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地域づくりに取り組む団体を応援する「地域連携アドバイザー派遣」の団体募集がはじまりました|8月18日締め切り
鹿児島県では、令和5年度「地域連携アドバイザー」派遣団体を募集中です。
(詳細はこちら↓)
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2023年7月17日に、かごしま県民交流センターで令和5年度 地域資源活用・協働促進事業シンポジウム「つくる そだてる ねづかせる 地域づくり」が開催されました。
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このシンポジウムは、鹿児島県が県内各地で持続可能な地域づくりに取り組む団体の活動を支援・促進することを目的に企画された令和5年度 地域資源活用・協働促進事業のスタートの場となっています。
令和5年度 地域資源活用・協働促進事業では、地域課題解決に向けて活動する団体へ「地域連携アドバイザー(以下本文:アドバイザー)」を派遣し、県内の地域づくりを支援する取り組みを行っています。
<地域連携アドバイザーとは?>
空き家再生や、移住・定住促進、情報発信など、地域づくりに関する専門的な知識や豊富な経験を持つアドバイザーのこと。令和5年度は、14名のアドバイザーが登録されています。
本事業は、主に3つの要素で構成されています。
<令和5年度 地域資源活用・協働促進事業 3つの要素>
①シンポジウム
アドバイザーと、県内各地の地域づくり団体の出会いの場。また、令和4年度の事業参加者やアドバイザーの話を聞くことで、地域活動で活かせるアイデアや事例を持ち帰ってもらう。
②地域連携アドバイザーの派遣
アドバイザー派遣を希望する団体を募集し、派遣先団体の審査・選考を行う。派遣に係る旅費や謝金は、鹿児島県が負担。基本的には1団体につき、最大3回まで派遣することとする。
③地域連携アドバイザー派遣の様子の記録・情報発信
県内の地域づくりに関するノウハウや事例共有のために、アドバイザー派遣の様子を取材し、SNSやnoteで発信を行う。
本記事では、事業の3つの要素の中で、①にあたるシンポジウムの様子や、当日参加されたアドバイザーのプロフィールを紹介していきます。
アドバイザー派遣を利用する際の、参考としてご覧ください。
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◯シンポジウムの様子
ー開会
シンポジウムには、大学生や地域づくり団体の代表者、地域おこし協力隊など、約40名が参加。例年に比べると、行政職員の方が多かった印象です。
はじめに、鹿児島県かごしま県民交流センター 協働活動促進課の上原課長より、アドバイザーが生まれた経緯や事業の大まかな流れについて案内がありました。
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全体進行を務めるのは、アドバイザーのひとりでもある株式会社スタジオグッドフラット 市村良平さんです。
島根県生まれ。企画・プロデューサー。大学進学を機に鹿児島へ。鹿児島県内で地域づくりや社会課題(中心市街地活性化、公共空間活用、男女共同参画、子育て支援など)の解決に向けた取り組みをサポートする事業を行う。地域・社会で、ヒト・モノ・コトが活躍するフラットな環境づくりに取り組む。
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市村さんから全体へ、シンポジウムのゴールが共有された後は、参加者のチェックインに移っていきます。
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チェックインでは、少人数に分かれて自己紹介やこの場に期待することなどをそれぞれ共有していきます。
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ーパネルディスカッション①
会場の雰囲気がゆるやかになったところで、昨年度のアドバイザー派遣の利用者と、アドバイザーによるパネルディスカッション①に移っていきます。
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昨年度の事業参加団体として、日置市吹上町和田地区公民館から、館長の山之内修さんと黒木智大さんが登壇しました。
「ずっと住み続けたい地域」を目指し、吹上町和田地区の魅力の情報発信に取り組んでいる。HPを通した情報発信、物産館「お肉の直売所 吹上 ひまわり館」を活用した地域特産物の創出、高齢者の見守り活動や健康づくり、放課後児童クラブの運営など幅広く取り組む。
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アドバイザーは、3人が登壇。
1人目:一般社団法人E'more秋名 村上裕希さん
2018年、一般社団法人「E'more(いもーれ)秋名」を地域住民有志と設立。空き家を活用した一棟貸しの他、町立の飲食宿泊交流拠点「荒波のやどり」の指定管理業者として地域資源を生かした体験型観光や、インターンなど外部人材導入のコーディネートを実施。
※昨年度の日置市吹上町和田地区公民館のアドバイザーを務める。
