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『数学ダージリン』③ #毎週ショートショートnote

*彼女の名はアールグレイ


「数学っ! ダージリン!!」

狂気に満ちた眼の彼女は 高圧的にボクの名を叫んだ。
父の上司の紹介だという家庭教師の彼女の名は
    
     【アールグレイ】

ボクとたいして歳も違わないのに
ベルガモットの香りが鼻につくイヤな女だ!

今日も・・・一日に敷き詰められた教科をただ消化するためにだけ
理不尽な要求をボクに押し付けてくる。

数学、数学、数学、数学、数学 ・・・・!!


何だって言うんだ?!!

ボクをどうする気だ?!!


ボクの青春の景色には数学と彼女の顔しかなかった。

殺意を感じながらも彼女の指示通りの教科をこなし・・・
3年で勤めを果たした彼女は 去った。

二度と顔を見せるな!  アールグレイ!!!


☆☆☆


だが、ボクが数学オリンピックで優勝できた時
狂気に満ちた彼女の指導があったからと、少しだけ感謝した。
達成感の中で、どこか穴が開いた想いのままでいると

会場の隅で涙を浮かべている彼女に気付いた。


その瞬間にボクは 彼女を
ベルガモットの香り立つ アールグレイの
美味しいお店に誘う決心をしていた。



【始?】

(422字)


( いいのか・・・ダージリン?!・笑 )


*このお話はフィクションであり、あらゆる人物、名称、出来事等とは
一切の関係がありません。


*こちらに参加させていただいてます。
今回のお題は 『数学ダージリン』
裏お題が・・・『枢軸マーガリン』でした。

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#シロクマ文芸部・参加作品

↑*この作品、有料設定だったのですが、あまりにも読者の数が少なく、、
今回、note三周年を祝して無料設定に切り換えました。よろしかったら
見ていただけると幸せです。
長編なのでボリュームには自信があります☆(笑)


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