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第125回フィルムさんぽ(フィルムガチャ回)に参加してきた件

 フィルムさんぽ企画の年末企画はフィルムガチャ回で締め括られるパターンが定番化してきている。

 Q:なんで2022年は参加してないんですか
 A:絶賛引っ越し中だったからです

 おさらいとなるがこのフィルムガチャ回、年末の締めくくりイベントであり、1年間掛けて主催のurbanさんがあちこちから集めてきたフィルムをガチャ形式で配布し、そのフィルムで撮り歩くという大人気のイベントでもある。

 


フィルムガチャ回国際条約


 さて、このガチャ回においては普段の回以上に重要なお約束が幾つかある。


 ①手動でISO設定の出来るカメラ

 ガチャで引くカメラには当然期限切れのものも含まれており、記載感度どおりの撮影ではアンダーとなってしまう事がある。実際ガチャでフィルムが配布される際には推奨感度の記載付きで渡される。
 従ってDXコードによる自動設定オンリーのカメラはあまり推奨されない。

 ②設定に余裕のあるカメラ

 上記同様、どのフィルムが当たるか分からない以上、高感度のフィルムや逆に低感度のものが当たることがある。古いカメラなどで設定の幅が狭いカメラの場合、フィルムを引いた時点で頭を抱えてしまうことになりかねない。
 私も初夏の中判ガチャ回でモロにやらかしたことがあり、最速1/200しか稼げないグレートウォールでISO800の超高級フィルムPOTRA800が当たり高すぎる感度に困り果てた経験がある。

 この時はりょえよさんにNDフィルターを1日お借りし事なきを得た。グレートウォーラーは助け合いである。

 ③使用カメラは必ず動作確認済み、動作が安定しているもの

 殆ど私狙い打ちな気がしなくもないのだが、様々なフィルムの映りを比較する講評企画でもあるため、基本的に間違いなく動作し、使い慣れたカメラを使うように口酸っぱく言われている。
 私はたまたま2年連続で機器不良を起こしたことがあり、全滅ではないもののしょっぱい結果になった経験がある。
 動作確認は常にしっかりしているが、特に東側機は突然ヘソを曲げる事があるからしょうがないじゃん。

 以上のルールが招集時にしっかりと言い含められているため、まずは使うカメラの剪定から入念に行う必要があった。


今の私は、東ドイツの男……


 まず今回のルールからすると、私の場合①は全く問題ない。DXコードオンリーのカメラなんぞ持っていたかどうかが記憶が怪しいレベルであり、基本的には98%くらいは手動設定か単体露出計を併用する必要があるカメラである。

 続いて②。
 設定にある程度の幅と、それに伴いレンズはF2.8より明るいものを推奨されている。これに関してはやりようがなくもないし、まあF2.8 1/500以上を確保出来ればよいのでまだまだ候補は多く残っている。

 この辺りで私の手持ちの中でも「一軍」に当たるカメラがポツポツと候補として浮上してくる。

 まずはCONTAX AX。おおよそ出来ないことが何もなく、今回の要件は完璧に満たしている。
 しかしあまりに便利すぎるので持ち出す機会が多く、直近では屋外ポートレート回と競馬のジャパンカップの撮影に持ち出している。

 続いてMinolta SR-T101。私の所謂「ガチ」用のカメラで、割とキメる時に使うことが多い。問題はISO800のフィルムを装填して残り半分を別の機会に(あえて)残しているため今回使うことができない。

 別に一眼レフでなくてもいいっちゃいいので、この他Contaxシリーズやライカ(ライカコピー含む)という方策もなくはないのだが……

 実は先日、レンズを1本買い増していた。


 東ドイツはPENTACON、PRAKTICA Bマウント用のPRAKTICAR 135mm F3.5というレンズだ。
 先日のりょえさんぽ135mm回の際に「来年はプラクチカBで参加しよ」と思い密かにebayでオーダーしていたもの。
 見慣れない銘かもしれないが、このバージョンのものはまあ実質135mmカールツァイス・イエナのゾナーの発展と思ってもらっていい。

