ミモレ丈から黒タイツへ
暑さ寒さも彼岸まで。
その言葉を証明するかのように、週末の秋分の日を境に急に涼しい季節がやってきた。
昨夜は窓を開けて寝ていたのだけれど、夜中、冷たい風に起こされたくらいだ。
ようやく。ついに。やっと。待ちに待った。
そんな枕詞をつけたいくらい大好きで、待ち望んでいた季節がやってきた。
嬉しくなって、私はクローゼットの奥から、今シーズン初の黒タイツを引っ張り出した。
・・・
基本的に私の服は、膝より下のミモレ丈かロングのスカートが多い。
理由はただひとつ。
人様に見せるような脚ではないからだ。
シンプルに太い脚をお見せすることもそうだし、虫刺されの跡もたくさんあるので、会う人や会社の人はおろか、すれ違う人々にも申し訳がない。
しかし、黒タイツがあれば違う。
少々太い脚も誤魔化してくれる。
黒タイツさえあれば、少々短い膝上のスカートだって履けるのだ。
だから、冬物のスカートやワンピースは、少し丈が短いものもいくつかもっている。今日は黒タイツデビューの日なので、膝より上のスカートを履いて出勤した。
・・・
何かひとつでも、自分の味方になるものがあれば、気持ちが大きくなることがある。
それは、他人から見たら気休めの様かもしれない。
事実、黒タイツを履いても脚が細くなるわけではない。もちろん虫刺されの跡がなくなるわけでもなく、ただ見えていないだけじゃないか。
そういわれてしまえばそうなのだが、それでも私にとっては最大の味方であり、心を強くしてくれるものなのだ。
そして、自分には味方がいる。
そう思っただけでちょっと自信が出てきたり、なんだか頑張れそうな気がするのは、私だけではないはずだ。
黒タイツも、そのひとつなのです。
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