不機嫌で人をコントロールしようとする夫は簡単に私の不機嫌にコントロールされてしまった。
私は不機嫌で人をコントロールしようとする人間が大嫌いだ。
「察して、そして気を遣って」とばかりにぶすっとして真意は決して口にしない。
おおげさにため息をついたり、物を乱暴に扱って態度で気持ちを表現する。
空気も悪くなり、迷惑甚だしい。
夫は結婚後そういう迷惑行為をやたらととる頻度が上がったので、積極的にやめてくれるよう伝えて、随分ましになった。
詳しいアプローチ方法はこの記事にまとめてある。
うちは実際に、『寝起き一発出オチ不機嫌』『出先でご機嫌ナナメお出かけ台無し不機嫌』などは激減して随分息がしやすくなった。
なので、配偶者や親類など近しい人間にそういう甘えた迷惑人間がいる場合は是非試してみてほしいなと思う。
ちなみに、そういう人間は結婚前は不機嫌を常用しない。
わざわざそんな不機嫌太郎と結婚する奴はいないことはわかっているからだ。
それでもたまにはやはりナチュラルに不機嫌をカマしてくるのはもうそういう性質なんだろうとは思う。
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ここ数ヶ月、コロナの影響で夫の仕事は激減した。
減った、どころか実質ほぼ無職である。
生活費を稼ぐ役割は一挙に私の肩へとのしかかった。
自粛期間、保育園がやっていない頃は子供達の保育を仕事がない夫が担当、おかげで私は通常通り仕事が出来たのでいい塩梅だった。
しかし、保育園が再開してからは目も当てられない惨状となった。
もともと、九州のど田舎の男尊女卑文化が特に激しい地域で育ち、私より10歳年上の夫は本来「夫が稼いで偉そうにして、妻がへこへこして旦那様の機嫌をとって家庭を守る」という家族イメージがある。
それが現状「妻大黒柱、夫ニート」状態で薄っぺらっぺらな漢のプライドがズタボロで、夫の精神衛生は芳しくない状況となった。
しかし、夫はサボる言い訳だけ自分のなかで都合よく生成し、仕事を探すことも営業に出ることも、自宅で出来る仕事を考えて始めることもしなかった。
私が手助けを申し出ても「自分のやり方があるから」と断った。
私は夫の意思を尊重し、仕事に関しては口を出さないようにした。
しかし、夫のやり方とは昼寝してどうぶつの森をして保育園の送り迎えでドヤ顔をして妻に食わせてもらうことらしい、と気づいたのはつい最近のことだ。
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夫の頭の中にはまず自分が家事育児を主体となって行うという発想がない。
そのため、私が通常通り仕事、家事、育児を担っている間も、自分も通常通りの家事、育児をゆるゆると担当していた。
夫の通常通りの家事というのは
・気が向いたらめっちゃ隅々まで完璧にやる
・やる気がない時はサボる
・サボりすぎを叱られたら逆ギレとため息をつきながら荒っぽくやる
というびっくり中学生のお手伝いレベルの意識である。
それでも一応自分で動いて家事をこなすようにまで進化はしてはいた。
結婚当初の酷過ぎた過去と比較すると雲泥の差なのでまぁヨシとしていた。
しかし、今夫の日常はほぼ昼寝が占めている。
私が仕事のない夫の分も稼がねばと奮起してプレッシャーとストレスに耐えながらなんとか外貨を得てきているなんて考えもしていない。
昼寝、どうぶつの森、ネットサーフィン、動画。
保育園の送り迎えだけで大仕事をやり終えたかのように大きな伸びとため息。
話しかけると無愛想に、仕事の話題を避ける。
保育園から子供たちが帰ってきたら、YouTubeを見せて自分はどうぶつの森かネットサーフィン。
ヘロッヘロの脳味噌の私が仕事を切り上げて晩ご飯を作る。
「疲れてるならピザでもいいよ」
「僕はお弁当でもいいよ」
ちゃうねん!その楽するための金は私が必死で稼いでるねん!!!
