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カゼマチの代表は不登校の親を経験した元中学校の校長です

 カゼマチは大きな企業さんとは違って、たった一人で細々と始めた個人事業。当然ながらなかなか信頼なんて得られないし、大きな会社みたいなすごいこともできません。
 それも分かっているのに、なんで公務員、しかも校長職を辞めてまでこんなことやってるんだ?ってよく聞かれることがあります。

娘が教えてくれたこと

 僕の次女は、東京で3児の母として幸せに暮らしています。3児のうち2人は双子ちゃん。娘に似てメチャメチャかわいい3兄弟です。(親バカ(^_^))
 そんなかわいい娘の笑顔が、奪われていた時期がありました。
 いろんなことがあって、次女は中学校に入ってから不登校になりました。1年生の途中から完全不登校。高校も行きませんでした。
 紆余曲折は割愛しますが、次女は自分の生き方を自分で選択し、宮古島やニュージーランド、大阪で一人暮らしをしながら高卒認定試験を受け、大学に入りました。そして横浜に本社を置く大手自動車会社本社に就職。周りは超一流大学卒業生が多い中、中高行かなかった娘がなぜこの会社に入れたのか。

教員としての気づき〜娘が自分を変えてくれた〜

 教員だった頃、学校で子供たちに「ちゃんと勉強しなきゃ立派な大人になれない」「社会で生きていくために学校は大事なところだ」「しっかりがんばらないと将来困ることになる」などと力説していました。
 でもそれって嘘だった。だって娘はこんなに立派になってる。学校行っていないのに。

 「じゃあ、いったい学校って何なんだ?」

 そこから学校教育に対する考え方が変化しました。
 「学校って楽しい場所であってほしいのに、なんか変だぞ」
 そんな思いが自分の中に芽生え、やがて教育観を完全に変えてしまいました。
 娘に教えてもらわなかったら、自分はクソみたいな教員で終わっていたと思います。

孫を抱き上げたとき、神のお告げが

 やがて校長になった自分は、自分の教育観に沿って、新しい教育の実践に努めました。周りからの保守的な批判もありましたが、子供たちの将来のために、変えなければならない部分は思い切って変え、子供や教職員が楽しく過ごせる学校にしようと取り組みました。
 「自立・共生・創造」という教育理念を具現化し、ある程度の成果も出たと感じていました。
 そんな中、次女が一人目を出産をし、孫が誕生したのです。
 初めて孫を自分の手に抱き上げたとき、次女の過去の出来事が突然フラッシュバックし、止めどもなく涙がこぼれました。そして、この子には豊かで楽しい学校生活を送ってほしい、将来幸せな人生を送ってほしいと強く願いました。

 「この子のために自分がやらなきゃいけないことがあるんじゃないか」

 そう思ってしまったのが、全てのスタートでした。神様のお告げのようでした。
 自分の学校だけ良くなればいいという考え方ではダメだ。日本中の子供たちが幸せになる道を考えなきゃ。できることは限られているかもしれないけど、行動しなきゃダメだ。かつての次女のような思いをしている子供たちをサポートしながら、学校教育について啓発的に発信していきたい!そう考えるようになったのです。

一般社団法人アナザーステージの起ち上げ

 そんな思いが強くなり、「このまま校長を続けていくのは、自分の生き方として違うんじゃないか」と考え始めました。今の学校教育にたくさん疑問や違和感を抱きながら、その思いに蓋をして校長職を続けていくのは、自分は嫌だ。
 そして辞職を決意しました。
 2023年6月、「子供たちに豊かな時間と確かな自信を」をミッションとして、不登校の子供たちをイベントづくりを通して応援する一般社団法人アナザーステージを起ち上げました。校長職と並行して不登校支援の活動を始めました。2023年8月には、学校に行っていない子供たちを島根県隠岐の島に集め、2泊3日のキャンプを開催。様々な奇跡が巻き起こりました。(キャンプの様子はこちらから) 

そしてカゼマチの起ち上げへ

 学校に行かなくたって、堂々と過ごせばいい。どんどん社会に出て、いろんな大人たちと活動したらいい。家でじっとしている必要なんてない。
 でもなかなかそれができないんですよね。それって実は子供のせいじゃなくて、大人のせいなんです。不登校への関心は高まったものの、社会全般ではまだ「問題」として捉えられ、解決しないといけないと言われる。それが変わらないと本当の意味で不登校支援はできない。
 そのことを発信しながら、一人でも多くの子供たちが前向きになれたら嬉しいなと思います。
 彼らのためにできること、その一つが学習のサポート。
 学校に行かなくても幸せになれるけど、学習は必要。テストでいい点を取るための学習ではなく、自分が生きていく武器として。いざ社会で活躍したいと思ったとき困らないだけの勉強はしておいた方がいい。次女の今があるのも、ある程度の学習を続けていたからだと思う。
 そこの部分をサポートしたくて始めるのが、カゼマチのホームスクーリング。
 学校に行かない子にとって、勉強は今すぐ必要なものじゃないけど、ちょっとでもやろうかなって思ったとき、すぐに取りかかれるものがあるかないかで、その後の行動が変わってくることも。
 ある意味、お守り代わりのホームスクーリングシステム。

 そして保護者の皆さんへの支援。
 自分もそうだったけど、渦中にいるときは本当に苦しいものです。孤独、無力感、自暴自棄、不満、怒り、葛藤。。。さまざまな苦悩に押しつぶされそうになります。
 それを解決することはできないけど、同じ経験者として、思いに寄り添うことはできるかなと思っています。しかも学校経験者だから、ちょっと安心感も強いかも。
 苦しいときには毒を吐いたり、傷を舐め合ったりすることも大事です。

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