 あ、そうだ。BMSでいいじゃん。

 これも東側のカメラではあるが5本ほどフィルムを通しており、露出計はクソほど見づらいが動作は問題なく安定している。


 そして135mm回の時にプラクチカB沼に突き落とした方から「Bマウントのレンズ売ってましたよ!!」とタレコミを頂きすっ飛んで買っている。


 ※マイヤー設計のエルノスター型の薄いレンズ。バカみたいに安かった。

 と、いうわけでガチャ回への参加はちゃんと動く東側のカメラであるこのPRAKTICA BMSを使用することに内定したわけだ。


ガチャファイト・レディーゴー!!


 


 そして運命のガチャチャレンジの時が来る。


 今回の番号は24番。目玉フィルムに貼られている特別なシールはないようだ。集合後、このくじを実際のフィルムと引き換えていく。


 ※実際の様子

 どんなフィルムを引いてもある程度対応できるように、レンズを厳選して6本持ち込む事にしたのだが、その6本が全て東ドイツ製である辺りお里が知れる。一応メインはPRAKTICAR 50mm F2.4を想定。



 最近ガチャ運が死に絶えているわたくしが引いたフィルムとは……!!


 おっ!!Ektar100!

 実はこのフィルム、自分でもよく使う好きなフィルムである!謎フィルム由来のミスはないが、実質これで失敗することが許されなくなった。

闘えkaz!横浜がリングだ


 かくして横浜を舞台としたフォトウォークが始まる。

 実は今回サブ機を用意していた。


 旧ソ連のチャイカⅠ型にキタムラで投げ売られていた期限切迫のベルビア50を詰めてみる。必殺・ハーフカメラ・クロス撮影の舞!

 コースは大口から子安を通り、海沿いを歩く所謂「いつものコース」である。

 実はこのコース、大の紅茶党(台湾に紅茶を飲みに行くくらい)の私が思わずミルを買ってしまったほどの美味しいコーヒー焙煎のお店がある。

 私は東ティモールとかパプアニューギニアのコーヒーが好き(ペルーとかグアテマラにいかない辺りヘソが曲がっている)なのだが、このパプアニューギニアの豆が美味しいのだよなあ。
 このコースを通るはず、と事前に予測をしており小銭をピッタリ残してお店の自販機で珈琲豆をゲットだ。

 今回は参加者も多く、時間がタイトでもあったためビシビシバシバシと撮影を進めていく。
 他の参加者の方にトラブルも僅かに見られたが、未露光や機械トラブルなどはなく無事に撮影が終わった。

天に竹林、地に少林寺


 お昼ご飯は通称「フィルムさんぽ中華」と呼ばれるお店で希望者が集まりとることになっているのだが、このガチャ回は40名近い大所帯。マグアナック隊かな?
 
希望者だけでも20人以上とお店の席数が取れるかどうか、というシチュエーションであったため、敢えていつものさんぽ中華に参加せず私は一人道をゆく。男は一人ゆくものさ。

 ……まァ、いつものお店の系列店?が近くに出来ており、一度そっちを偵察してみたかった、という事情があるだけだけれども。

 反町のラボにフィルムを預け、中華屋に向かう人々は道中撮り歩きをしながら横浜駅へと移動する。

 一方の私はフィルムを撮り切り、あとは最終的に夕方の講評に間に合えばよいくらいの身分であって。


 ま、しゃあない。


 そのまま横浜駅にある系列店を目指す。



 台湾料理のお店と聞いており、お口が魯肉飯の気分だった。

 一応主宰のurbanさんからも、「偵察の時に席予約出来るかそれとなく調べておいて」と密命を帯びている工作員である。


 カリカリの鶏皮。スパイスが効いていてうまい。

 台北餃子。
 おそらくいつものさんぽ中華と同様の肉餃子もあるのだが、それじゃあ意味がないでしょ、と。
 皮がパリパリしていてふんわりスパイスの風味もあってうまい。

 ランチセットの魯肉飯+ワンタンスープ(大盛り無料)。もやしと卵が冷たかったのが惜しい。
 味そのものは美味しくて安い。

 ワンタンスープちょううまい。

 こうして得た情報は逐一urbanさんに送信されている


流派・東方カメラは王者の風よ!