人の利益にのっかるな!寝てる時間があったらお前が飯を作れ!
政府の陰謀よりもクックパッドを検索しろ!
お前仕事してへんねんから1人時間毎日8時間以上あるやないか!!!
子供がいる時間は子供の相手をしろ!
と、ある日友達に盛大に愚痴って「私なら無理、離婚しないの?」と言われて、別に自分の懐が広いわけでも、夫を『いるだけでいい、養いたいほど愛おしい』と思ってるわけでもないことに気がついた。
自分でパートナーに選んだ夫に対してただの悪口を言うのが嫌で、解決を目的とせず文句や愚痴を垂れ流すことは人間として好ましく思えない。
そうやって抑え込んでいた感情を友達のおかげで言葉にできて、解決策も何もなくてもただの気持ちをそのままの姿でやっと自覚ができた瞬間だった。
例え仕事がなかったとしても、感謝の気持ちで積極的に家事を引き受けて子供を楽しませてくれていたり、趣味に取り組んで充実したモラトリアムを過ごしているなら私はきっと平気だ。
しかし、不機嫌な万年寝太郎に対する気持ちはカッスカスである。
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一日中昼寝してゴロッゴロしている夫。
この5年間私はもう真摯にひたすら真摯に夫と対話を試み、そのたびに夫は少しずつ変わってきた。
しかし、現状の夫は老後のため運動不足解消のために時間を作って室内で運動する私を鼻で笑い、また昼寝する40過ぎの腹の出た無職のおっさんでしかない。
そんなおっさんに関係改善のために時間をとって丁寧に
「あのね、話があるんだけど…」
と、これまでのように真剣に相手をする気が、スザーーーーーーッと消え失せてしまった。
なのでもう最悪の態度を取りまくった。
直接言わずに聞こえるように、すれ違いざまに、
「飯の用意くらい昼間寝てるだけのお前がやれやクソが」「人が仕事しとる横でゴロッゴロゴロゴロしくさりやがって」「寝てるだけのヤツが何疲れたアピールしてんねんクソが」「また子供に動画見せてんのか!昼間なんぼでも自分のことやれる癖に子供をなんやと思ってんねんダボ」「はーーーびっくりやわまだ洗濯物たたんでへんの!昼間寝る時間アホみたいにある癖にマジでクズやん」「なんで私が寝てるだけの元気なオッサン養ってやらなあかんねんまじクソ」「寝てるだけでなんでそんな大層なことやりきったみたいな顔して不機嫌やねんこっちのが疲れとるわボケが」「1日寝とった奴がなんで食卓に座って配膳待っとるんや頭おかしいんちゃうか座るな動け皿出せ箸並べぇ考えて準備せえアホンダラ」
アンナチュラルの中堂さんばりに「クソが!」と直接ではなく聞こえるように吐きまくった
元々性格も口もかなり悪い私がモラルと理性で抑えていた心の声をだだ漏れにしているだけなので呟く言葉は躊躇なく出てくる。
対話をしようという気は失われている。
解決の見通しも一切ないただ気持ちをぶつけているだけの、私が大嫌いな一方的で歪んだ態度を連発しまくった。
すると、なんということでしょう!
保育園から帰宅して夫と風呂に入った子供はきちんとパジャマを着せてもらい(これまで下の3歳児には声かけだけで夫はサポートせず裸のままだったので、私が出動せざるをえなかった)
荒れ果てたリビングがみるみる綺麗になり、
優しく丁寧な口調で朗らかに家族に笑顔を向け、
山になった洗濯物が畳まれ、
翌日は朝食を用意してくれ、
休日も仕事をする私のために子供たちを外へ連れ出してくれました!
