見出し画像

1日目(後編)「全てがRTA」

7時半頃、弟からのLINE電話で起こされる
寝起きで口がまわらないっていうのもあるけどスマホのバッテリーが少なくなってるのでかなりアッサリとした応答をする

近くのスーパーが販売を開始したという情報を得たので行ってみる
食料は買えたが一番欲しかった電池式のモバイルバッテリーは買えなかった
「まあ、スーパーやし。コンビニとかドラッグスタで買えるやろ、へーき、へーき」
7、ローソン、ハセガワストア、セイコーマート・・・
どこも売り切れだった、しょうがないことである
「充電機の修羅になる・・・!」
そう意気込んでツルハに行ってみましたがなんの成果も得られませんでした
この者、見立ての甘い阿呆である
実際は何も買えなかったわけじゃなくロウソクや猫のご飯は買えたのでスマホがただの文鎮と化すだけなんですが
その時14%、終わりを感じる

帰り道、ウェーイな人が
「ハイ!」
と元気よく手を挙げて信号を渡ってた
何事も前向きに楽しむ人間が勝ちである
ただスーツの人たちを朝早くから何人も見たのが気になる
インフラとか行政関係の人たちはともかくこんな時は休め、ダラけろ
この者、クズである

改めて部屋を見てみる
地震で何も崩れたりしてないと思ったけどルーターが倒れてた
自室は昔集めたFFのジュースの空き缶が散らかってた
揺れた割には大したことはなかったがやはり停電が問題だ
さらに情報によると震源地に近いところでは大変な被害のようだ
みんな無事だといいのだが・・・

少ししか寝てなかったので仮眠することにする
目を覚ますと親と妹が何かやってるのが聞こえた
まだ気温が高いうちに冷水シャワーを浴びることにする
地味にちょっと辛かった
ヘッドパーツを洗うときはひんやりしてて気持ちいいが体の方は嫌がってた
それでも洗わないわけにはいかないので覚悟を決めて水にさらす
多分この時、自分史上サイコーの面白い顔になってたと思う
見せれないのが残念です
その後、親が鍋で炊いたご飯をイワシの味噌煮の缶詰と一緒に食べる
缶詰を開けた時猫が物凄い興奮する
食べ終わってもまだ高ぶってるので空の缶詰をかがせるが納得してないようである、耐えてほしい
妹が充電器を貸してくれたのでスマホがフェニックス
ラピュタのように何度でも蘇って欲しい
ただtwitterなどは使えないので実際はちょっと高度な文鎮のままである
ラジオって大切だなって思いましたまる

夜はラジオを付けながらロウソクの火で過ごす
外に出てみると流石にどこも明かりがなく本当に真っ暗だった
地震直後の星空もキレイだったがこっちは本当に人工の光を感じれなかったので同時にちょっと怖かった
無駄に起きてるのももったいないし寝る前にトイレに行く
いつもトイレに行くときに曇りガラスで外が見えるのだがいつもと同じ光景が見えた
あまりにいつもすぎて一瞬気づけなかったが信号機の光だ
外に出て確かめてみると信号機だけじゃなく街灯までついてた
1週間の期間を覚悟してたためかなり驚く
22時半前だったはずだ
街灯があるだけでこんなにも安心するなんて初めて知った
また何があるかわからないので急いで洗濯をする
まだ全部解決したわけじゃないから安心はできないけどちょっとホっとしたらお腹が空いたので朝スーパーで買ったカップ麺を食べた
カップ麺がこんなに美味しい食べ物だと気づく
あんな朝早くから働いてたスーパーの人たちには感謝しかない、彼らもみんなと同じように大変なのに
そして北電の人たちもありがとう
依然としてまだ大変な地域もあるけど明日に備えて今日は寝よう

いいなと思ったら応援しよう!