CHAGE and ASKA「WALK」について

スカートの澤部渡さんがパーソナリティをなさっている「GOOD YEAR MUSIC AIRSHIP〜シティポップレイディオ〜」を聴いていたら、
2024.6.15回のゲストにASKAさんが来ていました。

たまにゲストが来て、そのゲストが常に大物であり、
リスナーからのリクエスト曲も、(私は)全く知らない曲が流れる、発見しかない番組で毎週楽しみに聴いています。

まだradikoで聴けるのでぜひ、と思うのですが、
(来週も引き続きASKAさんがゲストだそうです)
・「天気予報の恋人」のBメロについて
・デビュー当初(1979年当時)の状況…「チャゲ&飛鳥」は「ひとり咲き」という「フォーク演歌」でデビューしましたが、いわゆる「シティポップ」隆盛期で、デビューを狙ってコンテストに応募している人達の半数が「シティポップ」だった(※「チャゲ&飛鳥」は「ヤマハポピュラーソングコンテスト」というコンテストがきっかけでデビューしたとのこと)。そういう人達は、「山下達郎」が「シティポップ」かどうかはさておき、「山下達郎」を目指していたように思う。自分達は、勝ち上がるためにその路線には乗らなかった
・「ムーンライトブルース」は鍵盤で。この曲が転機だった
・David Fosterについて
・「SAY YES」300万枚売上当時の葛藤
などを語ってらっしゃいました。

私が特に興味深く思ったのは、「WALK」という曲にまつわるお話でした。

このMV、貼ろうと思ったら6分以上ありました。長い曲ですね。
「WALK」は「SAY YES」以前の曲ですが、
歌詞を読んでいると、売れない焦燥、不安、「君」がすべて、「君」がいないと「僕」はだめだ…と、繊細な心が綴られています。
サビはとてもストレートな愛の告白で、「SAY YES」の「何度も言うよ 君は確かに僕を愛してる」という堂々とした言葉(殺し文句?)にも通じるような分かりやすさもあります。

「SAY YES」前のCHAGE and ASKAがどれぐらい売れていたのか、売れていなかったのかを知らなかったのですが、今聴いても良い曲ですし、
6分以上のMVを作っているぐらい長い曲を出してみたりしているなら、売れていたと言った方が良いのではないか、そしたらこの歌詞は何なんだろう? と疑問に思っていました。
YouTubeなどで、テレビ番組でさまざまな曲を歌っている映像が見られるので、テレビにも出ていたようですし…。
ラジオを聴いていたら、私のこのような疑問を解決する内容をお話しされていたので、少しだけ文字起こしします。

あれ(※「WALK」のこと)はね…(David Fosterの影響下にある曲ではなくて別の意味がある曲で)。
それまではヒット曲を出すことだけにこだわってたから。当時ね、80年代ってそうだったのよ。『ザ・ベストテン』っていう番組があって、そのベストテンに入らない人は「売れてない人」だったわけ。これ世の中の見方ね。僕らはそう思わないよ。活動してる連中は。ツアーにガンガンにお客さん入ってる人もいるし。
そうだけど、世の中の人っていうのはテレビに出てるのが売れてる人だったわけ。そういう認識から、シングルを出さなきゃいけないジレンマに囚われてた時間が長くて。
活動が10年になったとこで、プロデューサーから「よく頑張ったね。もうこれから好きなことやろう。もうヒット曲なんか狙わなくていいよ。とにかく自分達の好きなことやろう」って言われた時に、10年分が浄化されたって言うか、すっかり流れ落ちてものすごく心が軽くなったのね。それから作り始めたらヒットし出した。

このお話によると、「WALK」は、プロデューサーに好きなことだけをやろうと言ってもらって出来た曲ということになるようです。

同時期に「LOVE SONG」という曲もありますが、その歌い出しに、「聴いた風な流行にまぎれて 僕の歌が痩せ続けている 安い玩具みたいで君に悪い」とあって、これもまたヒット曲を狙って流行の曲調に合わせようとしているけれども自分では納得いかないものができてしまうジレンマを歌っている…ということでしょうか。

※このMVも6分近くあって、(やたらと)長いです。TVで歌う気、ない。

※MVが2種類出てました。92年の方は、「売れた」後ということになるのかな。

お話を聴いていると、『ザ・ベストテン』ってどんな番組なんだ?と首を捻りたくなりますが、
「とにかく力を持っていた番組」ということなのでしょう。誰か、研究してくれたら良いなと思ったりしました。ベストテンに入り続けていた人は本当に売れていたのか問題。あるいは誰に聴かれていたのか問題、あるいは、本当に名曲揃いだったのか問題。あるいは、『ザ・ベストテン』には全く入っていないけれど人気のあった人達って誰なのか問題。

CHAGE and ASKAのプロデューサーさんは、ベストテン権威主義からの脱却と言えば良いのか、ベストテンに入らなくてもコンサートにお客さんがたくさん入ってるから大丈夫だと思ったということなのか、どういう理由で先のご発言をなさったのか分かりませんが、柔軟な人だったということでしょうか。

で、ある意味、楽屋裏暴露のような歌詞をそのまま書いて世に出してみたというのが、「WALK」や「LOVE SONG」になるのかなぁ。と、ラジオを聴いていて思いました。
最初が素直な歌詞だから、サビの甘い言葉もすっと心に入ってくるのかもしれません。

CHAGE and ASKAはふたりで歌っている姿を映像でしか見られないのと、サブスクが解禁されていないのとで、現在地はソロ活動、過去はCDを再生できる手段を得る、何となくYouTubeで探す…ぐらいしかご活動の軌跡がつかめないので、早くサブスク解禁されないかなぁと思っています。最初から時系列に沿って全部聴いてみたいです。途中からソロ活動も始まるし、楽曲提供も多いので、膨大な数になりそうですが。
とても気になります。この人達。

→8月25日、デビュー45周年、本当におめでとうございます。そして、サブスク解禁、本当にありがとうございます。全部解禁されて全部聴けることを願っています!

🔴万城目学さんのインタビュー記事
2024.8.25


🍎


🫶角張渉!


🩵

『ザ・ベストテン』初登場の、YMOだそうです。お三方のユーモアが楽しめます。
「すごい番組」ですね。

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