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【RPA+Python+QGIS+VBA】公共交通機関で一番早くたどり着ける都道府県庁所在地はどこ?(結果編)

はじめに

2019年7月にこんなTweetを見つけた。

上記では陸路による車での移動時間を調査していたが、今回は範囲を全国に広げ、すべての公共交通機関で一番早くたどり着ける都道府県庁所在地を調査してみることにした。
データ収集はRPA、データ処理はPython、地図の塗り分けはQGIS、図表や集計はVBAを利用し、これらの復習がてら調査してみることにした。
調査にかかった時間は1.5日、記事の執筆に1.5日ほどかかったので、この記事は概ね3日でできたことになる。

目次

今回はかなりの長編記事になるので、こちらから目的のページに飛んでほしい。



検索条件

検索条件は以下とした。

  • 2024年8月7日 9:00に各市区町村役場および政令指定都市の区役所を出発し、最短所要時間で公共交通機関でたどり着けた都道府県庁所在地を探す。

  • 公共交通機関は新幹線、飛行機など何を使ってもよい。

  • 試行回数を減らすため、原則として隣接する都道府県(北海道は振興局単位)で検索する。ただし、一部の地域は航空線があることを鑑み、遠方の都道府県を入れている。

  • 公共交通機関で同着の場合は、自動車で所要時間を比較し、より短時間でたどり着ける都道府県庁所在地とする。

  • 公共交通機関がない市区町村は、自動車での所要時間を比較する。

  • 北方領土など、通常の手段においてたどり着けない市区町村は除外する。

データの読み方

ここでは、最終的に導き出したデータに基づき、読み方を説明する。

1.奪った市区町村

「奪った市区町村」とは、その市区町村の所属する都道府県庁(北海道は振興局)所在地よりも、自県の都道府県庁に早くたどり着ける市町村を指し、「◯◯県 ◯◯市」のような形で示される。

2.奪われた市区町村

「奪われた市区町村」は奪った市区町村とは逆に、自県の市区町村が所属する都道府県庁(北海道は振興局)所在地よりも、他県の都道府県庁に早くたどり着ける市区町村を指し、「◯◯市(⇒◯◯県)」のような形で示される。

3.有効人口

「有効人口」とは、一番早く市区町村役場からたどり着ける都道府県(北海道は振興局)単位で、どれだけの人口がいるのかを示す。のちに説明する、「奪った市区町村」の人口が多いほど、有効人口は増える。「実人口との差」は、実際の都道府県の範囲の人口に対して、一番早くたどり着ける範囲の人口がどれくらいの差かを示し、+ならば増えたことに、-ならば減ったことになる。

4.有効面積

「有効面積」とは、一番早く市区町村役場からたどり着ける範囲の都道府県(北海道は振興局)単位で、どれだけの面積があるのかを示す。「奪った市区町村」の面積が多いほど、有効面積は増える。「実面積との差」は、実際の都道府県の範囲の面積に対して、一番早くたどり着ける範囲の面積がどれくらいの差かを示し、+ならば広がったことに、-ならば狭まったことになる。

5.有効人口密度

「有効人口密度」とは、一番早く市区町村役場からたどり着ける都道府県(北海道は振興局)単位で、どれだけの人口密度があるのかを示す。「奪った市区町村」の面積が小さくても、人口の多い都市を他の都道府県から奪うことができれば、「有効人口密度」は上がる。逆に「奪った市区町村」の面積が大きくても、人口過疎だった場合は「有効人口密度」は下がる。「実人口密度との差」は実際の都道府県の人口密度に対して、一番早くたどり着ける範囲の人口密度がどれくらいあるかを示す。

全国

全国を反映した全体像はこちら。

これではとても見にくい。特に関東圏は何が起こっているかわからないので、各県ごとの結果を次章より示す。

北海道

北海道は大きすぎるため、振興局単位での分析を行った。

101.上川総合振興局(旭川市)

上川総合振興局(旭川市)管内はオホーツク海寄りにだいぶ広がってしまった。おそらくJR特急の効果だろうか。案外名寄に出るパターンも多かった気がする。
音威子府村は宗谷総合振興局(稚内市)が近い結果となった。
占冠村は石狩振興局(札幌市)に、南富良野町は十勝総合振興局(帯広市)に奪われてしまったが、これも道東特急の効果。気動車で120km運転はダテじゃない。
「北の国から」で有名な富良野市は、空知総合振興局(岩見沢市)に奪われてしまったが、まあ直線距離では近いから妥当かも。

