『ABURIYA arataは2時間の夢を見せるか?』
2024年7月31日、KITTE大阪にグランドオープンした『ABURIYA arata』。ファンダイニングのメンバーである私は、妻とともにそこへ来訪することとなった。『ワンカルビ』『きんのぶた』などの焼肉・しゃぶしゃぶ食べ放題のお店を展開する株式会社ワン・ダイニングが新たに立ち上げる、『少量・多品目』をコンセプトにした、黒毛和牛焼肉コースの"新業態"だ。それを事細かにレビューしていく。
記事の最後にはお得な情報も載せているので、是非、最後まで読んでみてほしい。
(一部、撮影した写真にモザイク処理を行っています。)
大阪駅西出口からKITTE大阪に入って4階にあるその店舗は、ある意味、既存の焼肉屋とは少し違った面構えをしている。
窓の隙間からも見えるように、どこかフレンチのレストランのような、シックな佇まいだ。非日常感を抱かせるそれは、記念日やお祝いの場など、特別な舞台にぴったりだと感じさせられる。ちなみに、窓側や店内に存在するレリーフは、焼肉に関するハングル文字をリデザインして作られたものだという。ハングルが読める方は、ぜひ読んでみてほしい。筆者は読めない。
いざ、入店。
案内される際にちらりと見ることができる厨房も、黒を基調とされており、重厚感を放っている。カウンター席は焼き台が1人1台用意されていて、ゆったりと食事を楽しめそうな印象だ。今回は窓側のテーブル席に案内されたが、最大6名まで入れる完全個室も存在する。予約でお願いできるとのこと。
卓に着くと既に違う部分が存在する。お気づきだろうか?そう、焼き台の網がいつものワンカルビとは違うのだ。鋳物だろうか?筆者は鋳造に明るくないのではっきりとは分からないが、分厚い鉄板で焼くと、肉は美味くなると聞くような。こういった違いを見るのも、楽しい。
2024年7月31日現在のコースメニューはこのような構成になっている。価格は、全20品目で¥7,500(税込)。最後に食後の薬膳茶かコーヒーがついてくる。ラストの甘味は、自家製プリン・バニラアイス 季節のフルーツ添え・よもぎアイスの中から選ぶことができた。
また、ドリンクには「響」や「山﨑」、「知多」といった日本のプレミアムウイスキーも揃えられている。それ以外のアルコールドリンクも取り揃えてられており、もちろんノンアルコールも用意されている。お酒が苦手な人も安心だ。
卓へ案内され、コースの説明、苦手な食物やアレルギーなどがないかを聞かれる。このタイミングで前述したドリンクを注文できる。ウイスキー・ワインはリーズナブルなモノからプレミアムな銘柄まで、レモンサワーや梅酒などポピュラーなお酒も取り揃えてある。お酒が飲めない方には、ぜひ徳島県産柚子ソーダをオススメしたい。香り高く、まるで一級品のカクテルのような味わいだ。抹茶ソイラテも捨てがたい。料理とのマリアージュを探すのも、楽しいだろう。
それでは、1品ずつ見ていこう。
1品目 白いんげん豆の冷製スープ
浮かんでいるのは、アマランサスという擬似穀類(?)だそう。難しいことは分からないが、アクセントが目に美しい。一口啜ると、夏にぴったりの冷たさと、まるでクリームシチューのような濃厚な味わいが口に広がる。それでいて、くどくない、後味に豆の旨みをしっかりと感じるスープだ。お腹ぺこぺこで到着した我々に、軽すぎず、それでいて安心感のあるスープで出迎えてくれた。ここからコースが始まるのだ、と期待も高まる。食器も可愛らしい。
2品目 黒毛和牛リブロースユッケ
1品目のスープでワクワクが高まっていたところへ到着する、ある意味ここに来て初めての肉料理がこのリブロースユッケだ。肉の美しさもさることながら、目を惹く鮮やかなオレンジ色。この卵黄は、京都産の濃紅(のうこう)というブランドの卵で、色鮮やかさと黄身の濃い味わいが特徴だ。まるでカスタードクリームのような粘度でとろけ出た卵黄を、リブロースに絡ませ口の中へ運ぶと、肉の旨味、卵黄のコク、タレが合わさって官能的な美味さだ。最初に出てくるお肉がこのレベルの高さなので、期待値ゲージを上限ごとブチ抜いてくれる一品。
3品目 おくらとみょうがのサラダ
