
AI小説は、投稿サイトや小説大賞を破壊するか? 実際やってみた感想をぶっちゃける
どうも。風倉です。
2024年の末。小説界隈の一部に、ちょっとしたニュースが走った
最近でた高性能AI(GPT01-pro)に、小説指示をしてみたら、一発で「かなりのクオリティ」の「長編小説」をだしてきたというもの
これにより、アンテナ過敏な人に「小説業界」破綻するのでは?
という意見が出たようだ
o1 proやっぱりすごい。GPT-4oに明らか優る点、地味に「文字数」かも。
— すぐる | ChatGPTガチ勢 𝕏 (@SuguruKun_ai) December 11, 2024
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プロンプト工夫して小説書かせてみたら『23000文字』(!?) の長編を一発で出してくれた。
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ちなみに同じ指示をGPT-4oに入れたら...たった1800文字。差がすごい。
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リプに貼ったプロンプト使えば誰でもできます👇🧵 pic.twitter.com/2A4xd6OgTW
たった1分で書いた命令で、数万文字のハイクオリティ小説ができあがれば、それは驚愕的なことである
そのままいずれ10万文字書けてしまえば、もう人は不要かもしれないのだから
なので、僕もそれに反応し、まずはAIを使って小説書いてみた人、を幾人か調べてみた。そして、その結論として
「いや、正直まだまだっすね。足りませんわwww」
というNoteをサクッと書こうとした……。
途中までは。
だが、その意見を書こうとしてる最中に「ちょっと待てよ?」となる出来事がおきて、そのNoteは破棄した。今回のNoteはその書き直しである。
だから、投稿宣言から投稿が遅れてしまった。ご容赦いただきたい。
その出来事とは何か?
それは「僕自身が触ってみて」印象が、がらりと変わったのだ。
今回はそれを踏まえて、語りたいと思う。
ちなみに危機感爆発意見としては、僕のところにもこんな意見がきた(長文なので部分抜粋)
↓

他にも様々な意見が、SNS上では溢れている。
そのなかでも一番危惧が多いのは
「投稿サイト」や「小説大賞」が、AIにより侵食され、破壊されないか?だろうか。
特に大賞系である。もし実用レベルであれば、今まで書けなかった人が送りつけまくるということはありえるかもしれない。それにより、下読みのキャパが破綻し、崩壊する……ということはあるかもしれない
さて、AI小説はそれを起こしうるクオリティなのだろうか?
結論からいおう。
1:なんと「起こしうる」クオリティには到達している
2:しかし「実際に起きる確率」は未だ低く、今後も低いだろうし
3:かつ「AIのおかげで参入してくる作家」はさほど増えないだろう
というのが、僕の結論だ。
1つ目と、2つ3つ目の意見は矛盾してないか?と思われるかもしれないが、それは後ほど説明する。
まずは、1つ目についてはなそう
あえていおう。
舐めていた
正直、AI出力によってだされる小説を、元ツイみても。
「まあ読めるけど……読めるだけじゃない?確かに成長したが、これでは、界隈破壊するとか、小説かける!というには大げさだな」と思っていた
まず、ぱっとみて
・レイアウトが見づらい。文章配置が見づらい
・文体が古臭い気がする。現代風には書けないんじゃないか
・ストーリー魅力がないだろう。続きを読みたくなるクオリティではない
つまり「読めるが、面白さを語る次元には到底いない」と思った
が、ふと思った
「これ、命令文でなんとでもなるかも……」
というわけで、01に課金して(月額3万円のProは見送った。有志の助言により、月額3500円の01でも、そこまでクオリティ低下はないらしいので)実際にためしてみた
結果が、これである(1万文字。コミュニティ投稿なので、参加しないとみれないかも)
↓
15 秒の間、思ったことについての提案
— 風倉@こぴーらいたー作家 (@kazakura_22) December 13, 2024
――目を開けると、そこは白い天井だった。…
あるいは、これである (こっちのほうがレベルは高かった)
↓
【第一章:約1万文字】…
— 風倉@こぴーらいたー作家 (@kazakura_22) December 13, 2024
リンク先に飛んで読むの面倒くせえよ!という、贅沢な読者のために一部画像ではると、こうである
※1つ目の1話終盤↓

※2つ目の途中↓

……あえていっていいだろうか。
アマチュア作家の底辺レベルは、明確に超えている
これは20年以上の長年、ネット小説を読み、相談をうけてきた自分の感覚だ。これより、読みづらく、面白さが低い作家は、いくらもいる。
このレベルだと、正直なところ、人間と見分けることは困難に思える
つか、↓ここの部分、結構すごくない?w