102.後志総合振興局(倶知安町)

ただでさえ人口も面積も少ない檜山振興局の今金町をなんとか奪うも、後志総合振興局管内の最大都市たる小樽市を奪われてしまう。そもそも所在地が倶知安町なので、そりゃ40分そこそこで行ける札幌のほうが近いよねと。
島牧村は公共交通機関のデータが取れなかったため、自動車ルートでは胆振総合振興局(室蘭市)が近いという結果に。

103.空知総合振興局(岩見沢市)

夕張市、長沼町、南幌町を石狩振興局(札幌市)に奪われてしまうが、そもそも夕張市は札幌直通の高速バスがあるので近いのと、南幌町に至っては市外局番が「011」で札幌と同じなので、むしろ妥当とも言える。
一方で、同じ「011」エリアの札幌のベッドタウンたる江別市、また比較的札幌に近い新篠津村を奪うことができたので、有効人口は増加している。その他、留萌振興局(留萌市)にいくつか奪われている。
上川総合振興局(旭川市)が幌加内町を奪っているが、もともとここは空知管内なので、返してもらった形になるのかな。

104.十勝総合振興局(帯広市)

十勝管内はあまり変化もなく、上川総合振興局(旭川市)の南富良野町のみ奪う結果に。南富良野町の最寄り駅は新得駅経由が一番早いので、そこからは帯広と札幌のバトルになってしまう。
ふるさと銀河線がいまも残っていたら、オホーツク管内からいくつか奪えたのかもしれない。

105.釧路総合振興局(釧路市)

なんと世界遺産の知床半島は、根室からではなく釧路から行くのが一番早かった…ってそりゃそうか。
面積は増えたものの、そもそもが人口希薄な地域なので、有効人口密度は下がる結果に。

106.檜山振興局(江差町)

ただでさえ管轄区域も狭く、渡島管内の八雲町で分断されてしまっている檜山振興局だが、せたな町を渡島総合振興局(函館市)に、今金町を後志総合振興局(倶知安町)に奪われることで、人口がなんと2万人台に。
もはや人口規模が1町村レベルなので、存在意義を疑われるレベル。
辛くも青函トンネルで知られる知内町を渡島総合振興局から奪えたこと、面積が狭くなったこともあり、有効人口密度は増加している。

107.胆振総合振興局(室蘭市)

長万部町を渡島総合振興局(函館市)から、寿都町を後志総合振興局(倶知安町)から奪うも、苫小牧市周辺をまるごと石狩振興局(札幌市)に奪われてしまう。民放の電波を手稲山から受けていたぐらいの近さだし、苫小牧市から札幌へ通勤してる人もそこそこいるので順当ではある。
一方、安平町は僅差で残留。時間帯によっては、札幌のほうが近いタイミングもあると思われる。

108.オホーツク総合振興局(網走市)

なんと、紋別市が神奈川県の飛び地になってしまった!!!!!
佐呂間町や雄武町が石狩振興局(札幌市)に奪われているが、この状況においてはそれすら霞む勢い。
正直、道東は網走市周辺以外は可能性があると思い、検索対象のデータに神奈川県や石狩振興局を仕込んでいたのだけど、まさか振興局所在地も道庁所在地も抑え、まさかの神奈川県が最短で到達できる結果に。
紋別空港の航空便強い。これがあり得るから今回の調査はなかなか面白い。

109.石狩振興局(札幌市)

最大都市の札幌を抱えるだけあって、ことごとく道内特急が通っているエリアを奪い尽くす結果に。
比較的人口の多い小樽市を後志総合振興局(倶知安町)から奪い、苫小牧市周辺どころか、日高振興局(浦河町)管内の日高町まで奪い尽くしている。
雄武町や佐呂間町をオホーツク総合振興局(網走市)から奪っているが、これは高速バスによるもの。積丹町も奪ったのは結構意外。
面積が広がったが、人口はそれほど増えていないので有効人口密度は下がる結果となった。

110.日高振興局(浦河町)

日高町を石狩振興局(札幌市)に奪われる以外は、それほど動きがなかった。やはり日勝峠の壁は高いよね、と。
面積が減ったが、それに比して人口は減っていないので、有効人口密度は上がる結果に。

111.宗谷総合振興局(稚内市)

比較的オホーツク海寄りの中頓別町や枝幸町が上川総合振興局(旭川市)に奪われる一方で、上川管内の音威子府村や中川町、留萌振興局(留萌市)の遠別町や天塩町を奪っている。音威子府は特急宗谷、遠別や天塩は稚内へのバス網のおかげで早着する結果となった。
もっとも、令制国上はこの辺が天塩国だったりするので、妥当っちゃ妥当かも。

