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ボウキョウによせて 〜#勝手に感想note〜

書く書くと言いつづけ、たいへん遅くなってしまいました。すみません、ミトさん。たとえグーパンされても文句は言えません。あ、でもどうせなら肩でお願いします(俗に言う肩パン)



読ませて頂き、まず始めに「お疲れ様です」と言わせてください。書くにあたり、とてもご苦労があったのではないかと思ったので。もちろん文には出ていません。なんとなく背景を感じ取りながら読みました。たくさんの人にお話を伺ってかなり事実に近い内容も盛り込まれているなぁと、感じました。(ニュースや当時のネットの内容、また時々ある特番などの情報から想像しました)

以下とくに心に残ったところを抜粋しつつ感想をいくつか書かせて頂きます。とはいえ、ネタバレを恐れて書いてるので全てではございません。あしからず。


第1話

すでにストーリーに厚みがあるのが伝わりました。
現在、過去、未来
恋人、親友、家族それぞれの輪郭が丁寧に
描かれているなぁと早い段階で思いました。

日常から入るこの感じはとても読みやすく、物語が始まるあたりは入り口として読む側のストレスがなかったです。これからどう展開していくのか、楽しみな滑り出しでした。

第2話

ここから一気に話の方向性が決まる。しかもどうなるか、予測できない。でも、実際に起こり得ることだなぁと読みながら思いました。

挿し絵をして下さった、いぜむさんの柔らかい絵が程よく「緊張の糸」を和らげてくれる。優しいタッチだから見てる方は必要以上に重苦しくならない。これはとても大事なことかと。


第3話

本当は、この街に積極的に来たいとは思えない。理性が「来い」と言っても、本能が「嫌だ」と駄々をこねる。
口先だけで祖母を励ましている私は、ずるい。

誰にだって似たような体験が一度はあるのではないでしょうか?ただ、本作品は少し種類が違う。

このあたりから徐々に、覗かせる感覚があります。それはとても丸く滑らかになった鉛筆の先で胸の辺りをなぞられる(つつかれる)ように感じました。ところどころ、その様に僕は感じております。分かりにくい表現ですみません。

第4話と第5話

ここは真司くんとお父さんのやりとりが読んでるこっちまで少しハラハラしちゃうシーンがところどころあり、2人はどうなるの?ってトントンと読み進めてしまいました。ちょっと微妙な関係性をうまく描かれていて新鮮。誰も経験したことないことなのにすんなり受け入れてしまえるのはやはり2人の間にしっかりとした人間味を感じるからでしょうか。

第6話

中盤の谷間のように思いました。ここは読んでいて自分が同じような立場でもなかなか戸惑い、向き合うことに苦しむ場面だなと考えました。ただ、なんでしょう。フィクションだけど重い扉を開けるような感覚がはっきりとある。

第7話

麗愛さんのこと。腹を割って話すことで前に進む姿に強く惹かれました。祖母もまた、ご先祖様からの代々受け継がれた土地を守るため。ご自身を削ってこられた。これは明るみに出て来づらい話だと思います。
また麗愛さんの子供についての話。これは知らないだけで、実際に起きていること。それは単なる数字で表されるだけではなく、多くの障害があって。悲しい思いをしてる人がいて、もがきながら前を向いている姿が描かれている。

第8話

故郷へと向き合う姿は離れて暮らす人にとって、どんな形であれいつかは向き合う時がくる。
誰の故郷もいずれ同じような末路を迎えそうな気がします。
そして。そこに住む人達、住まない人たちもどっちも悪くない。だけど、いつかはどうするか、向き合うべきだと、個人的には思いました

“先週末、タクシーから見えた知らない電器店が懐かしかった。あっちの方が、まだ私の思い出に近い。”


現実と思い出の違和。どうしても受け入れきれない切なさが、表されています。


何度も同じことを言ってしまいすみません。沢山の方からお話を聞かれていることが、読み進めるにつれ、本当によく分かりました。特にこのあたりは。明るみに出てこない問題。あの日を境に近所の人達が変わってしまう様。

現在田舎に住む自分はその1つ1つがリアルに想像できました。小さな町、古くからある集落ほど、噂や辛い現実が起きていて、周りに広めまいと誰もが我慢してくれているから、明るみに出ていないだけだと思っています。

