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第124回フィルムさんぽ(グレ……中判回)に参加してきた件

 中国が製造した「GreatWall」という中判カメラがある。

https://note.com/kaz_pinguist/n/n3846e25ea4be


 詳しくはこちらで説明しているのだが、戦前ドイツのものをベースにして作られた中判一眼レフであり、国内でもそこそこ見掛ける機会がある。
 私がこのカメラを(誕生日だったということもあり)購入し使っているうちに周囲でこのカメラを購入される方が数名出没。
 
フィルムさんぽをはじめとしたフォトウォーク企画でこのカメラが3台揃うという様子のおかしい現象が見受けられていた。



 まあ使ってみると実際結構楽しいカメラではある。

 ところでフィルムさんぽでご一緒させて頂いている方が偶然「中判カメラ始めてみたいなあ〜」と呟かれており……


 見事、沼に突き落とした。

 この時に既にフィルムさんぽの中判回が開催される、という情報が流れてきており、私は全国のグレートウォーラーよ!団結せよ!と事あるごとにプロパガンダを発信していた。
 そして私の周囲のグレートウォーラーが続々と参加表明し、おそらく日本で一番グレートウォールが集結するフィルムフォトウォークの開催が予想された訳である。
 これはもう、記念写真撮ろうと。

 そんな感じの考えでサブアームとして京都旅行時に確保したクラスノゴルスク機械工場製のモスクワ2型を持参した。


 このカメラは戦前ドイツのスーパーイコンタのパーフェクトコピーとなり、69判フォーマットのためフィルムさんぽではレギュレーション上現在は使えない。
京都旅行の折に近場で寄れそうなカメラ屋さんを調べた際に店舗写真で在庫を確認。隣に同程度同価格の本家ドイツのセミイコンタが並んでいたにも関わらず悩まず購入。
 どちらも同じ方からの委託品らしいが、ソ連製カメラの癖に非常によく手入れされており動作も問題がなかった。
 このカメラを使ってグレートウォーラー集合写真を撮るためにわざわざスーツを着てグレートウォール内閣の組閣に備えて参加した程である。




グレート・腰痛


 実は先日、フィルムさんぽスピンオフ回のポートレート撮影会に参加した際に、私は腰を痛めてしまう。
 尋常でない痛みが続いたため会社を休んで病院に通院。とりあえずヘルニアのような病気ではなく、ギックリ腰だろうと。
 ところがこのギックリ腰の治りが全く良くない。寝ていると割と改善するのだが、車の運転をするとダメージが蓄積されていく。週末にもなると蓄積しきったダメージでほぼ寝たきりでドラクエ3をプレイするぐらいが関の山であった。
 さてフィルムさんぽは結構歩くイベントである。この状態で果たして歩けるのか……なんなら辞退するまでも……

 いや、日本全国1億2300万人のグレートウォールファンの為に私が諦める訳にはいかない。

 世界中が君を待っている。

 そして私にはこういう事態に対する切り札がある。

 私は足の怪我が多いため良く整形外科のお世話になる。お世話になると状況によって数日松葉杖を使うように指示が出たりするが……
 全快したあと杖を返しに行くのが面倒くさい

 そこで。


 昔買ってしまったリハビリ用松葉杖。

 結局年に一度はお世話になっているので無駄にはならなかった。このタイプの松葉杖を使っている有名人といえばやはり……


 この人だろうな。

 別に杖を使わなくても歩けるっちゃ歩けるが、流石に長時間歩くことを考えると文字通りの転ばぬ杖があってもよい。
 腰痛持ちの妹が「悪い事は言わんから絶対持っていけ」と命じたのも大きい。

「それならばウルトラマンレオのあのザマはなんだ!」

 ダン隊長ごっこもした。


 

グレート・ファイブ




 そしていつも通りの晴天(※私はフィルムさんぽ晴れ率90%以上)の中、ダンの杖をつきながら現地に集合した様子が……



 5台のグレートウォールが大集合!!!!

 実は私が把握しているフィルムさんぽ参加者かつグレートウォールの所有者の方のうち、1名は修理が間に合わず、1名は仕事の予定の為参加できなかったのでこれでも最大火力ではない。

 ガワだけでも持ってきてくれれば良かったのに。

 非常に面白いのが各グレートウォーラーのスタンスが異なっており、まず6×6か6×4.5かの選択で2分される。次にレンズが基本的に一種類しか発見されていないカメラなので、面白い写りを求める際のアプローチとして例えばライカ系や初期ゼニット用の39mm径のレンズを付けて擬似マクロとして使用するか、フィルターや外付けのワイドコンバーターで画角を変えてくるか。

