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『忍者ラブレター』③ #毎週ショートショートnote

*とある配達


忍者になってどうする展望があった訳じゃない。
ただ、術を習得するために日々を修行に費やした。
10年という月日はあっという間に過ぎて、俺は山を下りて
都会に生活の場を変え、生き方も変えた。

【便利屋】という、過去を問わない職場に世話になって
日々の雑多な依頼を受けていた。

依頼の一つに《ラブレター》があった。
メールではなく手書きの手紙の配達である。
何故、郵便ではダメなのかは知らない。
訳アリとの理由のままに宛先の住所に向かった。

宛先のアパートはすでに廃屋だった。
依頼の一室の前に立って電源さえないドアをノックする。
当然反応はないが、ポスティングではなく住人に直接手渡せ
とのことだったので待つことにした。

中に人の気配はない。だが、殺気に満ちた
危険が迫っていることは感じていた。

《ラブレター》は俺を死地に誘い込む罠?
危険に備えて全身を武器にする!!
不思議な高揚感が身を包む・・・


殺気が・・・優しさに変わった?

手紙が俺の手から離れ 消える一瞬に
「ありがとう」の言葉が聴こえた。


時間を少しだけ遡った住人への配達・・・
今回の役目を終えて
まだまだ修行の足りなさを感じていた。


【未】



*このお話はフィクションであり、実在の人物、忍法、出来事等とは
一切の関係がありません。


*こちらに参加させていただいてます。
今回のお題は 『忍者ラブレター』
裏お題が・・・『信者ブラスバンド』でした。

#シロクマ文芸部・参加作品

#毎週ショートショートnote・出品作・他


↑*この作品、有料設定だったのですが、あまりにも読者の数が少なく、、
今回、note三周年を祝して無料設定に切り換えました。よろしかったら
見ていただけると幸せです。
かなりの長編なのでボリュームには自信があります☆(笑)

↓こちらも、やや長編で・・暇つぶしになると思います。

↓ 蒸気機関車も出てくる・・・お話です。(短編)

↓ こちらは昔の北海道のお話・・・(短編)


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