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『旅立ちの朝に』【桜回線】#毎週ショートショートnote
お題は【桜回線】。追加お題として【魅力的な台詞ではじまるお話】。
*桜回線で参加させていただきます。😊
*旅立ちの朝に
「桜回線・・・そう言ったのね?」
私の実家は神社ですが「民社」なので特に後を継ぐ必要もなく、神社本庁の女性をタブーとする風潮にも嫌気を感じていたのであっさりと神職を捨てて《樹木医》の道を選びました。まだまだ未熟な新人ですが。
実家を離れることになった最後の日に、御神木だった桜の幹に子供の頃からの感謝の思いを込めて手を触れました。すると、不思議な感覚が伝わってきました・・・?! 最初は優しい感情のようなものが伝わってきて・・・
波長のような感覚が次第に意味を持つ言葉となって、私に話しかけてきたのです。・・・桜・・・回線? 桜回線・・・そう言ったのね?
そう。人間の言葉に変えたらそんな言葉が似合っていると思う。
私のような古代からの桜は離れた場所にいても連絡を取り合っていた。
気候のこと、空のこと、大地のこと、水の流れ、生き物たちのこと
そして人間たちのこと。もちろん新種のソメイヨシノが生まれてからも
変わらずに私たちは回線で連絡を取り合っている。
だから・・・心配することはない。
安心して出発しなさい。キミのことは行き先の桜にも連絡しておいた。
優しく迎えてくれるだろう。もちろん、桜だけじゃないから安心しなさい。
☆☆☆☆☆
その場を離れる私の周りを風が吹き抜けた。
満開だった桜の花が一斉に翔び立って・・・
私を優しく包み込むように応援してくれている?!
私は感謝の思いでその地を離れました。
《 桜回線 》という言葉を御神木の桜自身から聞けたこと。
これからのことを含めて桜との付き合いが深く
長くなる予感がしています。
桜さん・・・今までありがとうございました。
これからも樹木医として手入れに戻りますから
よろしくお願いしますね!!
【始】
(708字)
*このお話はフィクションです。