レンズの話をしよう ⑥〜【ロッコール話を颯爽と】Minolta Rokkorレンズ〜
レンズの描写でいうと東ドイツのレンズの映りが好きである。
なんというか、暖色というか柔らかめの色味と線がしっかりしていて写真を見た時に「ハッ」となるようなそんな雰囲気を与えるような気がするのだ。
記憶色寄りってことかな。とにかくこの色味が癖になるので東ドイツのレンズは結構色々持っていたりする。
日本のメーカーのレンズでも同様に色味が好きでよく集めているレンズがある。それがMF時代のMinoltaのロッコールレンズ群だ。
私の父が若い頃ミノルタのSRシリーズを使っており、たまたま同じ機種を見つけて使用しているのは以前に書いたとおりであるが、このSR-T101、ぶっちゃけるとかなり扱いやすいというか、映りが良く外しにくくて個人的には割と【勝負カメラ】の立ち位置にある。
加えると専用のロッコールレンズの映りが割りと上述した東ドイツのレンズに近いものがあり、この組み合わせは個人的にはキメ時に使うセットである。
ミノルタがどういう会社でどういった経緯を辿っていたのか、というのは私のnoteなどではなくもっとちゃんとした真っ当なサイトで色々解説があるのでそちらを参照してもらうとして、まあ恐ろしく簡単に言えば今のソニーのデジタルカメラのご先祖様と言うと一番近いか。
ミノルタ自体は非常に歴史が長い会社で、日独写真機商店、モルタ合資会社、そして千代田光学精工として戦前からカメラを作っていたメーカーでもあるので今回紹介するレンズ群以外にも中判カメラなども作っていた。
ミノルタ・セミPといい、これはこれで非常に素晴らしい映りのカメラだ。
ちなみにこのレンズ、プロマーシリーズに関しては後のPENTAX、当時の旭光学工業が下請けとして生産していたものである。
さて、このミノルタがMF時代の一眼レフ・SRシリーズやXシリーズに採用されたミノルタマウント用に作っていたレンズが「ロッコール」というブランドとなる。
大きく分けるとロッコール・オートロッコール・MCロッコール・MDロッコール・NewMD(これにはロッコール銘はつかない)となり、
それぞれ
自動絞り対応(オートロッコール)
開放測光対応(MCロッコール)
シャッター優先対応(MDロッコール/実はMCレンズでも出来ないことはないが非推奨)
ダウンサイジング・一部設計見直し(NMD)
と、同じミノルタマウントでも世代ごとによって徐々に進化している形だ。
ちなみに「MC」は「マルチコーティング」ではなく「メーターカプラー」の略で、開放絞り値を連動爪でメーターに伝えて開放測光できますよ、という意味。
「MD」は「メーターデュアル」を意味し、絞り値とシャッタースピード二つを連動出来ますよ、という意味だ。
自動絞りや開放測光に関してはここでちょっと触れている。3700文字以上書いたのだが大体中盤くらいで触れているぞ。
余談となるがAF化以降はマウントを刷新しているため別のレンズとなる。元々ミノルタマウントそのものがSRマウント・MC/MDマウントなど色々な呼び方がある上に上記AF化以降のαマウント/Aマウントが混在してくるので実はメルカリやヤフオク、その他ショップサイトなどでレンズを探すのが少しばかり手間なメーカーでもある。
さてこのロッコールシリーズ、私は特にSR-T101に合わせてMCロッコールが一番好きなのだが映りはやっぱり良いものを持っている。
実は6月4日に開催された安田記念の観戦に言ったのだが、このレースの撮影に挑むに当って、ここ暫く競馬の写真を同じく映りとレンズの揃いが良いCONTAX AXとヤシコンマウントのレンズでばっかり撮っていたのだがたまには変化が欲しくなった。
その際の候補としてM42かミノルタ、できればテレコンを持っているのでミノルタの方が若干楽かな、と思い望遠側のレンズを買い増しした、というわけだ。
ミノルタのレンズは前玉の写真を撮るのがたのしい。コーティングが緑色が浮いて綺麗だ。写っているしましまは我が家の玄関ドアなので別に気にしないでもらいたい。パドック撮影に適した焦点距離である100mmのロッコールとなるが、非常に軽量で映りも良く素晴らしい。
そしてもう一本購入しておいた。
競馬場のレースや、パドックでもジョッキーを大きく映す写真には300mm~400mmくらいの焦点距離があると良い。テレテッサー300mmとは同じくらいの重さらしいが、ボディ側が軽いためか重量バランスがよいのか使用時に感じる重さはずっと軽く感じる。
ちなみに余談となるが、MC/MD時代の各ロッコールに付いているアルファベットはレンズの枚数を表しており、例えばROKKOR-PFの場合は
Penta(5)群 F(Aから数えて6番目)枚を差し、このレンズが5群6枚のレンズ構成となっていることを表している。
私は鉄道関係に関する知識はまるでないのだが、鉄道関係に詳しい友人と鉄道博物館に訪れた際に
「電気機関車の型式は方式+動輪の数を表している。つまりEF○○はE(エレクトリック=電気)でF(Aから数えて6番目)なので電気動力で動輪が6つを意味する」という説明を聞き、
「ミノルタのレンズと同じだ!!!!」と被せ気味に感動した記憶がある。
いつもどおり話が逸れた。斯くして私の手元のミノルタレンズがだんだん大所帯になってきた。
MD24mm F2.8
MD35mm F2.8
MC50mm F1.4
NMD50mm F2.8マクロ
MC100mm F2.5
MC135mm F3.5
MC200mm F4
MC300mm F4.5
見ろ!これがミノルタワー建立の時だ!!
一応等倍マクロアダプターとケンコー製のテレコンバーター、あとフィルター枠が歪んだMC50mm F1.7もある。引っ越しの時に落とした。
稼働するボディが現在はSR-T101が1台だけしかないのだが、私にしては珍しく結構入れ込んでいるレンズブランドでもある。
だって映りがいいんだもん。
ちなみに、現状手元で使っているデジタルカメラはキヤノンEOS-3Mというミラーレスカメラなのだが、これに寄りやすいNMD50mmマクロをアダプタで接続して普段使いしている。プラモデルや料理、花などは大体この組み合わせで撮影をしているのだ。
デジタルで使っても中々の映りを見せてくれる。ミノルタマウントレンズはフランジバックが短めのため、ミラーレスが普及するまではオールドレンズ遊びでそこまで使いやすいブランドではなかった。
今でも探すと一部を除くと比較的安価に手に入れられるため、興味があれば探してみてもいいだろう。
ミッノルッタのっ、力っ♪
(ドナルドのうわさのメロディで)
kaz