Morning day and night
頭上を超えていく飛行機は急ぎ足。雲もださないし、たくさんの人も乗せていない。ただまっすぐに基地へと戻っていくように見えた。
ビルとマンションの狭間から風が上へ下へと頬を撫でていく。お腹空いたな、とトランクの半ドアに気づいて閉め直す。
これから半日以上かかる仕事に手をつける。完全に定時は割れる頑張ってもその事実は変わらないからあとはどれだけ縮めることができるかどうか。頭の中はいつもそんなことばかり。
いつから本を読もうとかnoteを書こうという余白がなくなったのかな。ここひと月ほどで随分薄く横に伸びた線のような感覚になってしまった
ないことはないし、むりすればできなくはない。だけど無理するとムリがのっかるから嫌なのだ。それは今書きたくないんだそうじゃないことが書きたい。知識も仕入れたい追われてつめこみたくない。
こんなに溢れかえっているのに、手元にあるのに、頭の中にだけ入れるスペースがないなんてなんだか寂しいな。
それはそれで待ちの状態が続いてるだけだからたぶんもう少し時期を待てばなんとかなるのも分かってる。
だから、また午後も自分の機嫌をとりながら焦らずになんとか無事に家路へつけるよう役割を果たすだけ。
コーヒーをブラックにするか微糖にするかで迷う時間をたいせつにしながら
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視界の端でハタハタとゆれるキャラクター。反対側のにじんだ、タバコをくわえる男性。後ろ向きにポケットの中を、さぐる。おなじようにあごに白いものを付けてる。
大柄の男女が入っていく。つづいて誰か入ったようだけど姿が見えなかった。さっき買ったコーヒーはMでよかったのにLといってしまった。お店によって違うから味はムリでもサイズは統一してほしいな。
クラクションが、ながく響く。視界が悪い。気をつけて、ゆっくりいってほしい。
となりで傘をさして歩いていく人。どこまでいくのだろう。遠いのかな、近いのか。ここの駐車場は他のとこよりずいぶん横に広い。
さっきの大きな夫婦は小さな白いバンに乗って何やらしゃべっている。そういえば朝のニュース番組でバンライフっていう車で生活や仕事をする人が増えてるっていうのみたな。それはハイエースとかキャラバンとかの大型の車でたしかに快適そうに空間を作りあげてて面白かった。だけど、やっぱりそれもDIY。作る楽しみから始まるんだね。と思ってたら妻は住所とかどうしてるんだろう?って不思議がってた。多分、実家とかにしてるんじゃないかなって返しながらやっぱり気にするところがお互い違っておかしかった。妻は僕の持ってないものを沢山もってる。そーいうところがいいんだ。
さぁ。一仕事してから後輩が待つところへ戻らないと。
今日はコーヒーが大きくて熱いから、ゆっくり飲めそう
バンライフをパンライフだと思ってて車内の様子ばっかり出てきて気づき直したのは、内緒ね
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まだらもようのハンドル。パタパタと小さく打ちつける。目の前からも頭の上からも聞こえてくる。
カエルが道路を急いで横切る。右足を左に置き換えて踏み込む。彼が横断するのを待つことにした。そんな優しさは素知らぬ顔で田んぼへ向かって跳ね続ける
休みの前の夜はいつも手持ち無沙汰だ。今日は雨音がここちよい。ゆっくりでもなく。激しくもなく。少し遠慮がちに当たる音と流れる束水の音が落ち着かせてくれる。
明日の心配も、過去の後悔も、耳を傾けていれば気にかからない。
寝しずまるだけ。朝と再会するまで。