子供嫌いでも子供を望みたい心理。〜子供が嫌いなのに出産したら〜
いくつかの記事を読めば分かるが私は子供嫌いだ。
憎悪を感じる程嫌いというわけではないけれどカフェや温泉で子供がウロウロしていると「(子供が)いなければよかったのになぁ」と思うし、なるべく遠くにいるようにする。
子連れ歓迎の場所にはまず行かないし、集まりがあった時に「子供連れてきました~」という人がいるとなんとなく私(女性)に子守を任されがちだったりするので嫌だな~と思っていた。
そんな私でも子供を欲しいという願望は持っていた。
そして出産した。
35歳で初産。
正真正銘の高齢出産だった。
子供が欲しかった理由は本当に身もふたもないとは思うのだが
「そういうものだ」と思っていたから
が一番の理由になる。
「子供が好き」とか「お母さんになりたい」とか「子育てをしてみたい」という優しくて純粋な理由ではなく、
ただ「そうしなければならない」と思っていた
から結婚して出産をしたというのが私の正直な子供を産んだ理由だ。
実はこういう人って多いのではないかと思う。
私は今年36歳だが親世代はまだ専業主婦が普通だった世代。
若くして結婚し、子供は2人、専業主婦としてやりくりしながら子育てするのがマジョリティで母親もモロにそのタイプだった。
私の場合、小学校卒業まで祖父母の家の隣に住んでいたので祖父母からの刷り込みも激しかった。
「女はこうあるべき」というのはしょっちゅう聞いたし、社会人になってからは「結婚はいいのか」と何度も聞かれた。
結婚が決まり、仕事を続けると伝えた時は父親に「なんでそこまでして働きたいんだ」と聞かれた。
「その程度の稼ぎの男が相手でいいのか」という意味でもそう聞いたのだと思う。
ものすごい時代遅れな親だとは思うのだが父も母も社交的なタイプではないため余計に世間の情報が枯渇しており晩婚やワーママ、Dinksへの理解はほぼなかったに等しい。
正確に言えば「理解しているフリはしてるが娘にはそうなってほしくない」という思いはヒシヒシと伝わってきていた。
そんな親と大学卒業まで一緒にいた私は自分の価値観を持ちつつも「子供は産むべき」という深い刷り込みだけは拭えずに親元を離れたように思える。
女である以上、出産という大イベントを一度も経験しなくてもいいのか、なんのための生理なのか、という極端な考えに陥ったこともある。
こんなかんじで私の出産の理由は決して前向きではなかった。
正直妊活や妊娠までは葛藤の日々だった。
子供が好きじゃない、生まれれば大変になる。
分かり切っているのになんとなく「産まなければ」「このまま子供を作らなくてもいいの?」と思う日々。
私の場合、夫がはっきりと子供が欲しいというタイプだったのでそれが救いだったのかもしれない。
「夫もそう言ってるし・・・」、「まずはやってみるだけでも・・・」に気持ちがシフトできたと思う。
私達夫婦は「夫が資格試験に合格するまでは妊活をしない」と決めていたのだがそれも良かったのだと思う。
交際してから4年弱、恋人気分の2人の生活を十分満喫したからだ。
リミットがあるし、どうせなら健康な子供を産んであげたい、試験にはまだ受かっていないがもう妊活するか?等も真剣に話し合った。
十分悩んで言い合いや喧嘩もして私の年齢的にもそろそろ焦らないとまずいだろうという年に夫が資格試験に合格した。
合格発表は11月にあり、そこから少しお祝いをしてのんびりして、休憩が終わったなと2人で実感ができたらすぐに妊活を始めた。
運よくピルを辞めて1か月半で妊娠した。
この時34歳だった。出産は35歳4か月だった。
子供を産んでよかったなと思ったのは「女なのにまだ出産していない」という後ろめたさから解放されたことだ。
叩かれるかもしれないがそれが一番よかったと思うことだった。
おそらく私はずっとこの後ろめたさから解放されたかったのだと思う。
意地を張って結婚願望がないフリをしていた独身時代と同じように本当は「皆より遅れていること」を気にしていた。
そんな感情のために子供を産むなと言う人ももちろんいるとは思う。
だけどそれは私から言わせれば「意味のない正論」であって大きなお世話だと思う。
何かをするにあたって全ての理由が不純であってはいけないということはないと思う。
過程と未来がなにより大事だと思う。
理由なんかはどうでもよくて、その人の人生や周りがその行為で幸せになったかが一番大事なように思える。
話は戻って、私は結果的に子供を産んでよかったと思っている。
前述した一番の理由もそうだが、自分の子供はとにかくかわいくて何かしてあげたくてしょうがない存在で、もし子供がいなかったらこんな気持ちにはならなかっただろうという幸せな感情をたくさん得ることができているからだ。
「子供が嫌いだけど出産はどうしよう」と悩んでいる女性はそれなりに多いように私には思える。
少しでも参考になればと思って私の子供を産んだ理由を書いてみた。
最後に決めるのは女性です。
後悔がないようにしてほしいなと思います。