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全力挑戦漫画坂 10

◆序章

 読むのは簡単で楽しい「漫画」。けれど描く事に挑戦すればするほど、実力の無さ、納得度の果てが無いという事を痛感します。
 そんな自分のマンガヂカラを高める為、自身で気になったり挑戦した事を備忘録として残していきたいと思います。
 あくまで自分が受けた感じた「主観」の記事です。気になる点などコメントよろしくお願いします。

◆展開と発想の技術力

「ああくそッ!もっと面白い魅力的なストーリーが書けさえすればッ!」
とわめいて、漫画創作の歩みが止まったりすることありませんか?
私はすぐ嘆き悲しんで現実逃避してしまうんですが。。(>_<)

 では、面白い物語があれば面白い漫画が作れるのか? 具体的には「シナリオプロット、セリフが既にあり、それを元にネーム切りからマンガに仕上げる。」という状況で、はたして面白く読めるマンガを仕上げられるのか?

 これは小説やアニメを原作としたコミカライズ、マンガ作画担当のチカラが試される状況とほぼ同じだと思います。
 すぐ物語のネタなどに文句を言ってしまう”私”は、原作に文句を言えない状況の時に、どうマンガを仕上げるのか。展開と発想の技術力はいかほどなのか。 自身のチカラを定期的に客観的に把握しておかないと いつまでたっても技術力の向上はあり得ません。

◆#同じセリフで漫画描く

そんな「ストーリーネタに対する展開力、演出表現などの発想力&技術力」を、客観的に知れるかもしれない良い機会がありました。

◇漫画家山口つばさ先生の企画 #同じセリフで漫画描く

【前編】漫画家と学生が同じセリフで漫画描いたらどうなる?
【ゲスト:板垣巴留】

【後編】漫画家と学生が同じセリフで漫画描いたらどうなる?
【ゲスト:板垣巴留】

参照元:山口つばさの遊び場(youtube)


誰もが知っているイソップ童話「アリとキリギリス」のセリフ を元に、
現役漫画家5名+学生一般6名が、ルールに従ってマンガ化したものを
講評している動画です。

企画ルールの詳細は上記動画内の概要欄を参照ください。 
大まかには下記の通りです。
 ◇ルール1:セリフを改変せず使用。増やすのはOK。
 ◇ルール2:1~4ページ以内。
 ◇ルール3:キャラデザは自由。


早速、参戦用のマンガを描き、

つくった後視聴したんですが、これが面白い!!

描き手(特に漫画家先生方!)の表現の多彩さにひたすら驚きました。

 正直、取り掛かった時は 明らかにオチまで流れが決まっている原作セリフを見て、これはどう料理しても似た様なマンガになるのでは?? と思っていました。

 けれど動画で確認できますが、先生方を含めみなさんのお題の料理方法の千差万別さが とにかくスゴくて圧倒されました!Σ(゚д゚;)
 そして講評での、山口先生、井雲先生、板垣巴留先生の作品への多面的な見方と無限の感想力!キャラ、世界観への無限の想像力!!がスゴイ。。(>_<) ホメ倒しがスゴイです先生方! とても面白かったです。

似た様なマンガになると決めつけていてスミマセンでした! m(_ _)m
自分の表現力の狭さと限界を感じられましたし、とても面白くて勉強になりました。


◆#同じセリフで漫画描く 具体的感想

「このプロットセリフをどう料理するのか」
特に興味深かった漫画家先生方のつくり方を書き出します。
(各先生方のマンガは、上記動画もしくは各先生方のTwitterを参照ください)

◇プロットの指定セリフ

1)「さむい…」

 初コマはキリギリスキャラの紹介&状況の説明。 私は寒風をイメージして展開してましたが、動画のほとんどの方は「」を選択されていました。
 キャラはほぼ人物置き換えとなっており、キリギリスは A)チャラ男(バン〇マン風) B)後悔している長髪男風 が多い印象でした。

2)「アリさんお願いがあるんだけど…」
3)「なんでしょう?」
4)「ちょっとでいいから食べ物わけて!」

 キリギリスがアリにお願いするシーン。
プロの先生方の、キリギリスの卑屈さ必死さを強調する表現力がすごい!
◇山口つばさ先生、井雲くす先生を始めとして いきなり土下座表現!
先生方5人中4人が土下座での強調でした。
◇板垣巴留先生は死にかけ表現での強調。
 さらに山口先生は、4)「ちょっとでいいから…」を太字で強調する表現!
土下座の絵での必死さ・卑屈さを強調する表現が目からウロコでした。
 Σ(゚д゚;) < さすがプロ漫画家!
 私は作成中にパッと思いつきませんでした。(>_<) 
マンガ的強調表現を序盤で入れて読み手の興味を引き付けるのは大切です!

