨
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