「マンション防災の新常識」#本02
インプットはアウトプットしてこそ身に着く。読んだ本で良かったと思うのものはちゃんと書き残しておこう
1.この本を読んだ理由
ありがたいことに、仕事でマンション防災にに関わることも増えています。何度か講座やレクチャーの機会もあり、基本的な考え方は理解しているつもりの一方で、これらをアップデートさせる意識は常に忘れずにいたいものです。
その意味で、コロナ禍を踏まえて私の考え方の新たな引出しになればと思い、手に取ってました。結果としては、読んでよかった。しっかり認識をアップデートさせることができ、今後に向けたアイディアもいくつかおもいつくことができました。
2.「マンション防災の新常識」の気になりポイント
気になった内容を列挙しておきます。
・マンション住民が身を守るための第1の選択肢は「在宅避難」です。
・防災マニュアルは、住民ひとり一人の心配事の回答が記載されいなければ
・マンション防災委員会が率先して自助の推進を行うことが必要
・災害後に立ち上がる災害対策本部に頼らない
・カセットコンロを使用したポリ袋調理法
・主食のローリングストック。米とパスタで。
・トイレ対策は消臭袋と小便の処理
・災害弱者ほど、自宅から離れないで対応できる準備をしておく
・災害対策本部は人を集めないでできる役割に徹する
・マンションでは大人数の炊き出しを行ってはいけない
・マンホールトイレも使用しない方がよい
・避難所運営のポイントは、避難して来る人を減らすこと
3.従来の考え方からのアップデート
これまで、「無いよりは、あったほうがいい」と勝手に思い込んでいたこと。使えるものは活用していこうというものが、逆に混乱を招いたり、備えを鈍らせることが多々あることがよくわかった。
また、実際に体験したわけではないのに、教えられるままに正しいと思い込んでいた自分の甘さを感じさせられる機会となった。
「ローリングストックで食糧を備蓄しておきましょう」ではなく、「〇人家族だと〇〇を〇〇グラム用意する」といった具体性があることで非常に伝わりやすくなること。トイレの消臭袋の大切さや、ポリ袋調理法など行うべき備えなど具体性もありがたいもので、今後の伝え方にも多々反映できると思う。
4.今後のマンション防災の伝え方
今後もマンション防災について、関わることは多くなると思う。伝えるべきメッセージとして、下記を意識しておこう。
①備えが必要となる状況を伝える。
備えるべき備蓄品や、様々な対策の取り方を伝えられることは多い。ただ、言われた備えをするだけでなく、各人に自発的に備えてもらうためには、災害時に想定される状況を理解してもらい、使用場面や必要理由も理解してもらうことがい必要となる。
②自助による個人の備えの大切さを特に伝える
助け合うこと、つながりがあることはもちろん大切。一方で繋がりや共助をちゃんと機能させるためには、自助の備えがまずは大切になる。共助に頼らない自助。災害弱者ほど、事前の自助対策を徹底する必要性を伝えていきたい。
③シンプルに。具体的に。
大切なことはたくさんある。一方で、本当に優先すべきことは、メッセージとしてシンプルに伝える努力を我々はしないといけない。災害でケガをしないこと、在宅避難をおくれること。この2つこそがベースにあるべき。
そしてこの本を参考に、備えるべき食糧も、トイレもできるだけシンプルに、具体的に伝える方法を考えていきたい。
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そんなヒントにたくさん出会えた、非常に素晴らしい本だった。気になりポイントには付箋が貼ってあり、今後もこと何度も見かえすことになるだろう。