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【イベントレポート】さがすいばらき「現地に行く・取材をする」|食を通じて笑顔をつくる|城里町・笠間市

こんにちは。カゼグミ社員の戸板です。
今回は、第6回目の開催となったいばらき県央のプログラム『さがすいばらき』のイベントレポートです。

『さがすいばらき』とは?
いばらき県央地域を知り、いろんな働き方・暮らし方を聞く全8回のプログラム。
①県央地域でおもしろい取り組みをしている場所を実際に訪れ、そこを運営する人の思いやこれまでの歩みについて話を聞くセクション(全4回)と②県央地域で働き、暮らす20代〜30代の先輩に話を聞くセクション(全4回)があります。
※①のセクションでは、現地に行った感想を200文字程度でまとめるワークがあります。

単発参加も連続参加も可能で、説明会に参加しなくても申し込みができるので、気軽に参加できるのがポイントです。

主催:いばらき県央地域移住・定住促進協議会
企画・運営:株式会社カゼグミ





現地に行く回の最終回となった今回は…

2024年の12月からスタートしているさがすいばらき。
「現地に行く・取材をする」パートに関しては、今回が最後の回。4名の参加者の皆さんと、城里町と笠間市に伺いました。

出発!




訪れた場所① 城里町/高安園

まず訪れたのは城里町の古内地区にあるお茶園『高安園』さん。
奥久慈茶、さしま茶と並んで茨城三大銘茶に数えられる「古内茶」を栽培・販売する高安 達夫さんと、城里町をフィールドとして活動する地域おこし協力隊の関川 恵実さんにお話を伺いました。


高安さんからは古内茶について

古内茶は、室町時代に栽培が始まり、あの徳川光圀公がその味のおいしさに感動して詩を詠んだと言われるほど歴史のあるお茶。茨城県の三大銘茶を代表して皇室に献上されたこともあります。
そんな歴史深い古内茶の栽培や製造について、店舗の裏にある高安さんの茶畑を見せていただきながらお話を聞きました。

茶葉の新芽を3月末に剪定し、5月上旬には一番茶として収穫ができます。
年に4〜5回剪定して整えることで、生産量や品質を安定させているとのことです。

━━━ 茶葉の苗木を植えてから収穫までに5年かかるんです。この大きさになるまでは10年ぐらいの時間がかかりますね。
収穫してからは蒸して完成させるのですが、摘んできた茶葉の状態によって蒸し方を変えています。それよってお茶の品質の7割が決まるのでとても大事な工程なんです。

お茶の栽培から加工、販売までには長い時間と手間がかかっていることを実感する貴重なお話でした。

━━━ こうして、緑茶と紅茶を来てくれた人にお茶請け(お茶と一緒に楽しむ軽食)も一緒につけて出しています。
毎年6月と11月に古内茶を楽しむイベントを開催していて、特に6月は新茶の時期なので、430人ぐらいの来客がありましたね。遠くから古内茶を楽しみに来てくれるお客さんもいて、とても嬉しいです!

協力隊の関川さんからは城里町での取り組みについて

2024年の1月に協力隊に着任した関川さんは、町内の歴史ある建物「島家住宅」に関わる活動をしています。

━━━ 島家住宅は、国登録有形文化財に指定されています。茨城県で一番古い建物で、江戸時代から続いてきた家屋が城里町にあるんですよ!
茅葺屋根の家屋なのですが、茅葺は人が住まなくなると虫や菌がたくさんついてしまうんです。それを防ぐために火を焚く「燻蒸(くんじょう)作業」というのを協力隊の活動として定期的にやっています。

島家住宅の修繕にみんなで取り組むイベントをはじめ、燻蒸の作業をきっかけにして歴史ある建物をより身近に感じてもらうための活動に取り組んでいます。

そんな関川さんは、新潟県出身。
大学時代に地域の人と一緒に活動するのが楽しいと感じていたのを理由に、都内の区役所に入庁しましたが、業務内容が合わずに休職することに決めたそうです。

━━━ 本当にやりたいことや、これから生きていく道を真剣に考えるきっかけになったと思います。Webデザインやライティングのスキルを学んでフリーランスにチャレンジしたこともあったけれど、自分にかかる負荷の大きさを考えると、続けていくのは難しいと感じましたね。
ある日、友人の農家の住み込みアルバイトをしたことがあって。休職してから自信を持てなかった私が、自分からアイデアを出していることに気づいたんです。「自分にもできることがあるかも!」と思い、そこからだんだんと思考がポジティブになっていきましたね。

今では協力隊の発信業務で、ライティングのスキルが役に立っていると話してくださいました。
「経験したことはすべて繋がっていく」という関川さんの言葉が印象的でした。

ありがとうございました!




