『 なるべく動物園 』② #毎週ショートショートnote
*市役所・広報車より
(『ボクでございます』番外編)
街の郊外には長年、憩いの場としても親しまれてきた
動物園がありました。動物たちにとっても過ごしやすい環境が与えられ、
飼育員にも恵まれていたのですが、街の過疎化に伴い経営が行き詰まり
廃園が決定。動物たちも分散するように各地の動物園に譲渡されました。
更地となった動物園だった敷地には商業施設のビルが建てられ、いつしか
動物園で有名だった街のイメージも過去のものとなりました。
街の商店街から離れた一角に小さなビルがあります。
そのビルで働いているのは、かつて動物園で働いていた飼育員さんたち。
そして、飼育員さんたちが保存していた膨大な映像記録や写真がそこに集められています。まるでかつての動物園の配置に合わせるように・・・ビル内の
各所に設置された映像設備で、かつての動物たちの様子が映し出され、訪れる人の憩いの場ともなっています。
どうか街おこしの意味も込めて、お客様のご来場をお願いいたします。
施設の名前は・・・
『なるべく動物園』。
市役所・市民課でこのたび
広報の役目を担わせていただくことになりました
ボクでございました。
どうぞよろしくお願い致します☆
【ピンポ~ン☆】
*このお話はフィクションであり、実在の人物、施設、出来事等とは
一切の関係がありません。
*こちらに参加させていただいてます。
今回のお題は 『なるべく動物園』
裏お題が・・・『あるべき成仏宴』でした。