突然入院を宣告された日〜四日目編〜
入院生活四日目。
この日は朝から一大イベント
「血液検査」
が待っていた。
丸4日絶食中の僕にとって今一番欲しいのは酒よりもタバコよりも食事だ。
この血液検査の結果次第で食事開始かどうか決まる。
朝7時、祈るような思いで血液を取られた。
そして2時間後、主治医の先生が結果を伝えにきた。
「太田さーん、今日夜から食事いきましょうかー!」
「やっっっったたたたぁぁぁぁーーー!!!!!!」
僕は心の中で絶叫した。
やっとだ、やっと固形物を口に入れられる。
テレビで食べ物が映るたびにチャンネルを変えたり、相部屋の人が食事を始めるたびに外に出たりする生活ともあと少しでおさらばだ。
しかも食事が上手くいけば明日にも退院できるみたい。
僕はウキウキで夜を待った。
そして、18時。
僕の前に夕食が運ばれてきた。
それがこちら
「美味そぉぉぉぉーーー!!!!」
またしても心の中で絶叫した。
いや、入院前だったら
「やっぱ病院食って質素だな」
と思っていたかもしれない。
でも約100時間絶食した僕にとっては"高級和食懐石"にしか見えなかった。
まずはお粥を一口食べる。
めちゃくちゃ美味しい。
米の甘味をしっかり感じられる。
そして魚の照り焼きを一口。
美味過ぎる。
こんなにしっかりと食感、味のあるものを食べられる幸せ。
煮物も美味しい、お吸い物も、フルーツも、ヤクルトも、全部最高であっという間に完食した。
こんなに充実感のある食事は本当に久々だった。
やっぱり人間にとって"食べる"って事がどれだけ大切な事かを改めて実感できた絶食期間でした。
そして僕はおそらく明日退院になるだろう、遅くても明後日だ。
残りの入院生活もしっかり体を休ませて退院後の生活に弾みをつけていきたい。
〜fin〜