(自粛期間が長くなるにつれて子供は1日YouTube、自分はネットサーフィンの休日が主になっていた。)
さらに、家族全員のための昼食を準備し、娘を昼寝までさせてくれたのです!
(自粛期間どんどんズボラに、自分だけラーメン食って子供らの昼食を用意しなくなっていたので仕事切り上げて私が昼飯を用意していた。)
その様子を見て、私はニッコリと「昨日はゴメンネ」と夫に罵倒と態度を詫びた。
挙動のひとつひとつに、感謝の言葉という表面的な報酬を与えながら、
オウおっさん、やればできるやないか。
今までどんだけダラけてサボっとったんかがようわかるのう!
という感想を抱いた。
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生活力も経済力も行動力もある私が本気で決断すれば子供連れて離婚なんてすぐ現実に出来る。
私は弁護士を雇うお金もあるので、子供たちの親権は間違いなく取れる。
すると残るのは妻と子供に逃げられた、無職40過ぎの運動不足で腹の出た小汚いオッサンである。
昼寝ばかりで子供の相手もロクにせず洗濯とゴミ出し程度の家事しかしない無職のオッサンに対して、私が愛想を尽かしたら全て終了。
金を稼ぐでも家事を率先してやるわけでもない、健康にも気を配らない機嫌の悪い男性を将来的に介護する可能性を想像するとゾッとする。
私にはその義務はない。
家族が暮らしていけるだけのお金を稼いで、その上家事と育児を全面的にやってくれる年下のパートナーをつなぎ止めているのは形のない個人の感情でしかないこと。
その危うさに対して鈍感すぎることにびっくり仰天してしまう。
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『家庭内で経済力を盾に強者として振舞うことを良しとしない』
『家事は同じ家に住む人間の義務である』
という私のモラルとポリシーを崩して見せたことで、夫のぼやけて霞んだ老眼が一時的に覚めた可能性が高い。
不機嫌で人をコントロールしようとする浅はかな人間は、こうも簡単に不機嫌な態度にコントロールされるのか。
あまりにも簡単すぎて少し恐ろしくなった。
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私の働きだけで家族を養っている状況は、楽しんでやっているはずの自分の仕事に対するプレッシャーが増すので、わりと現状が辛い。
自分が耐えて頑張っている横でぐうぐう寝て、休息を存分にとっているにも関わらず家事にも育児にも定めた範疇以上に対しては非協力で無愛想な人間への愛情は、想像以上に容易く削られていく。
それを説明する気力すら失われ、礼儀も尊敬もない態度をあえて丸出しにしたことで夫の態度と行動が簡単に変化した。
本来、私は人を不機嫌でコントロールしたくはない。
気持ちは言葉にしてきちんと伝え、意思疎通して関係を深めていきたい。
夫婦という親密な関係であっても、礼儀と尊敬を持って関わりたいと思っている。
しかし、感謝もなくただひたすら不機嫌に私に甘え搾取しようとする人間に対しては礼儀を保つことも、愛情を抱き続けることもできない。
私の負担となり、不愉快にさせる人間は私の生活から排除せざるを得ない。
例えそれが過去愛した人であり、子供たちの父親であっても。
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今後夫が、夫の意思で、父親としてパートナーとしてこの状況をどう乗り切っていくのがお互いの負担にならないかをよく考えて行動を選んでいくようになって欲しいと心から願っている。
諦めるのはすごく簡単でいつでも出来る。
そう思ってまたしばらく夫の行動を観察してゆく。
私は、家族みんなが笑顔で楽しく過ごせたらだいたいのことはなんでもいいんだよ。
もらいっぱなしで感謝もなく不機嫌な人間が許せないだけで。
愛をもって夫との関係改善に取り組んできた過去の努力の記録はこちら。
愛情がなくなって感情が嫌悪に振れてしまったら、もう私にはどうしようもないので、列車が動き出す前に夫には頑張ってもらいたいですね。
読んでくださってありがとうございます!