『告白水平線』④ #毎週ショートショートnote
*チクタクだって
僕のあだ名は『チクタク』。
新卒で入った会社が超ブラックで、
「時間を守れ!」と、当たり前な理由でつけられた名前で
職場でもそう呼ばれるようになった。
ブラックなりの慰安旅行に来れたけど、
宿に僕の予約は入ってないらしい。
それでも「来い!」と海岸に連れてこられて
先輩たちの小間使いを命じられて走り回っている。
「あの娘に『好きです!』と告白してこい!!」
パワハラで理不尽な命令がここでも飛んだ。
彼女がOKしたら宿に泊まらせてやるという。
やっと・・・僕の決意が固まった。
これを最後にして会社を辞めよう!!
波打ち際を歩いてきた彼女の水着姿が眩しい・・・
僕の辞める決意を後押ししてくれるよね?
「好きです!!」
彼女の前に立って唐突に発した僕の言葉を受けて
当然のように怪訝な表情のままで彼女が僕を見る。
「間に合ってます。」
彼女は僕の横をすり抜ける。
後ろ姿に感謝を込めて・・・・
「ありがとうございます!」
と声をかける!!
水平線が眩しい・・・・☆
【了】
(410字)
*この物語はフィクションであり、実在の人物・出来事・場所
名称・事件等とは一切の関係がありません。
*こちらに参加させていただいてます。
今回のお題は 『告白水平線』
裏お題が・・・『チクタク水兵さん』でした。
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