涼し気なガラスの器に盛られている、薄口醤油で調味された、おくらとみょうがのサラダ。夏らしいみょうがの清涼感と、おくらの歯ごたえ、大葉の香り、じんわりと広がる薄口醤油の旨味。このあと続くタンの前に、ひとまず口の中をさっぱりと締めてくれる一品。なかなかみょうがをメインで食べる機会もないと思うので、これもコース料理ならではの楽しみだ。
ちなみに、筆者はこの時点でarata特製レモンサワーを注文している。甘すぎない味わいが食中酒にぴったりで、もちろんこのサラダにも合う。
と、これはタンの写真ではない。牛脂だ、牛脂の写真だ。しかし、ここまで美味そうな牛脂があるだろうか?美しい桜色がまるでベーコンのようではないか。牛脂で感動することも、人生初である。
4~6品目 厚切り牛タン/上塩タン/タンカルビ
下に添えられているのは、ネギ塩とえごまの葉の醤油漬け。厚切り牛タンに関しては味がついているので、他2品で巻いて食べるとのこと。筆者は、ネギ塩を上塩タン、えごまの葉をタンカルビで巻いて食べた。焼き台の火力がそこそこ強いので、焼きすぎない程度に火を入れる。特に厚切り牛タンが絶品。考え抜かれた切り込みが、ほどけるような食感を演出し、そこから旨味の奔流とも言えよう脂が溢れ出してくる。言葉を発することも勿体ないと思うほど。厚切りのタンは、こんなにも美味い。美味いのだ。
7品目 牛タンシチュー
タン先を丁寧に煮込んだ牛タンシチュー。白いんげんとバジルのソースがあしらわれた一皿は、先ほどのタンとはまた違った美味しさだ。箸で切れるほど、歯も必要としないほどに煮込まれた牛タンをブラウンソースとともに口に運べば、どっしりと重厚な旨味が口の中へ広がる。バゲットが欲しい!
ときたま香るバジルもニクい。
8品目 ナムル3種盛り合わせ
韓国かぼちゃ、万願寺唐辛子、おくらのナムル。先ほどまでのタン4連撃で盛り上がったテンションを落ち着かせてくれる一皿。あっさりとごま油の風味が、それぞれの野菜とマッチしている。韓国かぼちゃはズッキーニのような食感で、ほのかな甘みがグッド。万願寺唐辛子は甘みが強く、おくらは歯ごたえと粘り気が楽しい。
9品目 黒毛和牛厚切りステーキ(リブロース)
店内の照明とも相まって、運ばれてきた瞬間、ルビーとも見紛うほどの美しさ。こちらは自分たちで砂時計の時間分、お肉を焼いたのち、スタッフの方がその場で切り分けてくれる。前述したようにそこそこの火力なので、焦がさないよう、くまなく焼いてゆく。表面はしっかりと焼き色が付くが、中はレアのままで、ユッケのリブロースとはまた違った、赤身の旨味をしっかりと感じられる。
本わさび、塩、ガーリックチップも添えられているが、筆者のオススメは、本わさび+塩でいただくことだ。肉の脂でわさびが甘く感じられ、塩で食べるお肉がこんなにも旨いのかと思わされる。ちなみにレアが苦手な方は、さらに網に置いて焼き目をつけてもよい。お好みの焼き加減で。
10品目 柚子シャーベット
ただの口直しと侮るなかれ、これがめちゃくちゃ美味しい。ゆずのフレッシュな果汁感と甘酸っぱさが口いっぱいに広がるが、それでいて嫌なエグみは一切感じられない。ちょこんと添えられたピールも美味。
大体この辺りでコースの半分程度である。ここまでで筆者は、既に7,500円の価値を十分に感じている。
11品目 焼き野菜盛り合わせ
上高地の山椒味噌が器に添えられているが、実に美味しい。水分たっぷりシャクシャク歯ごたえのアスパラガスは焼くと甘みが増し、ぎゅむっと肉厚の食感が嬉しいどんこ(しいたけ)を甘めの山椒味噌で食べるとたまらない。山椒も嫌味なほどではなく、ふんわりと爽やかな後口。
筆者はこの辺りで、梅酒サワーを注文している。さっぱりと甘く、飲みやすい。
12品目 ポッサムキムチのルーレ
柚子シャーベット、焼き野菜と続いて…ルーレ?ルーレとは何ぞや。調べると、生地を巻くことを表すフランス語だそう。この一品は、ホタテと赤海老をキムチで巻いたものである。ぴりっと甘辛いキムチに海鮮の旨味が、実に心地よい。キムチ一つにこんな食べ方があるのだ。arataのこだわりが感じられる。赤海老も、ワンカルビユーザーには馴染みがある。
13~14品目 本日のお肉(リブロース)/上ハラミ(タレ)
9品目の塩焼きステーキの時とは、また違った輝きを放つリブロース。きめ細かく入っているサシが実に美しく、脂の融点が低いのか、表面が艶やかだ。厚めに切られた上ハラミも、いつもとの違いを感じさせてくれる。