訪れた場所② 笠間市/Kei Condoさんの工房

続いて訪れたのは、笠間焼作家・Kei Condoさんの工房
徒歩3分ほどの距離にあり、Keiさんが運営している民泊施設『OBRAs』で器を実際に触れながらお話を聞きました。

笠間市が地元でもあるKeiさんは、地域の外から来た人やものも受け入れる自由な気風が、笠間焼の魅力のひとつであると語ります。

━━━ 中学生ぐらいの頃から、何かを作るのが好きでした。図工とか技術とか、そういう科目が大好きでしたね。それは今に繋がっていると思います。
大学は国際関係のところに通っていて。1社目は「新卒」というネームバリューを使いたいと思って、営業職に就職しました。

会社の雰囲気が合わなかったのもあり、半年後に退職。せっかくならやりたいことを仕事にしたいと思い、茨城県工業技術センター窯業指導所(現:茨城県工業技術センター笠間陶芸大学校)で陶芸を学び始めました。
大学校卒業後は、大学時代の経験をもとに海外に行きたいとの思いから、青年海外協力隊として陶芸の魅力を伝えるため南米に渡ったこともありました。

海外から日本に帰ってきて、2009年に独立。
Keiさんが独立したばかりの頃は、異なるジャンルのアーティストのお手伝いをしながら作品制作を行い、全国規模のさまざまな陶器市に出品することで人脈を広げました。

━━━ シェフやフードコーディネーター、建築家など、作品を通して知り合った人が笠間に来てくれることが増えてくるのと同時に、笠間のことを知ってもらいたいと思うようになりました。
うつわと一緒にゆったりと食事を楽しめる場所が欲しくなったので、この施設「OBRAs」をつくったんですよ。自分が作ったうつわを使うシーンを実際に試してみたい気持ちもありましたね。
独立したての頃は陶芸に取り組む余裕しかありませんでしたが、ちょっと余裕が出てきたのでやってみようかなと思ったんです。

最初から道筋を決め、タスクをこなしていくよりも、まずは目の前のことをやってみて、取り組みながら余裕が出てきたら他のことに挑戦していくことが多いと話すKeiさん。
わくわくを忘れず、そして無理をしない。
自分に合ったスタイルで活躍の幅を広げるKeiさんのお話に、学生の皆さんも深く頷いていました。

素敵な器と心落ち着く空間、ありがとうございました!





訪れた場所③ 笠間市/まちのベンチ

最後の目的地は笠間市 JR常磐線の友部駅近くにある『まちのベンチ』でお話を聞きました。
当日ご案内いただいたのは店主の河又 恵太さん
茨城県北茨城市出身。大学進学を機に上京しデザインの歴史を学び、卒業後は設計事務所で働きました。設計の仕事は自分に合わないと感じていたと河又さんは語ります。

━━━ 妻から「楽しそうなことをやればいいのでは」と言われたんです。その時楽しかったのがお茶を淹れることだったので、お茶の販売の仕事をすることにしました。
しばらく働いた時にふと、「ここでずっと暮らしていくのか」ということを妻と考え始めました。当時住んでいた場所は、ただ仕事を機会に選んだ街で。
じゃあ住みたい街を探そうという話になったんです。

過去に何度か笠間に来たことがあったこと、その時偶然にも地域おこし協力隊の募集を奥さまが見つけ、河又さんに応募を勧めたことをきっかけに、地域おこし協力隊に着任することになりました。

協力隊としての活動期間に「まちのベンチ」をオープン。
自治体職員さんはじめ周りの人に勧められて、サポートを受けながら、ほとんどを自分でDIYしてこの場所をつくりました。
現在は他にも、デザインや移住コーディネーターの仕事も組み合わせながら暮らしています。

━━━ ここにいるとホーム感があって、いろんなことをいろんな人と話したくなるんです。街の人に面白いものを見てほしいとも思っています。
カフェがやりたいわけじゃなくて、ここをつくることでどういうアクションが生まれていくのかを見てみたいんですよね。日々、実際の街で勉強ができているみたいな感覚があります。
運営していく中で、できないことを無理やり頑張るんじゃなくて、自分が得意じゃないことは誰かにお願いする。だからまずは自分にできること・思いつくことをやってみようと思っています。

自分への期待感を持ちながらも、優しくしなやかな河又さん。
参加学生のお悩み相談もしていただくなど、どんな人でも温かく包み込む雰囲気を体感できた時間でした。

ありがとうございました!





残すところあと2回!さがすいばらき

さがすいばらきはあと2回。
いずれも水戸のhacoで「先輩の話を聞く」回となっています!

特に3月1日は、「現地に行く・取材をする」に参加してもらった学生の皆さんのコメントや現地での様子がまとまった小冊子のお披露目会でもありますので、出来上がりもお楽しみに◎


まだまだ皆さんにお会いできるのを楽しみにしていますˎˊ˗











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