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【AI談】馬車にこだわるか、エンジンを学ぶか
こんにちはカザバヤシです。今回は無料回になりますので普段のメンバーシップでこんなこと話しているんだなぁ的なお試し感を味わっていただけたらと思います。
早速なんですが、昨今よく耳にしますよね、
「AIが進化したら○○の仕事が消えるんじゃないか?」
「その業界は終わったも同然」
みたいな極端な予測。
でも、これまでも革新的な道具が登場しても社会は大混乱…かと思いきや、そこまで荒れなかったことって多くないですか?
例えば タイプライター が パソコン に置き換わったとき。
タイピングの速さを競い合っていたプロが一瞬で仕事を失ったか?
文字起こしや文書作成の仕事が根こそぎ消え去ったか?
実際はそんなことなかったですよね。
むしろパソコンを使いこなせる人が、文書作成の効率を大幅に上げていった。
結果的に**「PCを扱える人」** が何歩も先に進んで、
「タイプライターしか使えない人」はだんだん置いていかれた、というのが本当のところでしょう。
2. 新技術が生まれた時に起きること
新しい技術が登場すると、「技術そのもの」に注目が集まりますよね。
だけど、実際に変わるのは 技術を取り入れる人の立ち回り だったりします。
新技術をスムーズに取り込んで、自分のスキルに組み込める人
「いや、今までのやり方で十分」と言って一切触れようとしない人
この2タイプが生まれて、じわじわと差が開いていく。
たとえば音楽業界なんかでもそうでした。
昔は収録や編集が超プロ向けの作業だったのに、個人でもそれなりに安く機材を揃えて録音できるようになった。
それによって音楽を作るハードルは確かに下がったけど、既存のプロがすぐに消えたかと言えばそんなことはない。
むしろ、新しい機材に慣れた人が飛び抜けてスピード感を持って作品を作れるようになり、
ついていけない人と圧倒的な差がついていった。
要するに、新技術で仕事が「まるごと消滅」するわけじゃない けれど、
「その技術を使える人」が「使えない人」の仕事をリプレイスしやすくなる ってことです。
3. 業界が一夜にして滅びる? そんなに簡単じゃない
「AIが文章を書けるようになったから、作家という仕事が全滅するのか?」
「画像生成AIが生まれたら、イラストレーターはもう要らないのか?」
これ、極端に考える人けっこういますけど、
実際のところそこまで急に全滅するわけないですよね。
なぜなら、人間は新しいものに対して懐疑的 だから。
人類は、歴史を振り返ればいつも 「これが登場したら人間はいらなくなるんじゃ?」 という不安を抱えてきました。
自動車が登場したとき、馬車はどうなるの?
スマホが普及したらパソコンはどうなるの?
でも、すぐに一方がパタッとなくなったということはあまりない。
実際は緩やかな変化で、数年〜数十年かけて徐々に置き換わったり、新しい形に変わっていく。
いきなり業界まるごと消える なんて、よほどの破壊的イノベーションが起きない限りはそうそうないわけです。
4. 「道具が進化しても、使い手が激増するわけじゃない」
例えば、ホームオーディオや録音機器が安価になったからといって、
プロの音楽家がものすごく増えたわけではないですよね。
操作が簡単になったからといって、「よーし、私も今から有名作曲家になるぞ!」と一斉に参入してくるわけじゃない。
技術の進化で 入り口のハードルが下がる けど、
結局 “プロとしてやっていけるかどうか” は別問題というのが実態。
むしろ、熟練者はその道具を使いこなして更に効率化やクオリティアップをしていくんです。
AIが文章を書けるようになったら、
文章を書く専門家が 自分の武器をさらに強化する ために使うこともできるし、
「文章作成なんてやったことない」という人が なんとなく触ってみる こともできる。
でも、後者がすぐにプロライターとして大成功するかといったら、それはまた別の話ですよね。
5. まとめ:結局は“使い手”が鍵を握る
結局のところ、
AIをうまく取り込んで“結果”を出せる人 と
AIを敬遠して今までのやり方に固執する人
この2者の間で差が広がっていく。
その結果、「従来の方法しか知らない人」は仕事を失うリスクが高まるわけです。
ただし 「この業界丸ごと明日から終了」 なんて急展開は、ほぼない。
社会が大きく変わるのにはやっぱり時間がかかるし、既存の文化や仕組みを一瞬で塗り替えるのは想像よりハードルが高い。
これが、一部の人たちが予測するような 「AIによる大粛清」 がそう簡単に起きない理由でもあります。
おわりに
なので、「AIが登場したら○○の仕事が終わる!」という怯え方よりは、
「AIを自分の糧にできるように試行錯誤しよう」 というスタンスのほうが健全ですよね。
だって、道具はあくまで道具であって、使うのは人間なのだから。
新しいツールが出現するたびに、
「早めに慣れて武器にする」
「無視して旧スタイルを守る」
この選択が迫られてきたのが人類の歴史です。
そして、多くの場合は前者が得をしてきた。
恐れるべきはAIそのものではなく、
「自分がAIを使う可能性を閉ざしてしまうこと」。
仕事を奪われるかどうかは、あなたがAIをどう扱うかで変わる——かもしれませんね。
以上、AIが進化しても急に全滅とかはないけど、
使える人と使わない人の差は拡大するよ、という話でした。
結局、いつの時代も「新しさ」とどう向き合うかが問われるんですよね。
ということで、今日のところはこの辺で。