112.留萌振興局(留萌市)

宗谷総合振興局(稚内市)に遠別町や天塩町を奪われる一方で、北竜町や秩父別町を奪っているものの、面積は減少している。その割には、人口が1400人程度しか減っていないので、有効人口密度は上がる結果となっている。

113.渡島総合振興局(函館市)

長万部町が胆振総合振興局(室蘭市)に、知内町が檜山振興局(江差町)に奪われる中、なんと木古内町が青森県に奪われてしまった。
北海道新幹線の効果で、函館に行くより青森が近いという逆転現象が起こった模様。ちなみに、全道で札幌市をめがけた場合は八雲町と長万部町が北海道と青森県の境界になる。
一方で、マグロで知られる大間町を青森県から奪う結果に。ここはむしろ100分で津軽海峡両岸を結ぶ大函丸があるので、青森市に行くにも函館経由。いつかの道新に「函館市大間町」と書かれるレベルなので、順当ではある。

114.根室振興局(根室市)

浜中町を釧路総合振興局(釧路市)から奪う一方で、羅臼町や標津町といった知床半島をことごとく奪われてしまう。これは根室市のアクセスが極端に悪いのが原因で、むしろ釧路に出てから根室に向かう動きをしているのでこのような結果となった。世界遺産ごと奪われてしまうとは、なんとも悲しい。。。

東北

2.青森県

大間町は函館が近いので渡島総合振興局に、深浦町は一時期旧岩崎村が越県合併を検討していたぐらいに秋田県に近いので奪われることは予想していたけど、岩手の魔の手がまさか三沢にまで伸びてくるとはw
県東部は南部藩領ということもあり、習俗も青森よりは盛岡のほうが近いのは確かなのだけど、三戸郡のほとんどと、おいらせ町までもが岩手県に奪われてしまった。確かに八戸からと考えても青森と盛岡は所要時間にさほど差がないのも事実。
その一方で、秋田県からは大館市、小坂町、藤里町を、岩手県からは三陸沿岸の野田村、普代村、田野畑村を奪うものの、所要時間では僅差であった。
岩手県が青森県の主要都市を奪ってしまったがために人口は30万人近く減少、面積は増えたものの有効人口密度は下がってしまう結果に。

3.岩手県

新幹線のハブとなる盛岡駅があるだけあって、やはり公共交通機関での到達圏はかなり広い。大船渡市を除いて奪われる市区町村はない一方、青森県からは八戸周辺の市町村をがっつり奪い、宮城県から気仙沼市をも奪ってしまった。もう少し岩手県南部が宮城県に食われると思っていただけに結構以外な結果に。
秋田県からは仙北市、鹿角市を奪っているが、前者は秋田新幹線、後者は東北自動車道の高速バスによるもの。弘前市あたりからも盛岡駅行きの高速バスでアクセスする需要があるのを考えると、このへんは割と妥当。そもそも鹿角市は陸中国だった歴史もあるしで。
人口は約160万人と、実際の熊本県や鹿児島県と並ぶ経済規模に。
そもそも岩手めんこいテレビのエリアマップの人口が約170万人としているので、実はそれなりの求心力を持っている。

4.宮城県

東北最大規模の仙台市を抱える宮城県。大船渡市を岩手県から奪う一方で、気仙沼市を奪われてしまう。県南部に目をやると、白石市や七ヶ宿町が奪われているが、そこはやっぱり仙台。福島県浜通りの常磐線沿線の新地町や相馬市、福島第一原発のある大熊町や双葉町などを回収している。
山形県の庄内地方にも一部飛び地があるのがポイント。そして新たに栃木県、茨城県、新潟県とも県境を接するという結果にw
面積は増えたものの、例によってそれほど人口がないので、有効人口密度はかえって下がってしまう結果となった。

5.秋田県

十和田湖は青森のもの!と言わんばかりに大館市や小坂町、藤里町を奪われている一方、深浦町を奪い返している健闘ぶり。
そして山形県の庄内地方の主要都市である酒田市、鶴岡市を奪うことで有効人口は増える結果に。新潟県とも新たに県境を接する驚きの海岸線の長さとなった。有効面積は全体として減ったが、有効人口が増えたので有効人口密度は上がっている。