2人目:株式会社しまのみなと 山本美帆さん
夫の転勤を機に移住した奄美大島で、空き古民家を改修したコミュニティ&チャレンジスペース「HUB a nice d!」をオープン。飲食事業の小商いや子育てママの居場所づくりなどを通して多世代間交流や創業の支援を行う。鹿児島市と奄美大島での二拠点生活を実施中。
3人目:NPO法人SCC 太田敬介さん
総合型地域スポーツクラブ運営を通して、高齢者・初心者も取り組みやすい教室から、オリンピック出場を果たす教室まで幅広く手掛け、スポーツイベント開催を積極的に行う。PTA活動や保護者と教師が協力して教育活動を進める取り組みも展開中。
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ディスカッションでは、パネリストそれぞれの紹介と日置市吹上町和田地区公民館がアドバイザー派遣を利用した背景などについて話されました。
まずは館長の山之内さんから、里山の風景が美しい地域の紹介と課題について。
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自然の美しさを求めて移住する人がいる一方で、県内の多くの地域と同じように人口減少や高齢化率50%以上といった課題を抱えています。
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続いて、アドバイザー派遣利用 発起人の黒木さんは「地域おこしに関わりたい」と、昨年6月に和田地区へ移住。
「夢と希望を持って移り住んだものの、縁もゆかりもない土地で何から手をつけて良いのかわからなかった」と話します。
そんな時に、令和4年度に開催された本事業のシンポジウムに参加し、アドバイザーの村上さんの話を聞いて「自分と同じ縁もゆかりもない土地で活動し、成果を出している村上さんに和田地区に来てほしい」と応募。
アドバイザー派遣では「吹上町和田地区の資源を活かそう未来会議」と題した対話の場を、3回実施しました。
地域住民と移住者が一緒になって地域の現状を話し合ったり、模造紙や付箋を使って課題の優先度を可視化することで、今後の地域づくりの指針を見つけることができた、とふりかえります。
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ディスカッションでは、
・数字として蓄積されていたデータを、図やグラフに落とし込み見える化したことで、地域が抱える問題を身近に捉えることができるようになった。
・アンケートや話し合いを重ねることで、地域住民や移住者から直接意見を聞くことができ、緊急性の高い課題を整理することができた。
・今考えると、地域の人にもっと問題意識を持って参加してもらった方が、より具体的な議論や提案につながったかもしれない。
・新しい取り組みに対して後ろ向きな姿勢になってしまう地域もある中、新参者の立場でアドバイザー派遣の利用を提案したが、地域に受け入れてくれる人がいたから実現できた。
・事業への参加を通して、地域内の重要者と地域外の人が関わる機会がつくれたのも良かった。
といった内容が語られました。
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ーパネルディスカッション②
パネルディスカッション②では、志布志市潤ケ野(うるがの)校区コミュニティ協議会から、地域支援員の川崎桃子さんが昨年度の事業参加者として登壇しました。
多様な主体による自主的、主体的な地域活動により、潤ケ野小学校区における共通の課題解決を図り「活力と潤いに満ちた結の潤ケ野」の構築を目指して活動している。協議会に未来創造部(若者の部)ができたことで、若者も積極的に参加する。
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こちらも、3人のアドバイザーが登壇。
1人目:NPO法人頴娃おこそ会 加藤潤さん
「地域総力戦のまちおこし」を合言葉に、番所鼻自然公園(bandpark)などの地域資源の発掘・活用・マップ作成、商店街の古民家再生など、地域に根ざした幅広い分野のまちづくりに取り組む。
※昨年度の志布志市潤ケ野校区コミュニティ協議会のアドバイザーを務める。
2人目:御菓子司鳥越屋 鈴木芳乃さん
大正8年創業の菓子店「鳥越屋」4代目店主。人口が少なくなってきている湯の浜地域で、指宿の地域や観光客に少しずつでも還元したいという思いから、お店に人が集まる空間を設け、リニューアルを行なった。摺ヶ浜の摺若会(若手会)会長を務める。
3人目:NPO法人本と人とをつなぐ「そらまめの会」 下吹越かおるさん
保育士、読み聞かせボランティアなどの経験を生かし、平成20年度から指宿市の指宿図書館 館長を務める。指定管理者として図書館の運営をしながら、クラウドファンディングに挑戦し、「文化 × まちづくり」を仕掛けている。
まずは川崎さんより、地域の紹介と事業に応募したきっかけについて。
宮崎県との県境にある志布志市潤ケ野。水に恵まれた清流では、ホタル鑑賞や国の天然記念物「ウスカワゴロモ」を鑑賞することができます。
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令和2年3月には、志布志市のモデル地区としてコミュニティ協議会が設立。
地域住民で話し合う中で、潤ケ野の人口を増やすために交流人口を増やそうと、地域のグラウンドを整備してキャンプ場をオープンするなど、積極的な取り組みを行ってきました。