5)「君は夏の間あんなに私の事をバカにしたじゃないですか」

 アリとキリギリスの立場が逆転するシーン。
 ほとんどのみなさんがアリの見下し顔を強調されていて、ここに個性が集中していた印象でした。
 余裕のあるアリか、もしくは拒絶の感情を大声と必死に叫ぶアリで表現されてる方が多かったです。(先生方は余裕のあるアリを選択されていた印象)

 印象的だったのが、2P1コマ目でゲス顔を大ゴマで表現されていた井雲くす先生! あのコマ配置!インパクト!! トーン貼りで目を抜く&顔の前に髪を流す描き方! Σ(゚д゚;) < 超勉強になります!メモメモ。

 また板垣巴留先生の、それまでは電話(公衆電話!!)での会話でアリ側の表情を見せない演出、2P目でアリ側の状況を大ゴマ表現して落差を演出するやり方が、流石現役先生! 既にファンでしたが惚れ直しました!という感じでした。 アリ側を、このセリフまで会話のみで姿を見せない、というのは有りな表現方法ですね! メモメモ。( ..)φ<アリダケニ。。

6)「お断りします。」

プロットの終わりのセリフ。ほとんどの方がこのセリフで締めていました。
◇断るアリの表情を描く or ◇ベタコマとする or ◇後悔するキリギリスの表情 or ◇引きの背景 etc.
締め方もいろいろ表現方法が違っていて面白かったです。

私は、こういう拒絶セリフの時には会話を切るために表情ではなく背中を描きがちなんですが、表情を描く表現の引出しも持つ必要がありますね。。

その拒絶するアリの表情で印象的だったのが、石黒正数先生のラストの2コマ!驚きと困り顔からの、目線を下にして無表情で見下すアリの表情と言ったらッッ!! Σ(゚д゚;)

 大変に勉強になった動画でした。山口つばさ先生、とても面白い企画ありがとうございました。


◆企画への挑戦記録漫画 全2P 

最後に、このハッシュタグ企画に挑戦したマンガおよび、
自分的に大事な 猛反省した記録を置いておきます。

※※ 注 ムシ表現注意!! ※※

note全力挑戦シリーズ0025

note全力挑戦シリーズ0026


◆挑戦した所感および反省

◇プロットの読み込み について。

 上の記事にも書きましたが、当初このオチまでついたプロットで、
どう違う個性のマンガが出来るのか懐疑的でした。

>>土下座やゲス顔の強調展開、アリを途中まで見せない演出など、盛り込む要素はたくさんあったのに。。と動画を見て気づき、あまりにも狭い視野と自分の拙い技術力に猛反省。。orz

◇プロットの展開 について。

 懐疑的な状態で考えたのがルール1の「セリフを増やすのはOK」という文言。このプロットを読んだときに閃いていた、2P目の最後4コマの連想展開を形にしたくて、指定プロットは前フリに持っていく という展開の発想でした。

>>この連想展開は 原作を改変して自分のモノにする という禁忌に触れているので ダメです。まずは原作内で漫画を完成し、そのうえで原作者と協議の上で追加する形にしないとダメです。ホント猛反省。。orz

◇マンガとして読み手に届ける面白さ について。

 上記展開の「食物から価値観からすべて違うアリなりのやさしさと、食物扱いとなった同族の死骸を見るキリギリス。」というオチ。読み手によってどこまで考えるか、が違う このオチどうですか! に夢中になり過ぎて、

本来の漫画家の大事な要素を完全に見落としてマンガを作成していました。

>>卑屈な土下座も、ゲス顔で煽る表情も、必死に叫ぶ姿も、
すべては読み手へ面白さを伝える為に必要な「味つけ」でした。
原作への味付けをせず、こちらで用意した食材を読み手にぶつけてしまった事を猛反省します。。。orz


◆最後に

 いかがでしたでしょうか。とにもかくにも、私的には貴重な体験でした。
猛反省した記録を読み返し、今後のマンガづくり、漫画坂を登る技術に生かしていきたいと思います。

(>_<) 精進、精進。☆


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