6.山形県

悲しいかな、海なし県になってしまった(´・ω・`)
奪った市区町村がない一方で、酒田市や鶴岡市は秋田県へ、米沢市や南陽市は福島県へと主要都市ばかり奪われる結果に。
山形市が内陸にあり仙台市とは隣接関係にあるがゆえに起こってしまう悲劇。人口も約40万人、面積も3500km2ほど奪われてしまうという、食い尽くされるだけ食い尽くされてしまう結果となった。

7.福島県

常磐線沿線を宮城県に奪われる一方で、茨城県に近いいわき市は残留となんとか健闘。Jヴィレッジのある広野町は茨城県に奪われてしまった。
飛び地的に田村市や白河市が奪われてしまっているのは、東北新幹線、逆に米沢市や南陽市を山形県から奪っているのは山形新幹線の効果。
そして南会津町は栃木県に奪われているが、これは東武線に直通する野岩鉄道、新潟県に奪われてしまった只見町や檜枝岐村などは、只見線の効果。
逆に栃木県から那須町を奪っているのは新白河駅の効果。
高速鉄道網があると、こんなことも起こるので面白い。

関東+新潟

都道府県コードの順番的にこうせざるを得なかった。甲信が入らず新潟が入るのはなんか違和感あるけど。

8.茨城県

宇都宮線の通る古河市だけでなく、つくば市近郊や取手市、牛久市といった東京近郊部、そして神栖市までもが埼玉県にことごとく奪われたあげく、行方市や鹿嶋市といった県南部を予想通り千葉に奪われているので、有効人口はほぼ半減してしまった。
その一方で奪えたのが福島県広野町のみなので、全ての指標において下がる結果に。カワイソス茨城。。。

9.栃木県

「♫〽夏がくれば思い出す~はるかな尾瀬~」は今日から栃木県の持ち物になりました。一方で茨城県西部の都市も奪いつつ、群馬県は板倉町を掠めている。
奪われたのは足利市と那須町だけと、わりと健闘している。
福島県からは尾瀬だけではなく、飛び地的に奪われているのは東北新幹線の効果。人口も面積も増えたけど、有効人口密度は減ってしまった。

10.群馬県

県南東部の工業地帯の館林市周辺を埼玉県に奪われる一方、高崎線の強いパワーで本庄市や深谷市、果ては東武東上線の終点の寄居町まで奪い返してしまった。一方で北に目をやると、さらに速い上越新幹線のパワーで新潟県の中越地方をことごとく侵食。魚沼産コシヒカリはなんと群馬県産になってしまった。

11.埼玉県

㊗️埼玉県に海ができた!!!!!!!!!!
もう海なし県だなんて言わせない!!!無理やり水上公園を作る必要もない!!!!!
神栖市を奪ってしまったことで、なんと埼玉県に海ができる結果に。
以前あった「埼玉県沖」で警報もこれなら出せるね。
そして奪った市区町村もダントツ。千葉県からは柏や松戸といった常磐線沿線を奪い、東京都からは北区、足立区、荒川区だけではなく、なんと台東区まで奪ってしまう結果に。
赤羽や北千住はまだしも、上野や浅草、秋葉原の半分はサイタマというこの衝撃たるや。
有効人口は怒涛の1100万人超えで全国2位に躍り出る。更に人口密度も急上昇。大都会サイタマしゅごい。

12.千葉県

柏市や松戸市、我孫子市、野田市といった常磐線近郊の主要都市を奪われる一方、予想通り茨城県南部を少し奪っている千葉県だが、なんと東京都から江戸川区まで奪ってしまった!!!!やっぱり西葛西より向こうは千葉という感覚は合っていたのか。
そしてオリエンタルラ◯ドの力が働いたのか、浦安市は東京都に。やはりネズミは強いのかうわなにをするやめ(ry

13.東京都

さきほど埼玉県の項で述べた通り、北区、足立区、荒川区に加え、なんと台東区も奪われてしまった。世が世なら、銀座線や日比谷線の上野から先は埼玉高◯鉄道になっていたのかもしれない。
「♫上野発の夜行列車~」がサイタマ出発になってしまう。
そして東からは千葉県が江戸川区を、南からは神奈川県が大田区を奪い取ってしまい、東京17区になってしまう。人口最多の区だけあってその痛手は大きく、有効人口は驚きの約140万人減。
一方、飯能市周辺や秩父市周辺はレッドアローのおかげで埼玉県より奪い返し、神奈川県からは川崎市北部に加え、相模原市の大半も奪ってしまう。
いつも神奈川といわれがちな町田が残ったのが非常に意外。
面積が1/3も増えたことで有効人口密度は激減。まあほぼ山だし。