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そして次の取り組みとして、地域に関係人口や移住者を増やすことを目指して「空き家の利活用」に挑戦することに。
背景には、小学校へ通う足となっていたスクールタクシーの廃止に伴う、学校存続への不安がありました。
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そこで、県内外で空き家再生に取り組む加藤さんの力を借りることに。
川崎さん自身、加藤さんが主催する空き家改修ワークショップに参加した経験があったようで、全3回の「空き家活用セミナー&ワークショップ」では、空き家活用に関する座学だけでなく、空き物件の現地調査やウッドデッキづくりなど、実際に体を動かす時間も多かったと話します。
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ディスカッションでは、
・コミュニティ協議会の設立をきっかけに、すでに地域の課題が整理されていたことで、充実したセミナー&ワークショップの時間をつくることができた。
・ワークショップを通じて、地域内外の交流の機会をつくることができた。
・アドバイザー派遣を利用したことで、空き家活用に関するソフト面、費用面などの課題が明確になった。
・「空き家を活用したい思いはあったものの、具体的な動きがわからない」という状況から、加藤さんのアドバイスによって前進することができた。
・活動予算に余裕がない中で、アドバイザーの交通費や謝金をサポートしてもらえて、チャレンジのきっかけを掴むことができた。
といった感想がありました。
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ー交流会
パネルディスカッション終了後は、①はじめの一歩の見つけ方、②地域資源の利活用、③事業継承のポイントの3つのテーマに分かれて交流会が行われました。
①始める、繋げる 〜はじめの一歩の見つけ方〜
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②活かす、創る 〜地域資源の利活用〜
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③関わる、続ける 〜事業継承のポイント〜
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ー全体共有とふりかえり
交流会の後は、それぞれのアドバイザーから、3つの会場で語られた内容や思いなどが全体に共有されました。
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全体での情報共有とふりかえりが終わった後は、チェックインと同じように少人数のグループに分かれ、それぞれが得た学びや感想を共有。
中には名刺交換をする姿もあり、アドバイザーと参加者だけでなく、参加者同士の出会いにもつながったようでした。
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最後は共生・恊働センターよりアドバイザー派遣の説明の後、閉会となりました。
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◯地域連携アドバイザー派遣について
令和5年度 地域資源活用・協働促進事業を利用すると、本記事で紹介したような地域に関する課題や不明点について、アドバイザーから専門的な助言と具体的な支援が受けられます。
アドバイザー派遣の利用には、申請書の提出が必要です。
派遣にかかる旅費や謝金に関しては、鹿児島県が負担します。
・募集期間
令和5年7月19日(水)〜8月18日(金)午後5時まで
・申請方法
郵送または、申請書持参(郵送の場合も8月18日必着)
・対象者
地域コミュニティ組織、NPO法人、ボランティア団体など
・派遣可能な団体
最大5団体まで。1団体につき、原則3回までアドバイスが受けられます。
・実施期間
派遣団体決定日(令和5年9月上旬)〜令和6年2月4日(日)まで
シンポジウムでご紹介できなかった地域連携アドバイザーのプロフィールと専門分野はこちらから。(wordファイルが開きます)
募集要項や申請書に関しての詳細は、共生・協働センターのHPからご確認ください。
書類をつくる過程で疑問点や質問などがある場合は、下記のお問い合わせ先へご連絡ください。
◯お問い合わせ/書類提出先
鹿児島県共生・協働センター
〒892-0816
鹿児島市山下町14-50 かごしま県民交流センター東側1F
TEL 099-221-6605(直通)
E-mail: p-kyodo@pref.kagoshima.lg.jp
web:鹿児島県共生・協働センター
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事業名:令和5年度 地域資源活用・協働促進事業
主 催:鹿児島県共生・恊働センター
◯関連リンク
過去(令和3〜4年度)のシンポジウムのレポートやアドバイザー派遣の様子は、以下の記事をご参考ください。
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