第9話

 見上げた夏空は青く澄み渡っている。この空があの哀しい故郷と繋がっているなんて、とても信じられなかった。
私こそ、困らせるつもりは無かったのに、いつまでも子供じみた行動ばかりで、格好悪い。

少しだけ、ミトさんご自身の手触りを他の話より強く感じました。

こちらも分かりにくい表現ですみません。

10話

“忘れることで救われる。
忘れないことで強くなる。
どっちを選んでもいいんだよ。
西山実里〈夏の花束〉より”
でも、それを知っていることと、事実として目にすることは、全く違う。
 その万が一に備えて何重にも安全策を備えてあると言い聞かされてきたのに、目の前の“これ”は何だろう。
 世界一安全じゃなかったの……?”

一気に読まなくていい、心のざらつきというより「痛み」になるから。これから読む人にすみませんが、僕はそう伝えたいです。

全体的に大きな”影”を予感させながら核心に迫る部分へと流れていくストーリー展開、単純に凄いと、全て読み終わって思いました。

それから忘れてはいけないのは「読む人」のことをとても大事にしながら進んで行く感覚。

読み終わってお話を振り返ってみると。まるで階段を踏み外さないよう足元を照らしながらお話の世界へ深く導かれていくようでした。

全11話+エピローグとあとがき。これから読む方には全て読んでもらいたいです。(確かエピソード0もあったかな?)あと、個人的には登場人物のアナザーストーリーも色々作れそうな感じがあります。ミトさん、いずれ書くのかな??

家族と故郷。一見聞き慣れたテーマのようですが、こちらの作品は間違いなくこれまで知っている(想像する)ものとは異なるタイプのものだと捉えています。良い意味で、です。


ここからはほんの少しだけ個人的なお話です。

僕は全て昼間に読みました。

正直に言うと告知の時点で内容は想像していました。タイトルでなんとなく”あの日”に関連する話かな、と。

なので読むかどうか少し悩みました。しかしミトさんの思い(企画を読んで)が、読もうと思わせてくれました。どんなに遅くなっても感想を書こうと決めていました。

あの日。僕自身も遠く離れた地で苦しんでいました。それは「助けの手を差し伸べられないこと」の苦しさです。

当事者の苦しみに比べればなんてことないと言われればそれまでですが、とても苦しかった。誰がどうみても助けが必要で、何でも良いから手伝わなければと当時色々方法を考えました。ただ、自分の生活や仕事もどうなるかわからない状況で、直接何もできなかった。

仕事が途中で早上がりになり、遠く離れた地で起きている映像をただ眺めることしかできなかった。

何かしたくて現状を知るためにTwitterを始めようかと思ったけど、情報が錯乱している可能性を考慮してやめました。


どうすることが良かったんだろう。

あの時は多くの人がどうするべきか分からなかったと思います。し、どう行動すべきだったのか未だに分かっていません。

大袈裟に聞こえるかもしれませんが、いつか、あの日、あの頃のことを同じ瞬間を生きた人間として自分の言葉でnoteに書くつもりでいます



随分と時間をかけさせていただきました。正直このような形で感想を書くのは初めてなので、どこまで書いて良いか逡巡しながら書いてます

1つ個人的な願いとしては、作品が映像化されることを望みます。ドラマでも、映画でも、YouTubeでも、アニメでも、形はどれであれ。もちろん賛否両論あると思います。残念ながら僕にはそんな力はないのですが、いつか映像関係者の方の目に止まることを強く願っています。この作品には将来、大人になる人達に伝えるべきことが詰まってる。と個人的に思います

それでは、これにて僕からの感想は終わらせていただきます。本当にお疲れ様でした。しばらくは燃え尽き症候群かもしれませんが、これだけのもの(熱量)を書いたのであればそれは取るべき休養のように思います。ご無理なさらないよう、これからも陰ながら応援してます📣

あ、ちなみにサポートは肩パンを免除していただければいりません(あ、どうでも良い話ですが肩パンって言葉を中学生ぶりに使いました、なんとなく懐かしいですね)

では長文、失礼しました。


追伸

自主企画#勝手に感想note のご了承ありがとうございます。マガジンへ登録させていただきますね😌



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さとう じゅんいち
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