14.神奈川県

東京都から大田区を奪い取ってしまったことで手に入れたのが羽田空港。
なんと北海道のオホーツク総合振興局から紋別市を奪い、直行便のある八丈町と、八丈島経由の青ヶ島村と、とんでもなく遠い飛び地が出来上がってしまった。御殿場線経由で静岡県からは小山町、踊り子効果で下田市を奪ったものの、箱根周辺はことごとく静岡に奪われてしまった。
「箱根は実質静岡」って案外合っているのかも。
川崎市北部や相模原市の大半を奪われるも、大田区を奪ったことでなんとか有効人口は微減に。有効人口密度は約700人/km2ほど減ってしまった。

15.新潟県

東西、そして南の各県から魔の手が伸びている。
上越新幹線効果で中越地方の半分近くを奪われ、上越地方に目をやれば長野県が侵食、さらには富山県までもが糸魚川市周辺を奪っている。
湯沢町どころか十日町市まで奪ってしまったがために、「ほくほく線」で知られる北越急行は群馬と長野を結ぶ、ひとつも「越」を通らない路線になってしまった。
正直この規模感であれば、東北に入れてしまえばすっきりするのかもしれない。

北陸

率直に言えば、結構拡大したなという印象。

16.富山県

石川県から県西部の南砺市や砺波市を奪われる一方で、新潟県からは糸魚川市や小谷村を、岐阜県からは市で最大面積を誇る高山市、飛騨市、白川村を奪ってしまったことでなんと面積が倍に拡大してしまった。
とはいえそこは山ばかり、有効人口は5万人程度しか増えず、有効人口密度もほぼ半減という結果に。

17.石川県

※能登半島の一部は公共交通機関でのルートが取れなかったため、自動車ルートでの検証とした。
地震の影響か、能登半島北部は公共交通機関でのルートが取れなかったものの、僅差で死守する形に。富山県からは南砺市や砺波市を奪う一方で、福井県からは北陸新幹線の開業効果か、小松市や加賀市を奪われてしまった。
有効人口密度は微減。

18.福井県

北陸新幹線の開業効果もあってか、全県にわたって奪われた市町村はなしという結果に。サンダーバードがあった頃だと、少しは変わったのかもしれない。
一方で、石川県からは小松市や加賀市を奪っている。ということは小松空港を福井県が奪ってしまった。北陸唯一の空港なし県の座は、石川県になってしまったものの、新幹線があるから正直そこまで困らなさそう。

甲信

勢力図がだいぶ変わってしまった。。東海の猛攻がなかなかにすごい。

19.山梨県

スーパーあずさの効果か、長野県南部をことごとく食い尽くしてしまい、長野県第二の都市たる松本市まで山梨県の軍門に下ってしまう。
中央本線沿線を手に入れた結果、愛知県と富山県とも県境ができてしまった。
正直伊那市まで近いというのは意外すぎて驚いた。
面積と人口はほぼ倍になったものの、そこはやっぱり山間部なので有効人口密度は微減。それでも松本市を手に入れたのは大きい。

20.長野県

南から愛知県・山梨県の猛攻撃を受け、中信地方で長野県第二の都市たる松本市まで奪われてしまったいま、長野県は北に活路を見いだすほかなかった…。
㊗️長野県に海ができた!!!!!!!!!
まあ正直、北陸新幹線の開業で上越市が近くなった結果、在来線しかない新潟県はライバルから外れるので富山県との取り合いになるんだけど、長野市が北に偏った位置にある分、有利ではあるんだよね。
有効人口は1/3減り、有効面積が半分になった結果、有効人口密度は上がる形に。

東海

三重県を入れるかは賛否両論ありますよね。

21.岐阜県

飛騨市、高山市、白川村を富山県に奪われ、南からは中央本線沿線や下呂市を軒並み愛知県に奪われるものの、人口が比較的多い稲沢市や一宮市を愛知県から奪い返したことで人口は微減、面積は半分以上減ったものの、有効人口密度が爆増している。関市のせいで巨大飛び地が出来上がってしまったのもポイント。

22.静岡県

※ベクタデータが浜松市区再編前のものしかなかったため、人口や面積は再編後、マップ上は区再編前になっている。
伊豆の一部は神奈川県に奪われてしまったものの、東京都からは伊豆大島を、長野県からは飯田市周辺を、そして愛知県からは豊橋市どころか、知多半島をまるまる奪ってしまう怒涛の勢い。
有効面積も拡大した上に、愛知県東部の人口密集地帯を手に入れたことで人口も約60万人増えたことで有効人口密度も上がる結果に。