 基本的には同じカメラ(細かく言うと巻き上げノブやレンズのローレットの仕上げが異なる)に対しての向き合い方が個人個人で異なってくるのは非常に興味深かった。


グレート・ジャーニー



 ダチョウはこんな動物(いつもの声と聞き慣れたBGM)

 撮影コースは野毛山動物園を中心としたコースで、歩く距離そのものは短いが横浜あるあるのアップダウンが多く見られた為、念の為にダンの杖を持参したのは大成功で腰に対する負担が少なくすることが出来た。
 講評の長丁場の段階では流石に蓄積ダメージが大きく、都度座りながら行動していたがもしも杖無しの状態を考えるとゾッとする。

 途中の階段でグレートウォール内閣の組閣写真をちゃんとスーツで撮ったりした。
 撮影終了後、腰を痛めてからは炎症が酷くなることを恐れてアルコールを二週間ほど絶っていたのだが……



 まあ明日病院行くし良いよね。

 実はフィルムさんぽの中判回ではネガを提出してクラフトビール屋さんに寄るのが定番化しつつある。いい文化だ。

 そしてネガを受け取り時に現像無料券を引き取り、必殺モスクワ2型のネガを現像依頼し、お昼ご飯を食べながら待ったのだが……


グレート・ミステイク




 モスクワは戦前ツァイスの完全コピー機である上、前オーナーによる手入れによるものか状態も良く既にテスト済みのカメラである。
 上がりを見てみよう。





 ※全てロモグラフィー400

  フォッフォッフォッ、ソビエトカメラの力を見よ!!

 ……グレートウォール内閣の組閣写真、だったな……

 じ、実は、予めモスクワのオリジナルであるイコンタタイプの使用歴がある主催のurbanさんに撮ってもらうように根回しをし、スーツを着用し、露出もちゃんと合わせて渡したのだが……

 きちんと巻き上げないで渡してしまったため多重露光で前のコマと被って死亡してしまった。

 くそう!よりによってそのコマだけ!!!!

 いやあ、巻き上げたかなー、巻き上げてなかったかなーと迷いはしたんだ。
 69判なので撮れる枚数が少ないこともあり、「多分巻き上げたろ」とそのまま渡してしまって。こんなことなら無駄コマ覚悟でもう1コマ巻き上げておくべきだった。

 機械は完璧、撮影者も完璧、ピントも完璧、構図も完璧。ただただ下準備を忘れてしまったのは惜しい。

 まあ他に撮ってる人がいたから出てくる。多分出てくると思う。出てくるんじゃないかな。
 ま、チョト覚悟はしておけ。


グレート・大成果





 特記事項、無しッ!

 まずはこの指先確認が大事なのである。

 かくして講評が始まる。

 他のグレートウォーラーの作例を見ていくと……



 な、なんか物凄いのが出てきてるーーッ!!

 今回のグレートウォーラーは物凄くレベルが高く、もう脱帽という言葉しか見つからない程である。


 私は今回紅葉回だ、と言われているにも関わらずモノクロフィルムを使ってしまう私。
 まあ3年前の中判回も同様にモノクロを使っていた辺り、根本的に臍が曲がり尽くしている。


 ちなみに当時の使用カメラはサリュート。ソ連の生み出した文化の極みだよ。



 どこのご家庭にもあるはずのM39スクリューマウントの初期ゼニット用レンズ。
 これは西ドイツ輸出バージョン銘のREVUE FLEX用の135mm F2.8(調査データ上はENNA製)なのだが、フランジバックが合わない為当然マクロ撮影専用となる。


 トリプレットなのでボケ方がいいなあ。


きりん


 東洋の魔女のレリーフ

 今回も【いつもの】ことXP2イエローフィルター増し増しメソッドを使ってみた。
 丁度先日のりょえさんぽでワットマンで52mm径のイエローフィルターを拾ったからである。
(※普段40.5mmと49mmしか使わないので52mmのアクセサリの持ち合わせが何もない)

 皆様素晴らしいグレートリザルトで、私はひたすらに「nice great!」と叫ぶだけのマシンと化していた。

 実際、中判一眼レフというジャンルの中では最安値のはずで、スペックと離れたところで撮影そのものが楽しいカメラである、と思っている。
 二重撮影防止機構と多重露光機能もあり、ファインダーは物凄く明るく肉眼よりピントが合わせやすい。※レンズが実絞り式なのだが、イエローフィルターを付けてF22まで絞っても余裕で合わせられる

 欠点といえば構造上シャッター速度が稼ぎにくい事と、フィルム室の寸法がカッチカチでフィルム装填にやや手こずることくらいである。



 

 ※さんぽDMを悪用して布教活動に励む私の図



 kaz
















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