魔力を追放レベルでけなすでもなく、天才だというでもなく。
中の上~上の下といった、なんともオタク心をくすぐる設定と、その親のいうたら、リアルめの反応。
「一周回って新しい!」と感じたし、面白い設定だなーと思ったし。親の反応が、そこらのネット小説より、全然人間っぽい!って思っちゃったんですけど!
いや、クオリティよ!普通に続きよみたさあるんだけど!
これ、先ほどいった
・ネット小説的(なろう的)な文体、レイアウト
・よくあるネタにあわせたストーリー展開
・先が気になるように書くそれなりの引き
これは「命令文をいじる」ことであっさりと超えてきたわけで。
どちらも、5分ほどで出力してきた。
なんということだろうか。
つまり。AI小説は。
「読める・読めない」の壁は超え。
「面白いかどうか」を評ずるステージに突入したのだ。
そして、人と見間違うレベルにも突入したし、今後もよりレベルはあがるだろうといえる
ならば。ではやはり、小説界隈は終わりなのか?
いろんなフィールドがAIに蹂躙されて、終わるのだろうか?
それとも、今まで書けなかった人が、大量参入してきて、誰もがAI作品で競い合い、予想できぬ新時代を築くのだろうか?
風倉の答えはNO
それが、先程いった
2:しかし「実際に起きる確率」は未だ低く、今後も低いだろうし
3:かつ「AIのおかげで参入してくる作家」はさほど増えないだろう
につながる。
つまり
「起こしうるクオリティには到達しているが、実際にはそうそう起きない」だ
その理由を説明しよう。
使ってみておもったが。
「命令文」には「作家としての能力」が普通に問われる
冒頭で紹介したような「作家じゃない人が命令した小説命令」と僕の命令では、明確に差がでていることがわかると思う。
「誰かが作った命令文をコピればいい」と思うかもしれないが、10万文字クラスになると、普通に作り込まないと、いいふうには出てくれない。
「作品の手直し」も作家の能力が普通に問われる
例えば上の作品では、四男といってるのに、上に姉を含めて四番目の子どもだったりする。
これは確かに広い意味では四男だが、一般的には違う。
上に「兄」が3人いて、だから四男なのだ。
だから「追放」とかもなりたつのだ。
これが「姉3人」だと「唯一の男子」になり追放は相当おかしなことになってしまう。
このような手直しは、作家としての能力がないと介入できない
また「読める」ラインはクリアしたとはいえ。
次は「面白い」ラインをクリアせねばならない。
これには「そもそも大本の面白いストーリーをひらめく能力」や。
「うまく情報開示、伏線、説明をする力」が必要になってくる。
AIは確かに面白い作品を命令次第でたくさんだせそうなレベルに来ているが……。
「たくさん出せる」といっても「筆者」はその中から「一番面白い話の選択」をせねばならない
「面白い」を選ぶのは、かなり高いスキルがいる
読める作品、という程度で、市場の破壊はできない
※悪意あるかく乱はできるかもしれないが
無数の可能性がある話の分岐から、一番面白い1つを選ばねばならない。
それは、作家として「何が面白いか」を理解してなければ選べないし、指示できない。
そこは壁になるだろう。
なので「一切書いたことありません!」みたいな人が「AI一本でいけました!」は、まだ遠いと思える
そして、何よりも最大の壁がある。
それは
「クオリティが高くなったとはいえ、導入・手直しを含む、一連の作業が面倒くさい(し、それなりに高い)」
ということだ。
AIを使う作家は、現時点でも作家の1~3%しかいないのではなかろうか。
そして、3年後にそれが30%になってるとはとても思えない。
3~5%ぐらいな気がする。それでは影響は弱い
パソコンが普及してどのくらいたったかわからないが……。
パソコンは多機能になった。
が、通話と連絡と遊び以外で機能を使いこなしてる人が、どれだけいる?
そういうことだ。
特にこの界隈はいうて古い風潮が支配してるので「最新に移動」には非常に時間がかかるだろう。
メンタルの問題で。
スマホが発明されてから、スマホがいきわたるまでにはかなりのタイムラグを必要とした(大会社がこぞって全精力を使ってもなおだ)。
「やる気のある人が、そのツールで成功可能になった」というのと
「全体がそれをやる」にはめちゃくちゃでかい壁がある
要するに、投稿サイトや大賞系の破壊も。
「作家が、1つ2つの作品のクオリティアップにAIを使うことはあっても、1人で何十作もおくったりすることはない」と思える
「元々作家だった一人が、1つ2つ投稿」ぐらいなら、結局大した影響はない
「あるいは、作家でない人が大量参入して送る」
これもおそらくおきない(あっても少数)
というわけで。
「思った以上に達してる」うえに
「さらにいくであろう」
けど
「広まる」には思ったより面倒くささの壁を乗り越える必要があるし。
「そもそも作家としての能力」も結構必要とされる
というのが、風倉の結論である。
以上
参考になれば幸いだ
■■■2024/12/17 (執筆時より3日後)追記■■■
とりあえず短い追記。今、あれから使って。想像を超えてきてます。このNoteの結論より、さらにAI評価、利用できるラインの評価、時代の流れは上向きと思って下さい。
※ちょっとでもわるくないとおもったら、いいね、シェアなど歓迎
また、他にも人気な評価をウケてる記事が結構あるので、見てもらえたら幸い
PS:
ビジネス的に使うのであれば「量産性」を活かして、投稿サイトや大賞に送って「弾かれるリスク」を負うよりも、そのまま「直接販売」に向けたほうが、AI小説系の良い使い方に思える。それはおすすめ
PS2:
有志によると「01」より「Claude」というAIのほうが、より小説に適してるらしい。そのうち検証する。参考にどうぞ。
PS3:
たたき台、アイディア出しには相変わらず優秀。それは去年からではあるが。
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