23.愛知県

長野県と岐阜県からは中央西線沿線の大半を奪った結果、有効面積はほぼ倍となった。
一方で人口密集地の稲沢市や一宮市を岐阜県に、豊橋市周辺を静岡県に奪われるも、三重県から桑名市周辺を奪った結果、有効人口は微減となったものの、有効人口密度はほぼ半減する結果に。あと一歩で豊田市まで迫る勢いであやうく世界のトヨタが静岡県に奪われるところだった。ここが奪われてしまったら、もう味噌しかなくなっちゃう。

24.三重県

北部の桑名市を奪われる一方、西部の名張市周辺は健闘。近鉄にストローされるかと思いきや、意外にしぶとく残っている。
一方、南に目をやると奈良県の下北山村、和歌山県新宮市、そして飛び地で知られる北山村は三重県が奪った。
しかしお約束の山岳地帯。桑名市周辺の人口を取り返すことができず、有効人口・有効人口密度ともに減る結果に。

近畿

なんと衝撃の結果が。

25.滋賀県

なんと京都市山科区、南区、長岡京市とその周辺を奪ってしまった。
これが起こる理由はただ一つ。京都市と大津市が隣り合っているがゆえに起こる出来事ではあるが、仙台市と山形市のようにならないのは、公共交通が仙山線とバスしかない、ではないからだと思う。
一方で米原市は隣り合う岐阜を抑え、遠く離れた京都府に奪われてしまった。そりゃそうか、米原駅の次は京都駅だもの。
米原市を奪われた穴は埋まらなかったが、よりによって京都市内の行政区を奪ってしまったがために有効人口・有効人口密度は増加する結果となった。

26.京都府

東西南の3方向から攻め込まれ放題の京都府。
なんと前代未聞、府庁所在地の京都市内の山科区、南区を隣の滋賀県に奪われてしまう。山奥とか御所が近いとかで争ってる場合じゃない。
よりによって府庁所在地を奪われてしまうとはなんたる不覚。危機感持ったほうがいい。
南からは奈良県が侵食してくるが、これも奈良市の隣が木津川市という位置関係によるもの。植民地的に滋賀県から米原市を奪うも、その穴は埋まらず有効人口が80万人ほど減ってしまう結果に。

27.大阪府

日本の人口ランキング3位を誇る大阪府も大都会サイタマの台頭で、有効人口は4位に陥落してしまうもその地位は健在。
近鉄パワーで奈良県を、南海パワーで和歌山県の高野山あたりを手中に収め、兵庫県の加東市や奈良県の宇陀市を植民地として奪った。
一方で南海パワーは大阪府に取っては裏目にも出ていて、なんと岸和田市や泉佐野市一帯が和歌山県に奪われてしまった。つまり、だんじりと関西国際空港は和歌山県の持ち物になってしまった。
この痛手はなかなか大きく、有効人口密度が下がってしまう結果となってしまった。

28.兵庫県

四方から攻め込まれ放題の兵庫県。
尼崎市や西宮市といった大阪近郊の侵食は食い止めるものの、北部はほとんど鳥取県に奪われ放題。そしてスーパーはくと効果もあってか、姫路の手前の上郡町まで取られてしまう。西からは岡山県からの猛攻に遭い赤穂市や相生市を奪われ、南からは南あわじ市を徳島県に奪われるものの、北部の人口希薄地帯を鳥取県が引き取ってくれたことで有効人口密度はかなり上がっている結果となった。

29.奈良県

御所市や大和高田市や宇陀市といった近鉄沿線を大阪府に奪われるものの、京都府南部を奪うことで有効人口はむしろ増える結果に。
下北山村を三重県に奪われた結果、有効面積は純減したものの、有効人口が純増したため、有効人口密度は大きくなった。

30.和歌山県

大阪府南部を奪ってしまった結果、関西国際空港とだんじりを手中に収めた。一方で、飛び地で知られる北山村や新宮市は三重県に奪われたものの、面積は大きいが人口が希薄なために、全体としての有効人口は約40万人増え、有効人口密度も+100人/km2と大幅に増える結果となった。

中国

ちょっとだけ拡大。

31.鳥取県

「兵庫県北部はほぼ鳥取」と誰かが言っていたが、その言葉通り、兵庫県北部は軒並み鳥取県が奪っている。
また、岡山県北東部や智津急行沿線の兵庫県北西部にもその手を伸ばし手中に収めている一方で、やはり島根県に第二の都市米子市を奪われた痛手は大きく、全体としては有効人口が減る結果に。有効面積が増えてしまったので、有効人口密度は下がってしまった。

