朽ちるを楽しむ
幸手市にある「風ある林整骨院」です。これまで実際にあった症例と、施術/施術後の様子などを書いています。
今回は、” 経年の味わいを楽しむ ” というお話です。
先日、開業当初から来院されている患者さまが、少し久しぶりにやってこられて、
「先生、床がとてもいい感じになってきましたね! つやも出てきて味が出ている」と、ニコニコしながら仰るのです。
毎日見ている施術室の床。
そろそろ塗り直しした方が良いのかな…なんて思っていたところだったのですが、「このままがいいんじゃないかな」と患者さまに言われ、改めてよく見てみると、確かによい味わい。
開院から十数年経った今、床板の角が取れてツヤツヤ、見た目にもやわらかく感じられ、真新しいときとは違う温かみもあるのです。
長年、患者さまをお迎えしている施術室が、癒しの空間として育っていることを感じます。
この包まれるようなやさしさは、時間が経たないと感じられない特別なものだなと、幸せな気持ちになりました。
思えば開院のとき、鉄製の看板を2つ作ってくださった鍛鉄作家さんに
「1つは、さび止めをするけど、もう1つはそのままにして、朽ちていくのを楽しもう」と話したことを思い出しました。
どんなものでも、時間が経つことで朽ちていく。ずっと変わらないものなどなく、誰にも止めることはできません。
しかし、時間を経ないと分からないこと、見えてこないこと、少し未来に起きる変化を ” 時々メンテナンスしながら楽しみに待つ ” のも良いものだなと思っています。
人間の身体はどうでしょう。
年齢とともに、身体にも不調が出てくるものです。
身体から痛みなどのお知らせが表れたときには、適度にメンテナンスをして、無理せず自然に年齢を重ねる。これこそ、心身ともに長く健康を維持する秘訣なのかもしれませんね。
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