詰将棋の発表のしかた
詰将棋をつくったら誰かに見せたくなります。詰将棋は解かれるから詰将棋なのです。聴かれない音楽はただの楽譜です。
専門誌に投稿する
詰将棋を創ったら専門誌に投稿しましょう。
ベテランも初入選のうれしさを忘れることはありません。何度も没になった後、採用されて誌上に初めて載ったときの歓びをあなたも味わいましょう。
専門誌は同好の士が鎬を削る場所であり、詰将棋を見る目を持った人が集まる場所です。完成した作品は専門誌に載せるのがなんといっても一番です。
創作詰将棋を募集している専門誌は現在2誌。詰将棋パラダイスと将棋世界です。
詰将棋パラダイス
530-0043 大阪市北区天満4-15-7 豊岡ビル2F
月刊 詰将棋パラダイス 編集部
投稿時に84円切手を同封すると,不採用の時に付箋をつけて返却してくれます。 不採用の理由は余詰などが多いので,これは 初心者には大変親切な制度です。活用しましょう。 投稿後,1年以内に載らない場合は不採用。
将棋世界
101-0003 東京都千代田区一ツ橋2-6-3 一ツ橋ビル2F
株式会社マイナビ出版 将棋世界「詰将棋サロン創作」係
17手以内,葉書で投稿。 投稿後,半年以内に載らない場合は不採用。
投稿用紙には住所・氏名・電話番号・図面・作意手順・主な変化・紛れ・狙いを書きます。1枚に1作、裏面は使用しないこと。
こちらの記事も参考にしてください。採用される投稿用紙の書き方
はやく採用されたいからと,同じ作品を複数の雑誌に投稿することは「二重投稿」といってご法度です。詰パラは1年、将棋世界は半年と書いてありますが、実際にはもっと余裕を持って考えた方が無難です。1年経ったから不採用と思って他誌に投稿したら、両方に載ってしまい、結果的に二重投稿になってしまったという場合があります。
また当然ですが,投稿できるのは自分のオリジナルな創作物です。他人の作品を投稿したり,もしくは他人の作品を勝手に改良して投稿したりすると,ブラックリストに登載され,二度と採用されなくなるのでご注意ください。
採用数は将棋世界が8作/月、詰パラが約50作/月ですから、採用されやすいのは詰パラです。ただし将棋世界は2000円の図書カードがもらえますが、詰パラはなにもありません。
専門誌ではありませんが毎年春に開催される詰将棋解答選手権でも出題する詰将棋を募集しています。ただし投稿できる作品は誰にも見せていない作品に限ります。
webの詰将棋サイトに投稿する
web上の詰将棋サイトに投稿するのも良いでしょう。スマホ専用ですが、空気ラボのスマホ詰将棋パラダイスは14137局の詰将棋が集まっており、毎日5局の新作が発表されています。PCならば詰将棋メーカーが急速に作品数を増やしています。ただし、これらのサイトは専門誌と違い、採否を決め解説を書く担当者がいません。解答者のコメントは読むことができます。(筆者はスマホ詰パラでは 作者No.141 kazemidori で何局か作品を出品しているのでよかったら遊んであげてください。)
加藤徹さんの老舗サイト詰将棋おもちゃ箱でも懸賞出題する詰将棋を募集しています。またweb版の詰将棋パラダイスでも毎月1題新作を募集しています。
他にもwikiや専用のsnsで詰将棋のサイトを創っている方がいました。まだ続いているか確認できませんでした。
作品集を出版する
専門誌に作品を発表し、作品が100局集まったら作品集を出版するというのが大方の詰将棋作家の描く順路です。しかし、最初から作品集をだすことがいけないわけではありません。
写真の本は少なくとも筆者が入手した時点では、作者のお名前を知らなかった詰将棋作品集です。(筑木さんは、その後詰パラでお名前をみるようになりました。他の方々も、筆者が知らなかったというだけかもしれませんが)
ただし、お薦めはしません。特に素晴らしい作品はまずは専門誌に発表してほしいと思います。(理由は詳しくは書きませんが)
つみき出版でも詰将棋作品集出版・販売をしています。取次との契約はしていませんが、何千部も刷るわけではありませんよね。Amazonで販売することは可能です。興味のある方はご相談ください。
web頁やsnsで発表する
もっとお手軽なのは自分でウェブページをつくってそこで発表したり、twitterなどのSNSで発表することです。最近ではYouTubeで新作を発表する人もいますね。
この方法の弱点は、解答者の感想がなかなか聞けないということでしょうか。「コメントを書きたい」と思わせるだけの魅力を作品が持っていないとなかなかコメントはもらえません。次のtwitterにだした12局もまったく短評をもらえないかわいそうな豚児になりました。今からでも解いた方は感想聞かせてください。
昔は、ネット上の掲示板に出した詰将棋作品は、ミニコミ誌掲載と同様の扱いで正式発表とは見なされませんでした。ですから、そのままもしくは改良して専門誌に投稿することが認められていました。
しかし、現在は未発表扱いを期待するのは難しいと思われます。上のtweetでも初級戦が3785人、一般戦でも2557人に見られています。「詰パラ」はこんなに売れていませんから……多分。
将棋世界誌は「web上で掲載済の作品は新作扱いいたしません」と明記してあります。
どうせ自分の作った詰将棋なんてつまらないだろうとtwitterなどで載せてしまうと、評判が良かったからと専門誌に投稿しようと思ってももうその権利がなくなってしまいます。駄目な場合は担当者がアドバイスを書いて返送してくれる詰パラに返信用切手をつけて投稿することをお勧めします。
サポートしていただいたお金は、詰将棋の本を作るためにつかいます。