リブロース、とひとくちに言ってもその全てが違う。先ほどの塩焼きリブロースが赤身の旨味だとすれば、こちらは脂の旨味だ。まるで大トロのように舌の上で溶けていくさまは、美味しいと言葉を発することすら勿体ないほど。溢れ出た脂は、甘露と言わざるを得ない。甘味・塩味のバランスが取れた付けダレも美味しい。
15品目 黒毛和牛焼きすき
「お肉の赤色が少し残る程度に焼いてお召し上がりください」と説明を受け、慎重に、かつ手早く焼いていく。いつものワンカルビの焼きすきよりも大判で、厚みがある。ここで提供される卵黄も、もちろん『濃紅』だ。甘めのタレと肉の脂、卵黄の濃厚さが素晴らしい。難度は高いが、お肉で卵黄を丸ごと包み込むように口に運べると、幸せだ。
ここで焼き物のお肉料理は終了となる。最後にふさわしい一品だ。
16品目 節の旨味を効かせた盛岡冷麺
添えられた花穂紫蘇が可愛らしい冷麺。その薄色なスープとは裏腹に、しっかりとしたサバ節の旨味が感じられる。ともすれば、和食の出汁のような雰囲気も感じられる。弾力のしっかりとした麺と、濃厚なのに後味がすっきりとしたスープ、薬味である大葉の香りがマッチし、手が止まらない一品。今までの冷麺の概念を覆すような、新しく、それでいて食べやすい冷麺の形だと感じた。スープまで完飲。
17~19品目 黒毛和牛と蕪の土鍋ごはん/香の物/牛出汁スープ
新潟のブランド米『新之助』を使用した土鍋ご飯。牛肉の旨味を吸って炊きあげられたご飯、蕪の実のとろけるような食感と甘み、茎のシャキッとした歯ごたえが美味しい。ふわっと香る唐辛子も楽しい。運が良ければ、おこげも楽しめるだろう。
牛出汁スープは燻したような香りとともに、しみじみと染みる美味さだ。
ちなみに、土鍋ご飯が食べきれない場合は、おにぎりにしてお土産に持たせていただけるそうだ。ここまででお腹いっぱいになってしまっても安心できるサービス。筆者は完食している。
20品目 デザート3種の中から選択
筆者は自家製プリンを注文。上に振られた緑は柚子皮。風味付けにボクスンドガというお酒が加えられているらしく、それがふんわりと香る。食感は固めで、卵の味も濃く、〆にふさわしい甘味だった。
バニラアイスは季節のフルーツとして、シャインマスカットが添えられており、これまたワンカルビのものとは違う上品な味わい。濃厚なバニラと、はりっと皮の食感まで美味しいシャインマスカットがベストマッチ。
よもぎアイスは、生のベリーがあしらわれている。香ばしい抹茶のような風味、程よい渋みと果物の酸味が絶妙だそうだ。
食後の飲み物 薬膳茶 or コーヒー
コースメニューには載っていないが、食後の飲み物として、薬膳茶 or コーヒーが付いてくる。少しの甘みと、柚子のような香りと酸味、ハーブのような香りも。「高麗人参の感じもある」と妻談。クセがあるといえばあるので、人によってはコーヒーが無難ではあるが、珍しい味わい。
最後に
ABURIYA arataレポート、お楽しみいただけただろうか。一人7,500円という金額は、気軽にポンと出せるほど安くはない。が、今までにない、新しい焼肉の楽しみ方を提供してくれる場だと感じることができた。ご褒美や記念日、はたまた両家顔合わせのような場面でも利用できるのではないだろうか。フレンチのような雰囲気と言えど、堅苦しくはない。スタッフの方もにこやかで、ワンカルビで感じられるホスピタリティをここでも十分に感じられたのが嬉しかった。
7,500円の価値は十分すぎるほど感じられた。間違いなく満足できるコースだと断言できる。ここまで読んでいただいた方も是非、足を運んで、特別感のある焼肉をABURIYA arataで楽しんでみてほしい。
お得なお知らせ!
ここまで読んでいただいた方は、きっとABURIYA arataへの興味がぐっと湧いたことだろう。そこで、こちらにワン・ダイニング全店で使用できるクーポンをご用意してある。会計時にこのクーポンをレジにて提示、バーコードを読み込んでもらえれば、1会計につき1000円OFFで食事を楽しむことができるのだ。この機会に是非、足を運んでいただきたい。クーポンの有効期限は2024年10月15日(火)までだ。
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