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Leitz Phone 1を買ってみた


 スマートフォンを機種変更してみた。
 
 私はこの手のスマートフォンは実は割と昔から使っており、元を辿ればWindows mobileを使いiPhoneやAndroidの黎明を(羨ましがりながら)見てきた経緯がある。
 最近は4代くらい続けてXperiaを使用しており、丁度今使っているのもXperia Iであった。
 ところが、昨今のアプリやゲームは絶大な容量を食う。ミドルクラスのゲームで5GB、ちょっとグラフィックに凝っているゲームだと10GB越えのものもザラだ。
 20年くらい前パソコンゲームに勤しんでいた人に聞かせたら金槌で頭を殴られそうな話だ。

 Xperia IのRAMメモリ容量は64GB。
 ウマ娘とガンダムのゲーム2つに20GB与えるとそれだけで容量の半分を圧迫してしまう。

 ここ数ヶ月はメモリ使用量が常に99%で、アップデートが一つ飛んでくる度に過去の写真やダウンロードデータを一つ消していくという、テッカマンブレードのブラスター化のような哀しい等価交換をしているレベルだった。
 丁度スマホを使用し2年が過ぎるためソフトバンクの「今機種変更をすると残りのローン残債をすべて無料化!」というキャンペーンの対象となり、こちらを活用して機種変更することとした。

 実は目星を付けていた機種があり、Xperiaに1インチのセンサーとカールツァイス・テッサーレンズを積んでメモリ256GBという新機種が丁度12月に発売されることとなっていた。
 Xperia PRO-Iという。

 ところが、待てど暮らせどソフトバンクから取り扱いの通知が来ない。
 どうもSonyストアで販売するがソフトバンクからは発売されない(少なくとも発売日には)んじゃないのかと。
 Xperiaとソフトバンクの蜜月を考えると少し意外ではあった。

 最善の選択肢がないなら次善を選ぶ。
 今回の私の絶対条件は、
・ソフトバンク取り扱い機種で
・RAMメモリが256GB
の2つとなる。
 欲をいうとちょっとカメラ性能が欲しい。

 と、なるとGoogleのPixelかXperia 1IIIかAQUOSをベースにライカがプロデュースしたライツフォンとなってくる。
 実際にモックを触った印象では、1インチセンサーを積んでいるライツフォンの写りは確かに素晴らしかったし、フレームの作りもAQUOS R6と全く同様の構成であるものの造り込みが良く出来ていた。

 しかしカメラアプリのUIがあまり良くなく、良くも悪くも普通のスマホと変わらない。

 で、あればSONYのαから技術を輸入しているXperia 1IIIがいいかなー、と思った訳だ。
 なんせあれ、スマホカメラのくせにシャッタースピードやSS優先AEとか選択できるのだ。

 そして実は大変なのはここからになる。
 欲しい機種は決まった。多くの店の店頭に1IIIのモックがある。ところが実際に1IIIに変えたいんですけど、とお願いをするとどこの店にも在庫がないのだ。

 池袋の携帯ショップの殆どを回っても在庫がなく、オンラインショップにも在庫が残っていない。おかしいよね。モックも金額表もあるのに。

 同様の悩みの方がいらっしゃってTwitterでコメントを頂いたが、Xperia 5IIIが発売されたことに従って販売が終了してしまったらしい。
 5IIIは128GBしかないんだよなあ。

 まあそんなこんながあり、スマホの容量が持たん時が来ているのだよアムロ。

 取り急ぎ256GBでー、カメラがよくてー、という事でLeitzPhone 1に機種変更するに至ったわけだ。


 


 結構高級感を感じるデザインである。
 さて、このライツフォンとは先述した通り、シャープのAQUOS R6というスマートフォンをベースにLeicaプロデュースしたスマートフォンである。

 性能面はほぼ同じ(ストレージ量が上位)で先程書いたようにフレームの仕上げや写真アプリ、一部UIがLeica監修となっている。
 この差異で大体6万円弱ぐらいR6よりお高くなっている為、一部では
「ライカの赤バッジに6万円」と馬鹿にされることもある。

 これはある意味で非常に正しく、ある意味では全く間違っている。

 まず、すぐ上で書いたとおりソフトバンクのR6のストレージは128GB。ライツフォンは256GBだ。この時点で1万円くらいの差異は出る。
 そしてこのスマホに付属するアクセサリー。レンズキャップとシリコンカバーなのだがこれがライカストアではえっらいお値段がする。


 レンズキャップが5500円でシリコンケースが9900円だ。
 つまり付属品が15000円以上の価格である。


 ……苦しい言い訳だろうか。私もまったくそう思う。

 
「シリコンジャケットに10000円!?あんなの100円ショップで売ってるじゃないか!」
とまで思ったが実際ジャケットは結構いい出来をしており、100均クオリティではなくAmazonなら1000円くらいしそうな出来だったことをLeicaの名誉の為にも付け加えておく。

 とまあお目々ぐるぐるで無理くり擁護をしたが、まあ他にもフレームの造りや専用カメラアプリなども含めれば純粋な赤バッジ代金としては15000円~20000円ぐらいなのではなかろうか。

 そもそも「ライカ」としては異常に安いとは思う。
 Mシリーズなら100万円ぐらいするもんね。

 

 果たして実際のレビューなのだが、私はガジェオタというレベルではないただの素人なので大雑把に評点していく。


カメラ機能:☆☆☆*~☆☆☆☆

 やはり1インチセンサーとライカ・ズミクロンの名前を持つレンズは中々の写りをする。RAWでも撮影出来るしPhotoshopの無料版がプリインストールされているのでその気になれば「作品」作りも出来そうだ。

