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『サイコの鶏唐』② #毎週ショートショートnote・裏お題

*賽湖(サイコ)の鶏唐


度を越した異常気象により風景が様変わりする中、
極寒と極熱を避けた多くの生物は
その生きる術を地中に求めて生き延びた。

焦土の季節。

空を飛ぶ鳥は一点を目指していた。
荒涼とした地に豊かな水を湛えている
【賽湖(サイコ)】である。

そして、賽湖に辿り着き最後の水を得て生の尽きた多くの鳥たちが
焦土の湖畔で天然の《鶏唐》になっているという噂を聞きつけた
命知らずの《人族》もまた【賽湖(サイコ)】を目指していた。


「嘘じゃないよね? ほんとに鶏唐たらけなんだよね?!」

「あぁ、嘘なもんか! たしかな情報だ。それにしても
” たらけ ”って何だよ。 ” だらけ ”って言え!!」

「あっ、こめんなさい! うまく発音てきなくて・・・
あっ、大きな鳥が賽湖に向かってる?!

「あぁ、頭の禿げた鳥だったが・・・この暑さで?」

「ポクたちも かんぱって鶏唐に行きましょう!
【賽の河原】・・・楽しみてす!!」


「賽の河原じゃねぇ!

賽湖(サイコ)の鶏唐だっ!!」


「こめんなさい!!」



【ご!了】

(410字)



*この物語はフィクションであり、実在の人物・出来事・場所
名称・事件等とは一切の関係がありません。


*こちらに参加させていただいてます。
今回のお題は 『最後のマスカラ』
裏お題が・・・『サイコの鶏唐』でした。

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