アパートでの警察沙汰

まだ北海道に住んでた頃ですね。

当時ブラック企業に勤めてましてね。

まあ私は通勤時間が30分と楽な方だったのですが、ヘロヘロになりながら深夜、アパートの階段を上りました。

そして「シャワー浴びて即寝る!」と強く心に決めて、鍵を開けようとしたのですが。

開かない。

いっくらガチャガチャやっても開かない!

しかしまともに頭が働いていない(疲れて眠い)私は、間違いなく部屋のカギだとガチャガチャガチャガチャ頑張ってたんですよ。

で、当時駅近くに住んでおりまして、気づいたらおまわりさんが数名駆け上がってきましてね。

私「お疲れ様です……?」

怖い顔するおまわりさんにとりあえず頭を下げる。

するとおまわりさんに真顔で聞かれた。

「あんた、何やってるの?」

何やってるってあなた、見りゃわかるでしょう。

私「家に帰るところですが」

おまわりさん怪訝な顔。

なぜだ?

重いながら再び鍵をガチャガチャしようとすると、おまわりさんがそれを止めた。

「ここ、本当にあんたの家……というか部屋?」

何て失礼なものいいだろう。

ちょっと腹が立った私は言った!

私「自分の部屋間違える馬鹿がどこにいるんですか。間違いなく私の部屋です」

断言してから、ようやく頭が回りだした。

どんなに頑張っても開かない家の鍵。

やってきたおまわりさん。

周囲を見渡す。

やばい、自分の部屋を間違える馬鹿だ私。

私「……すみません、私部屋間違えたみたいです。私の部屋、この隣です」

そして気づく。

つまりおまわりさんを呼んだのは、深夜にいきなり自分の玄関ガチャガチャされたこの部屋の人?

そりゃ怖いわなー。

私「もしかして、この部屋の方の通報でこちらに来られました?」

おまわりさんはきっぱりと言った。

「通報者が誰かは言えない」

ですよねー。

私「通報者はともかく相談なのですが。今すぐ頭を下げるのと、後日菓子折り持っていくのとどちらがいいと思います? 後日と言っても、次の休みがいつになるかわからないし朝も早いし夜はだいたいこんな時間何で、いつこれるかわかんないんですが」

するとおまわりさんちょっと考え込む。

「んー……とりあえず、今は混乱してるし夜も遅いから後にしたほうがいいんじゃないかな」

おまわりさん立会いの下謝れてたら心強い(なんでだよ)のだが、残念。

私「そうですねえ。ところで私、これから事情聴取とかされる感じですか?」

するとおまわりさんが「今事情聴いてるから大丈夫。でもまあ一応、あなたの本当の部屋の鍵が開くとこ見ていいかな?」と言われた。

まあ、嘘かもしんないもんな。

私「わかりましたー」

で、このタイミングで保険証か何か渡した気がする。必要だったかわからんが、身分証明書ということで。

おまわりさんが鍵を開けたのを見て、「次から部屋間違えないようにね」と一言言って帰っていった。

お隣さんにすげぇ申し訳ない。

深夜にいきなり鍵ガチャガチャってどれだけの恐怖だろうね?

さらに気まずいことに、私このお隣さんに、壁越しにクレームつけたことあるのよ。

壁が薄いからね、夜の営みの声がうるさかったんですわ。

毎週末毎週末。

こっちは休日出勤で明日も早いから早く寝たいというのに。

壁薄いのわかってんだから、ホテル行けやと思っていて。

うつらうつらし始めたころに、二回戦始まりやがりまして。

眠れなくて。イライラの頂点で。

壁に向かって怒鳴ったんですわ。

「まさかの二回戦に驚きましたが、お疲れさまでした!!わたくしは明日も早いため、これでようやく眠れます!!誰かに情事を聞かれたくなければホテルへ!聞かせるのが趣味出しても、私は聞かされるのは趣味ではありません!!」

とか言ったんですわ。

おまわりさんが来る結構前の出来事なんですけどね。

それでもやはり覚えてるからね。叫んだ後から情事の声聞こえなくなったからね。

後日(本当にかなり日数がたった後)、菓子折り持って謝りに行くのが気まずかった。

これ以降、ご近所づきあいはいろいろあるから、安易にクレーム出すのやめようって心に誓いました。

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