 専用のモノクロ撮影モード「Leitz Looks」は中々雰囲気のあるモノクロ写真がポイッ、と出てきて大したものである。


 

その割には評価が高くないのはやはりずっと書き連ねている「カメラUIが良くない」ことである。

 良くも悪くもフツウノスマホカメラ科フツウノスマホカメラ属フツウノスマホカメラなUI。

 ブライトファインダーや平行水準器などはカメラを意識しているが、やはり最新のXperiaUIを触ってしまうとどうしても評価は下がってしまう。

 また、これはレビューでも指摘が多かったが
・レンズが寄れない
・撮影しているとすぐ熱を持ってしまう
・AFがかなり迷う

 という三点は確かに確認出来る。



 この内「寄れない」という点に関してはまあRFライカを意識しているならそもそもRFカメラは寄れないしな、と割り切りが出来るが、2番目の熱に関してはちょっと頂けない。
 カメラに限らず多少の作業を行っていると背面がすぐにホッカホカになってしまうのだ。これから寒いから丁度いいよね!よくない。

 AFに関してはアップデートを噛ますと大分改善されている。やはりカメラが売りのスマホでカメラがおバカなのは頂けないしな。
 UIも少しばかり改善されている(数種類ある撮影モードをアプリ終了時に記憶できるようになった。最初からそうしろ)。

 そんなわけでアプデを噛ませば☆4くらいかな。


 動作:☆☆☆☆

 まず単純な動作そのもの。これはもうサックサクである。ROM12GBで余裕のあるスペックで動かすとぬるぬる動く。
 ウマ娘とは別にリアルな競馬のゲームを入れているのだが、Xperia Iでは処理落ちや接続待ちの状態がよく発生していたが、それらは全くなくなった。

 寧ろレース映像が倍速になって馬というかバイクみたいな速度で走るようになってちょっと面白い(スマホ側のゲーミング設定でこの辺りはいじれるようだ)
 大まかな動作は快適の一言で問題ないが、何故か一部アプリでフリーズを起こす例を確認した。

 具体的に言うとネットケイバアプリのライブ配信機能で映像を見るとフリーズを起こす。そのせいで全日本2歳優駿を見逃した。

 他にも一部アプリで一瞬固まったりするケースを見かけた(全てアップデート前)事から、
「全体的には快適だけど時々不安定」という評価は必要だろう。

 造り:☆☆☆☆☆

 全体的な筐体の作りは素晴らしい。
 基本的にはR6同様だか、如何にしてライカっぽく見せるか、という所にはかなり拘りがあるようだ。

 フレームに施されたアルミのローレット加工や


 「レンズ」に見せるよう工夫したカメラ配置、


 全体的にシックでシンプルなデザイン。


 実際R6と比較すると部品の配置は全く同じなのだが、この質感の差はちょっとすごい。

 難点を上げるならカメラとして使用時に右手側にシャッターが付いていないことがちょっと足りないと感じる程度だ。
 まあ左手シャッターのカメラも結構あるし慣れだね。

 もう一つの問題はこれだけ褒めそやした筐体デザインだが。

 付属するケース被せたら見えなくなるっていうね。



 操作性:☆☆

 いやちょっとデカいよこれ。

 Xperia Iも当時としてはかなり大柄なボディをしており、慣れるまでに少し苦労したのだが、このライツフォンはそれ以上に、片手では極めて扱いづらい。

 その大きな理由はレンズキャップの存在に起因している。
 レンズキャップを取り付ける為、筐体の上半分に重心が偏っており片手で持ちづらいのだ。必然的に(この記事のような)長い文章を打つ際には両手での操作を強いられる形となる。片手持ちをするとどうにも不安定で危なっかしい。

 また、左右のガラスが大きくカーブを描く形となるが、この曲面領域の端っこにあるアイコンに関しては極めてタッチ感度が悪い。
 ここは別に奇をてらわないで欲しかった。

 重箱の隅を突けばレンズキャップの関係で
「テーブル上のスマホを引き寄せて手元に置く」という動作も神経を使う。レンスキャップならまだしも
 テーブル等を傷つけちゃうでしょ。

 これらに関してはやはりいまいち評価出来ない。


 スピーカー:

 誤記ではない。星なんてやれない。
 2年前のXperiaと比較するどころか、単純な音質の話をすればLeitz phoneの対抗になるのは電気屋で800円くらいのモノラルラジオだろう。

 何故かわからんがモノラルスピーカーを通したようなザリザリする音の上、音量を上げると音が割れてしまう。
 何故家電屋のシャープが開発してこんな事になるのだ。
 プラズマクラスターが出てくる面白家電とか作ってるではないか。
 ここに関しては今回スピーカー周りの開発に携わった社員を全員シベリア送りにして開発し直すべきである。


 総合:☆☆☆*


 決して悪いスマートフォンではないしカメラ性能は圧倒的。快速5Gにサクサク動作のメモリCPU。
 所有感を満たす外装デザイン。
 この辺りは褒められるが、どうにも「スマートフォン」としての性能面はともかく機能面がちぐはぐである。
 電話出来るカメラである、と割り切ったとしても少し物足りない。
 一応アップデートを配布する程度には見捨てられていないようなので、Leica先生とSHARP先生の次回作にご期待したい。

 スピーカーを設計した奴らは全員粛清しとけよな。




kaz







 

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