32.島根県

鳥取県から米子市や境港市を奪ったおかげで、有効人口は約20万人増えて約27万人となった。この規模感は実際の山梨県や佐賀県とほぼ同規模。
たしかに米子市にある山陰放送はもともと「島根県」のテレビ局として振る舞っていたし、自動車でも1時間程度の道のりなので、むしろ妥当といえば妥当。
県西部に目をやると山口線特急にストローされている津和野町、また中国道高速バスの効果で吉賀町などが広島県に奪われているのが見て取れる。

33.岡山県

東部では兵庫県から赤穂市と相生市を、西部では広島県から福山市と府中市と、広島県の中でも比較的大きな都市を奪えたおかげで有効人口は約55万人増やす結果と躍進。
一方で、智頭急行の効果で北東部を鳥取県に奪われてはいるものの、影響はかなり限定的。テレビせとうちのエリアも拡大できる??

34.広島県

東部では福山市や府中市を奪われる一方、西部に目をやると山口県から岩国市をことごとく奪い尽くしている。
山口市に隣接する周南市や、さらには飛び地的に美祢市まで広島県の版下となる結果となった。有効面積は3000km2ほど増えるも、人口は約8000人しか増えていないので、有効人口密度は下がる結果に。

35.山口県

ことごとく広島県に奪いつくされた形に。
県東部の岩国市周辺はまだしも、県庁所在地の山口市に隣接する周南市や美祢市までもが広島県に奪われてしまった。さらに、西からは福岡県が下関市を奪っているのでもはやボロボロ。
島根県から津和野町を山口線でストローするも、有効人口も有効面積も半減と散々な結果に。有効人口ランキングではなんとブービー賞まで陥落してしまった。

四国


36.徳島県

土讃線の影響か、阿波池田駅のある三好市は香川県に奪われてしまったものの、香川県からは東かがわ市を、兵庫県からは南あわじ市を、高知県からは東洋町と、そしてなんと高知市に隣接する土佐町まで植民地として奪ってしまった。
土佐町に関しては四国の水がめたり早明浦ダムを抱える立地なだけあり、四国4県のどこに行くにもほぼ僅差の所要時間だった。
有効面積と有効人口は増えたものの、お約束の山間部ということもあり有効人口密度は減ってしまう結果となった。

37.香川県

東かがわ市を徳島県に奪われるも、阿波池田駅を抱える三好市を奪い返し、愛媛県からは四国中央市を奪った。
そもそも「四国中央市」の名前は、四国4県のどの県庁所在地へもほぼ同時間でアクセスできる立地から由来するとあって、隣接する土佐町同様に僅差での闘いとなった。
有効面積は約3000km2とほぼ1/3増やし、面積都道府県最下位の座は脱したものの、有効人口はそれほど増えず、有効人口密度は小さくなる結果となった。

38.愛媛県

他の県から奪えなかった一方、北からは広島県が上島町を、東からは香川県が四国中央市を、南からは高知県が愛南町を、と見事に県の端っこを他県に奪われてしまう形となった。
上島町はもともと広島県の尾道とつながりが深いこと、愛南町に至っては高知県宿毛市と学校組合を作って両県の児童生徒が通学するという立地条件だというから、生活圏的にも妥当なのかもしれない。
有効面積、有効人口ともに純減なるも、奪われた有効人口が比較的少なかったためか有効人口密度は大きくなる結果に。

39.高知県

県西部の宿毛市にほど近い愛媛県愛南町を奪うも、県東部の東洋町を徳島県に奪われてしまったのでほぼトントンとなるも、四国の水がめたる早明浦ダムを抱える土佐町が徳島県に奪われてしまう。
有効面積は微減となるも、有効人口は純増。有効人口密度は大きくなる結果となった。

九州・沖縄

こちらもかなりの混戦模様。

40.福岡県

奪い奪われがかなり激しい結果となった。
北九州市と生活圏がほぼ一体の山口県下関市を奪ったほか、目を西に向けると、福岡市営地下鉄と直通する筑肥線のパワーか、佐賀県唐津市を奪っている。一方、南西部では九州道と新幹線のパワーで佐賀県みやき町や熊本県玉名市と奪うも、大牟田市や柳川市は佐賀県に、八女市は熊本県に奪われる形と拮抗している。南東部に目をやると、北九州市目前まで大分県の猛攻に遭い奪われているが、もともとこのエリアは豊前国なので妥当なのかもしれない。
そして高速船でほど近い長崎県の離島シリーズの壱岐・対馬は、対馬市は福岡県が奪えたものの、壱岐市は奪えず終わった。
有効面積は1400km2ほど増やしたものの、有効人口は微増だったために、有効人口密度は下がる結果となった。