 昼食後、色々と見て回りながら時間を潰していく。何せ5時間ほど空くのだ。


 スーさんを600円で捕まえたのでわたしの車(シンボリルドルフとトウカイテイオーが乗っている)に一緒に乗せておこう。


 ドトールで一服。

 それでも少し時間が余るのでカラオケにでも行ってしまおうかと考えたりもした(未遂)
 チャイカに詰めてあるのがISO50のポジなので(クロス現像で使うが)昼下がりは中々シャッターを切れない。72枚を使うには少々カロリーが高いな。

 そして講評の時間となり、講評会場へと向かう。



 特記事項……なし!!

 この指先確認が一番大事である。


 まずは各フィルムメーカーごとに分かれてテーブルを作る。

 Kodakチームは優等生!!
(少なくともフィルムは)



 ※実際の講評の様子

 実は私、ガチャ回があまり得意ではないのだが、東ドイツのプラクチカとEktarが揃ってくれたのに恥をかかせる訳にはいかない。


 今回は中々打率が良くてカメスズの中の人にも
「今回はかなり綺麗に写っていてkazさんらしくねェ写真ですね〜」と褒められた。






 ゾナー……じゃないや、PRAKTICAR 135mm F3.5は素晴らしい活躍だな!!






 このあたりがエルノスター型の50mm/F2.4。

 ※実は5500円だった。

 
 そしてM42アダプタ経由でプリモター135mm。

 そもそもBMSを購入したのはこのアダプタがめちゃくちゃ安く転がっておりそこからボディが生えたのである。


 

 出来るだけ同じ構図で撮り合わせた写真のうち、人気のある色味を選ぶガチャ回の醍醐味。この企画があるため、冒頭どおり主宰からは口を酸っぱくして動作が安定しているカメラを選ぶように厳命されていた。


 ※通販番組のようなわざとらしいリアクションの主宰

 今回人気を博したのは「富士フイルム Venus800」と「Agfa ULTRA」の二強であった。
(私はアグファに入れた)

 他の人気どころはフジフィルム400,ロモカラー400、フジカラーC200などなど。


 そして今日一番よく撮れたと思う写真に投票する「今日の1枚」企画。

 私は純正のM42→プラクチカBマウントを使い、大好きなレンズであるMeyer Optik Görlitz製の「Lydith 30mm F3.5」を付けて撮影したものを提出した。



 いっぱいもろたで工藤!!

 なんとこちらが得票数トップを頂き賞品のフィルムまで頂いてしまった。

 このレンズは実は大のお気に入りのレンズで、そもそもPRAKTICA BMSを購入した理由であるツァイス純正のアダプタを活かす事もできたので割と大満足な結果ではある。

 自分でもアガリを見てニヤッとしてしまったもので、「風吹くな!!頼む風吹くな!!」と叫びながらベンチの上の葉っぱに最短距離近くまで寄った甲斐があった。

Bシステム大勝利!希望の明日へレディ・ゴーッ!!


 ……と、いう形で年内最後のフィルムさんぽは無事に完了した。来年も宜しくお願いしま……

 まだだ、まだ終わらんよ!!

 勘の良い人はお気づきかもしれない。不自然に話題が出てこないな、と。



 そう、私が1年に2回本気を出すと言われているイベント。フィルムさんぽ忘年会である。

 好評を頂いているフィルムさんぽBAR企画を仲間うちで調整、歴代最大規模で行う算段を立てている。
 ……まあ、営業成績と一緒でこういうのは毎回前回開催を越える目標値を立てるものなんだけども。

 そんなわけで翌日はみーーなさんお待ちかねェッ!フィルムさんぽ忘年会の開催となる。

 果たして何が起こるのか。
 このkazの目にもわからない……




 kaz







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