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教師目線のアメリカの高校(2):教員研修週間


夏休みが終わると、教職員は1週間の研修に入るのだが、今年もその時期が近づいてきた。あと二日で始まるこの研修期間中、私はTシャツにサンダルといったカジュアルな格好で、朝7時半に学校に向かうはず。

研修では、管理職からの話や新しい教職員の紹介、今年度の重点目標の共有が行われる。さらに、授業力向上のためのワークショップも用意されている。その合間には、新学年に向けた準備の時間も確保されている。この時間を使って、夏休みの間に終わらなかった準備を片付けようとする教師も多い。こうすることで、新学年が始まる直前の週末にわざわざ学校に出向く必要がなくなるからで、私もそれを狙っている。

教室は夏休み中に徹底的に清掃されるため、休みに入る前にはホワイトボードに貼ったポスターや、机に積んだ書類などをすべて片付ける必要がある。清掃スタッフが机や棚を廊下に出して、カーペットや壁をきれいにする。今朝、数ヶ月ぶりに教室に入ったのだが、ドアの前にはQRコードが貼られ、「足りない机やそのほかについては、このコードを使ってリクエストを出してください。スタッフ不足なのですぐには対応できない時もあるかと思いますが、ご理解願います。」とある。その横にはリストが貼られてあって、どういった清掃が行われたかが私たちにも分かるようになっている。今まではこんな張り紙は一切なかった。きっと学区の上から来た新しいことなんだろう。便利で、スタッフが仕事をしているのがわかるようになっているが、思わず「お疲れ様やなぁ、、、」と心の声が漏れる。

教室に戻ると、机に卓上カレンダーやペン立て、コンピュータースタンドなどを配置し、授業初日に向けた準備が進められる。数年前から、うちの学区では生徒に必要な学用品を無料で配るようになっていて、教師には鉛筆やバインダー、ノートなどの必要なアイテム、そして必要数を事前に事務局に知らせ、かつ生徒に渡す役割も加わった。それを事前に注文する事務の方も大変だと思う。

授業初日に必要なプリントも準備して、大机の上に並べておく。私は教科書を使わない派なので、かなりの量のプリントを作成し、生徒の人数分を揃える。今年の秋学期は日本語2年生のクラスを2つ、3年生のクラスを1つ担当する予定なので、それぞれのクラスに合わせたプリントを用意し、85分の授業スタイルでは生徒が飽きないよう、フラッシュカードやホワイトボードを使ったアクティビティの準備も進める。最近ではレッスンプランをGoogleクラスルームに書き出して、生徒や保護者が確認できるようにしているので、まずは1週目のレッスンプランをアップロードしなくては。

これらの準備にはかなりの時間がかかるが、その間にもワークショップや教科ごとのミーティング、そして新入生オリエンテーションが予定されている。新入生に校内を案内し、学校生活に必要な情報を伝える役割を今年は私も担うことになり、きっとその日には校内を大声で案内することになりそう。

また、レジストレーションというプロセスもある。新学期が始まる前に、生徒が学校に来てコンピュータを受け取り、学校のID写真を撮ったり、必要なアプリをダウンロードしたり、簡単な聴覚検査を受けたりするというもの。友人たちと久しぶりに会えた興奮で校内がティーンエイジャーの活気で満ち溢れる日でもある。

この研修期間中、生徒にはスケジュール変更の機会が与えられる。春学期に登録したクラスが入ったスケジュールを確認し、変更したい場合はカウンセラーに会いに行く。うちの高校では、85分の授業が毎日4コマ行われ、同じ時間割が1月中旬まで続く。スケジュール変更の理由はさまざまで、「あの先生がいいと聞いたから」「この先生は苦手だから」「このクラスに変更すれば彼女と同じクラスになれるから」「選択科目として取ったけど、もう興味がなくなった」など本当に色々。以前はカウンセラーに会うまで長蛇の列ができていたが、今は学校のSNSに上げたQRコードを使ってオンラインで登録し、順番が来る時間に合わせて学校に向かうという仕組みになっている。これで1時間以上待つことがなくなり、ずいぶんと効率的になったと思う。

ちなみに、私の息子も高校2年生になるのだが、彼も今朝そのスケジュール変更のために学校に行っていた。「ママのクラス、ちゃんと取ってね。まあ、嫌なら取らなくてもいいけど。」と一応言っておいたが、先ほど息子から「日本語2年生のクラス取ったよ。ケイラブとワンもいるよ」との返事が来て、母としてはうれしい限り。

あと二日で研修が始まる。

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