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9月3日は夏のせいにして。


スズムシとセミが一緒に鳴く朝に出会った。

まるでまだ終わりたくない夏と、順番待ちの秋、2つの声が繋がってるような。

そんな気分になる。




RADWINPSの新曲を先日初めて聴いた。


CMでチラッと流れたのを聞いたことがあり。あ、新曲出たんだ。と心のなかで思ったままだった。いつものようにYouTubeをひらくとおすすめで出てきたタイトルをなんとなくそれっぽいなと思ってタップしてみる。

夏のせいにして 僕らどこへいこう

ひらかれるような音とピアノで始まり、のびやかにコーラスが続いたあと洋次郎(Vo)の歌も重なる。さらに後ろをドラムロールがみじかく刻み輪郭を作りながら、曲は進んでいく。

出だしからAメロに繋がるまでに夏の情景が浮かんだ時点でこれを聴けて良かったなぁっ、と思ってしまった。

アーティストは凄い。ただ同じ歳の彼らをどこか特別な目で(耳で)僕はみてしまう。


取り残されて 置いていかれてみようよ


YouTubeからおすすめされたのは何日か前にセプテンバーさん、という曲を聴いたからだと思う。

20歳の時にタワレコで試聴したのが彼らとの出会い。店員さんのポップがいくつも並ぶ、特設コーナーの1番上、犬の頭にCDがくくりつけられたジャケットに何か惹かれるものがあった。

オススメ2番のボタンを押す。CDが入れ替わり回転し始める。頭上で流れる洋楽のアップテンポの曲をヘッドホン越しに聞きながら眺める。

軽やかなギターのリフとボーカルの気の抜けたようなひとこえで出ばなを挫かれた気がしたけど、かえってそれが良かった。

ロックバンドというと、出だしから全開の疾走感やグルーヴ感を感じさせ、聴いてる人の心拍数を上げて楽しくさせることがこの頃売れてる曲に多かったような気がする。

サードアルバム収録のこの中にはその最たる曲が多かったけど、僕の第一印象はセプテンバーさん。

ノリノリもいいけど、横ノリというか、揺らめくようなROCKも良いんじゃない?と、言ってるみたい。

彼等の曲は一言で言うと「ごちゃまぜ」だ。

ミドルロックというか、アップテンポもローテンポもいいけどミドルテンポもありだよね?

といった風な、まあ人によっては煮えきらないように感じるかもしれないけど。どっちかだけじゃなくて、こういうのもありじゃない?っていうスタンスが自分にはドンピシャ。


※上の表現で気分を害されるファンの方がいらしたら、すみません。あくまで僕の語彙力の問題です。適切な表現ではないと分かっていますが、フランクに、かつ難しく伝わらないようこのように書かせてもらいました。


一つの曲の中にたくさんの要素を詰め込む。けど、芯はどの曲も当然かぶらない。

「万人に受けるバンドじゃないな」そう位置付けてる人の方が多かったのではないかな。

こんなに長く続くと思った人も、どれくらいいるんだろう。

正直に言うと、そんなこと少し考えてしまったことだってある。

音楽で生き残ることは本当に難しいと思うから


新曲を初めて聴き終わったと同時に良かったなぁ、ってなった。

うまく言えないんだけど、曲の中に意識が引き込まれるような。

まるでセプテンバーさんを初めて聴いたときのような。

少し肩の力が抜けて、みずみずしさを残したまま、大人になった彼の声と音が心に響いた。


思い返しても嬉しくて少しだけ胸が熱くなる。


不確かと不自由だけ抱えた僕らのこと輝かすのが得意な季節


「夏のせい」と「セプテンバーさん」は季節の始まりと終わりの曲。


まだ行かないでとつないだ手を離さないような9月は数年前までは、惜しむことなく秋になるような気がしてたけど。

彼等の曲を聴いたら

ギュッとにぎった手の感覚がゆっくりきえるように、直前まで夏の熱が残るような気がした。






※色の違う部分は歌詞の引用しています

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さとう じゅんいち
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