kazのこんなカメラ⑤Mess-Baldix
機材を選ぶ時に、小ささや軽さは割と重視しているポイントである。
当たり前だけど同じ性能のものなら小型の方がいい。撮影で長い時間持ち歩くなら尚更だ。
今回紹介するのは私が知る限り最小・最軽量の66中判カメラ。
西ドイツのBalda製、Mess-Baldixである。
何故かコニフードがジャストフィットする。
元々、この手のフォールディングカメラは携帯性に優れる傾向にあるが、こいつはすごいぞ。
Iphone7と比べてこのくらいだ。普通にポケットに入る。
一応、セミオートマット、フィルムカウンター、非連動式距離計、最速1/300、ENNA製レンズと一通り揃えている。ちなみにENNAは好き。レンズの他にはスライドビューアーも持ってる。
重さも550gしかない。
レンズ付きで比較するとバルナックライカと大差ない。中判なのに。
名前の「メス・バルディクス」。この「メス」はドイツ語で測定、計測を意味する。
改造実験帝国ではない。
要するにバルディクスに距離計を付けましたよ、という身も蓋もない名前だ。
この距離計、非連動方式となっている。なんのことはない、レンジファインダーでピントを合わせると距離ダイヤルでピント合致距離がわかる。
判明した距離をヘリコイドに入力するとピントが合う仕組みになっている。古い中判によくあるものだ。
巻き上げはセミオートマットになっており、赤窓で最初の一枚の位置を合わせれば、後は巻き上げノブを回るだけ回すだけで自動的にフィルムカウンターが動き、二重露出防止ロックが解除されてシャッターが切れるようになる。(シャッターが切れる状態かどうかはシャッター横の小窓で確認できる)
このサイズにしては凝った造りだ。
ただし、古い時代のカメラなので裏紙の厚さなどの関係でオートマットの巻き上げ量には誤差がある。
赤窓がついているので微調整すればいいだけだが。
また、このセミオートマットそのものに少し癖があり、慣れないうちは最初の一枚を無駄にするかもしれない。
(何も考えず赤窓で一枚目を合わせると、シャッターロックが解除されずシャッターが次のコマからしか切れない)
さて肝心要の写りの話に移るけれど、これが中々どうして悪くない。
やはりENNAはよいぞ。
距離計が非連動なので少し撮影までのインターバルが長くなりがちだが、それを補って余りある携行性。
私はジーパンの尻ポケットにしまったりしている。
「ジーンズのポケットに入る」の売り文句だったVaio Pよりは自然に入るはずだ。
これこのまま歩いたら間違いなく落とすよね
「ポケットの中の中判」とも呼べるこのBaldixはもっと評価されるべき。
バーニィ、忘れないよ。
kaz