41.佐賀県

唐津市や鳥栖市といった県東部を福岡県に奪われる一方、佐世保市や松浦市といった長崎県北西部は佐賀県が奪う形となった。
一方で、西九州新幹線のパワーか、武雄市や嬉野市を長崎県に奪われ、結果、エリアが分断されてしまった。
人口がそこそこいる地域を奪えた結果、全指標で純増と躍進した。

42.長崎県

佐世保市や松浦市といった県北西部を佐賀県に奪われるも、平戸市は残留。
そして離島は、対馬市は福岡県に奪われてしまったものの、壱岐市はなんとか長崎県に残留。直線距離や陸路では間違いなく福岡県のほうが近いのだが、壱岐空港から長崎空港までの直行便という文字どおりの飛び道具を使うことで、僅差ではあるものの長崎県庁へ早着できる結果となった。
西九州新幹線のパワーか、佐賀県から嬉野市や武雄市を奪い、さらには長崎市への航路がある熊本県苓北町を手中に収めた。
主要都市を奪われてしまったために、有効人口・有効面積ともに減らしたが、有効人口密度は大きくなった。

43.熊本県

北部の九州自動車道、九州新幹線沿いを福岡県に奪われてしまったものの、八女市や広川町を奪い返している。
また、宮崎県からはえびの市のほか、山間部の五ヶ瀬町や椎葉村を奪っている。この山間部の2町村は公共交通機関でのデータが取れなかったため、自動車ルートでの比較とした。また、天草諸島では苓北町が長崎県に奪われているが、これは長崎港とを結ぶ航路で直結しているがため。
南部では鹿児島県から伊佐市や長島町を奪っている。
有効面積と有効人口ともに増えたものの、山間部の人口希薄地帯を奪ってしまったため有効人口密度は下がる結果となった。

44.大分県

ほぼ北九州市に迫る勢いで福岡県の南東部を侵食し、豊前市周辺を奪っている。このあたりは旧豊前国なので、大分県との生活圏の結びつきも強いのだろうか。一方、内陸に目をやると、日田市が福岡県に奪われてしまっている。たしかに、県都の大分市よりも博多や天神なんかにアクセスするほうが所要時間も短く本数もあり、便利と合っては勝ち目がなさそう。
有効面積は減ってしまったが、有効人口が増えたために有効人口密度は上がる結果となった。

45.宮崎県

※この記事を執筆している2024/8/8に地震発生。お見舞い申し上げます。
熊本県にえびの市や山間部の五ヶ瀬町や椎葉村を奪われたものの、鹿児島県からは志布志市志布志町志布志で知られる志布志市や、曽於市を奪っている。やはりかつての令制国が分かれているだけあって、鹿児島市よりも宮崎市のほうが近いという現象が起こってしまった。
有効面積は減ったものの、志布志市や曽於市を奪ったことで人口は微増、山間部を熊本県が引き取ってくれたがために、有効人口密度は上がる結果となった。

46.鹿児島県

奪えた市町村がない一方、北部では伊佐市や長島町を熊本県に、東部では志布志市や曽於市を奪われた。そして離島に目をやると、奄美諸島の喜界島以南は概ね沖縄県に奪われてしまっている。かつての琉球王国が奄美諸島も版図に入れていたところを見ると、やはり沖縄県とのつながりも深かったのであろうことが見える。

47.沖縄県

実は沖縄県も、離島ということもあり神奈川県を検索対象のデータに含めていたが、結果として那覇よりも早くアクセスできる手段はなく、奪われた市区町村は1つもなかった一方、喜界島以南の奄美諸島を鹿児島県から奪う結果となった。有効人口・有効面積ともに増えたものの、有効人口密度は下がる結果となった。

総評

公共交通という、ある種行政が介入できる分野であったとしても、かなりの部分で実態がかけ離れていることがよくわかった。
これも数年後、同じ調査を行った際には交通網の変化で範囲が変わりうることを考えると、2024年8月時点のデータとして、有意義なデータが取れたと思う。

さいごに

ここまで読んでいただきありがとうございます。
続きはなにもありませんが、ジュース1本でも奢っていただけると助かります。

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