みゆきさん

天満の橋を横断中、
40代くらいだろうか、
少し疲れたスーツ姿の男性が
ただならぬオーラをまとって私に向かい突進してくる。

こわい…と逃げる間もなく彼は
私の前で立ち止まるや否や

突然、私の右手を両手で握りしめ
「みゆきさんですよね?」と名前確認をしたのである。

あまりの突然のことに
「みゆきさんではないと思います」と
あやふやな返事をしてしまった。
彼の気迫に気圧され
あれ、わたしってみゆきだったけ?
と自信がなくなったのである。

彼は、とっても残念そうに
「しょんぼり」と音になって出そうなほど
肩をおとし、去っていった。

そんな彼の後ろ姿を見て
一瞬、みゆきさんになりきろうかとも思った。

いかんいかん、ろくなことはないぞ。
私は昭和の女、アキコよ!と言い聞かせながら。

思うに結婚詐欺にでもあったのだろうか?
「でも、オレは詐欺になんてあってない。
今でも信じているよ、みゆきーっ!」
という気迫だった。


みゆきさん、幸せにしてますか?

July 11, 2008

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