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ひとり時間に寄り添うカフェ

家からちょっと離れたところにある
ひとりなら入れるカフェがある。

おしゃべり目的や

2人以上では
残念ながら入れない。

2人でも、別々の席に座って
ひとり時間を楽しむなら
入ることができる。


それがお店のルール。


2回ほど、そのカフェを訪れたことがある。


店長さんから
「ご来店は初めてですか?

 こちらの約束事に目を通してから

 ご注文をお願いします。」


とお話があった。


周りを見ると、
席は6席ほど。


店内には2人、パソコンで作業されていた。



その日は猛烈な暑さで、ヘロヘロになっていたので、最初にドリンクを注文した。

なんとこのお店には
私のだいすきなエルダーフラワーのソーダ割り
がメニューにある♡


そして店長さん手作りの
テリーヌショコラを注文した。


おしゃれなお皿に盛り付けられた
テリーヌショコラも、

爽やかなエルダーフラワーのドリンクも

汗をかいて、疲労した身体に
沁みる。


美味しい!
とても美味しい!

このテリーヌショコラのレシピが
知りたい!


店長さんに話しかけたくなった。

けれど、
おしゃべりはしないお約束事なので、
聞こうにも聞ける雰囲気ではない。


ひとりでこの美味しさを噛み締めよう。


しばらくすると、
ドアが開いて、お客さんが
入ってきた。


「こんにちは!
 今日も暑いねー。
 今日は何のコーヒー?」

常連さんなのだろう。
店長さんと、楽しそうに会話をしている。

なーんだ、ちょっとしたおしゃべりは
良いんだな。


あと何度か通って
顔見知りになったら、
テリーヌショコラのレシピを
聞いてみようっと。

なんて、思ったのだけれど、

実は顔見知りになることって
そんなに得意ではない。


今まで行きつけになるほど、
ひとつのカフェに通うことは
なかった



カフェにいる人々や
空間に紛れ込む、溶け込むこと
が好きだから

店員さんに
大勢の1人として特定されてしまうと
何だか気恥ずかしくて、
気軽に通えなくなってしまう気が
している。


だから、店員さんに
こちらからアクションすることは
滅多にない。


ただ、友だちや夫など、
誰かが一緒にいて、
認識されることは全然平気。
それはむしろ大歓迎。

ひとりでカフェに行くのは、
ひとりで自分に向き合いたいから。


だから、店員さんと
知り合いになってしまうと

ひとりからふたりになってしまうような
気がしてしまう。


とはいえ、私は、1度訪れて以来、
店長さんの手作りデザートにハマってしまった。

今は秋になり、
かぼちゃのケーキがおすすめらしい。

そのお店は、店長さんの気分で、
用意されるデザートの種類が変わる。


かぼちゃのケーキも食べてみたいけれど、
次にテリーヌショコラが食べられる日は
いつだろうと
心待ちにしている今日この頃。

そして、肝心のテリーヌショコラの写真を
撮っていなかったことが悔やまれる。

今度は目と口と脳にもしっかりと
刻んでこようと思う。





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