【アメリカ製保健室】② #毎週ショートショートnote
ここに来るのは何年ぶりだろう・・・
すでに見捨てられたパラレル層の一つだが、
いつも決まって転送される場所に降り立った。
自分の任務だからと諦めている。
かつて栄華を極めたという
アメリカ大陸と呼ばれた一角に立つと・・・
廃層を絵に描いたような景色が寂しい。
瓦礫さえもその姿を留めていない平野にポツンと
その施設だけが遺跡となっている。
【星条旗】が誇らしげに掲げられていたというポールが
虚しい威厳を持ってやや角度を保ったままに立っている・・・
以前に見た記憶のままだ。
終末を迎えたこの層に住む人々の脱出計画は
熾烈を極めたらしい。
選別された人の脱出後は地獄だったという・・・
新しい層に適合するかどうかがこの施設で選別された。
【合衆国国歌】のBGMの中、
優先されるべく人材も限られていた。
【アメリカ製保健室】
この地での俺の最後の任務だ。
この施設の痕跡を跡形もなく消滅させること。
この層そのものを【無】にするのだ。
消えた魂に幸あれ・・・!!!
(以上、410字)
【無】
*こちらに参加させていただきました。
お題は【アメリカ製保健室】でした。
チョットダケ 宣伝☆
https://www.amazon.co.jp/~/e/B0CNX1DKFR